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運命とは出会いか?

男はロック・サンダースは憂いていた。

可愛い後輩のリンバラや仲間達と共に日々切磋琢磨せっさたくま王都を守り続けてきた。

ロック自身もそれに満足していて、この幸せを忘れてはいけないと心懸けてきた。だが。

ある日、小耳に挟んでしまった。

あの例の場所について。最初の頃のロックはそんな狂人染みたことに興味も無かったし、信じようともしなかったがその例の場所に潜り込む隊員の姿を見てしまった。

驚きと共にその翌日、王都に悲しみから産まれた

蒼い悪魔が放たれた。これはいかんとロックは焦り例の場所が開く扉を見つけるとすぐに破壊し、

隠蔽にも励んだ。

それでも、例の場所の扉は現れ。被害は無くなる所かますます増えていく・・・・・・

汗がだらだらと湧き出て扉を睨む。

意を決し、不透明な扉を進んで━━━━━ロックに迷いが生じた。

ロックが出会い殺してきた‘何か’は常に憂いていた。

とあるエルフは精神が薬により麻痺して堕天し、とある悪魔は

赤ちゃんが流産した女の念から産まれ、とある者はと皆。愛に飢えていた。ロックは思った。自分は本当に幸せなのかと。

色々な人種がいて、色々な生き方がある。

それはどんなに幸せそうに見えても、それは自分自身が決めることだ。たとえ、自身がどんな窮地にいようと貧しかろうと幸せだと思えなければ意味がない。

ロックは自問自答し、名も無き何か達を暗闇の中殺してきた。

本当の幸せとは何か?本当の自分とは何か?

哲学者染みた葛藤が手を翳した時━━━━━━━

彼女に出会った。

たじろぐ二人。おどおどと念のため二人して阿吽の呼吸で

今に至る。



ミウもまた、自分の何かに出会ったような気がした。

それはまるで。ミウ自身に足りなかった憧れに近いかもしれない。ミウは己を殺し続けて東部隊隊長としてしか生きて来なかった。だからこそ、運命という光に手を翳したのだ。

『・・・・・あ、あの!』

その時である。

二人が交わろうかと言うその時。只ならない殺気が真横に現れ、

ロックとミウは剣を構えた。 

見るやそこに居たのは紛れもない天使だった。

天秤を掲げた男の彫刻に座る魔教人の修道服をきた金髪碧眼の女天使。

その出で立ちはまさに。

「まさか、大天使イヴなのか!?」

ロックの受け答えに突然、金髪碧眼の天使は笑い出した。

「違う違う。あたいは大天使様ほど強くないよ。強いて言うなら生き残り、かな?」

「生き残り・・・・・?」

ミウの呟きに天使が人差し指を顎に当て、月夜を仰いだ。

ただそこには昔の自分と今の天使自身を重ね合わせているように見える。数秒間の考えから天使はしどろもどろに言葉を吐いた。

「何て言うかな。今でも確証は持てないけど、今現在生き残っているとされる天使はあたいだけなんだ。古来より続いたとされる神々の戦争で、大天使イヴは消滅。おまけに生き残った天使は悪魔に堕天しちゃってさ。唯一このあたいキー・ゴールドだけはひっそりと難を逃れたり訳よ」

「・・・・・う~ん、そうか。それは本当に辛かったんだな・・・・・だけどどうして、こんな危険な部屋まで作ってまでキーは運命を定めるんだ?」

「うーんとね。話せば長くなるけど、まず最初のきっかけは神々のお告げからだった。あたいは神々からある刑務所、殺されない死刑囚ノット・キル・ヒューマンズの通称ゴッド・キルから助言を貰うよう言われたの。もちろん最初は断ったさ。けど、運命には逆らえなかった。気が付けば、私はゴッド・キルと会っていた。それが運命の始まりなのさ」


‘そこにお前の運命がある。行くといいさ、フギャギャハハハ’


ミウは内心、ゴッド・キルの名を往復した。

ただ、ミウ自身の縛られていた何かが繋がったような気がして・・・・・’


「とにかく、あたいから以上だ。後は神々が運命たる試練を与えてくれるさ。じゃあな~」

「おい、待て!・・・・っ行ってしまったか」

ロックは髪を掻き毟ってやれやれと頭を抱えた。それとは逆にミウはぼーっとキー・ゴールドがいた場所を見据えている。

ロックは少々ためらいながら言葉を紡いだ。

「ええっと、あんた。確かミウさんだっけ?格好からして騎士団━━━━隊長か何かだとは思うがその、あんたも何かを探しに来たのか?」 

「・・・・・さあ、それは私にも分からないわ。ただ、あなたという人を探し求めて心が疼いたのかもしれない。・・・・・・私は運命を信じるわ・・・・・!」

不覚にもドキリとしてしまった。

こんなキレイな人にこんな顔をされると何だか彼女という存在がズルイように感じる。そしてミウは長い銀髪をかき上げ、ロックにここを出るよう促した。


夜の王都はやけに賑わっていた。

夜店で鶏の丸焼きを売る男の声や酒を一気飲みして何かを語り合う貴族達などがわいわい飯を頬張るかなのかそれとも。

隣にミウさんがいるからだろうか。

ロックはあまりミウを意識しないようにたわいも無い話を適当に交えて、ミウもそれに相づちを奏でる。

そんな中、ミウは一際悲しく憂いてたまらずロックに問い詰めた。

「ねえ、何で私を殺さなかったの?私は運命なんてわがままのために全てを殺してきた!なのにあなたは、私に手を差し伸べて

運命を教えてくれた。ゴッド・キルや騎士団が教えてくれなかったこと。━━━━━━もしよろしければ、あした。‘デート’しませんか?」

「えっ?・・・・・」

「無理にとは言いません。明日の夕方、王都前の川辺であなたにも運命を感じて欲しいんです。だから、ダメ♡?」

「・・・・・うっ!?」

刹那、ロックは快く返答し。任務終わりに会うこととなった。



翌日、ロックは西騎士団本部で書類整理の箱を片付け西部隊副隊長のリンバラと雑務の汗を流していた。

「ふぅ。これで一段落♪」と息を整えるリンバラだが、その胸元からは寄せ集めに寄せに寄せた胸を包むピンク色のブラが見え隠れしている。

一応ロックは咳払いを大袈裟にした後に自分の胸元を指さす。 

それにリンバラが己の胸元を覗き━━━━ニタァと実に可笑しそうに言う。

「あれあれ?もしかしてロック隊長、私に興奮しました?まあ、私の胸にそそられるのも無理は無いというか?ロック隊長になら、弄られてもいいよ?」

「バカ言え。誰がお前みたいな寄せパイに勃つか。お前はそもそも女じゃないし」

「むう。最近の隊長は冷たいです・・・・・前はあんなにラブコメ主人公みたいな人だったのに」 

「なんだそれ?また童謡漫画の話か?最近そういったの、流行ってるらしいが・・・・」

「流行ってるなんてモノじゃありません。『童漫』は突如して現れた嗜好の娯楽にして、人生その物です!」

「人生ねぇ・・・・」

ふとロックは彼女ムーン・ジャスティス・ミウの容姿を脳内で再生した。

長い蕩けるような銀髪に美しい肌、嗜好の瞳は高貴に溢れその唇は魅惑的とも言えよう。そして体のラインも大変よろしく。

出るとこは出て、引っ込む所は引っ込む。

正に完璧。完璧の他に何があろうか?もし、あんな人と一緒に居られたら・・・・・・

「女の匂い、ですか?」

「う、うわっ!」

刹那、ロックの変質的考えを読み取ったのか。リンバラはロックの目の前で瞳を細めていた。 

ロックがあたふたと説明しようと言葉に詰まっていると、リンバラは顔色変えずに騎士団を出て行った。

「ったく。一体何だったんだ?」

ラブコメ主人公、案外その言葉はロック・サンダースに似合う物かもしれない。




「はあ~。本当にどうしましょ・・・・・・」

一方でミウは王都の大通りの川辺で、ロックの事を考えながらもじもじと赤面していた。

ミウの仕事は隠蔽や背徳染みた事が多く、後の雑務は部下たちが率先してくれるし。何もやることの無いミウはこの時初めて東部隊隊長ではなく、只のミウとして彼が来るであろう川辺のベンチに何をする出なく内股から私服のスカートが翻らぬよう、キュッと押さえて。

ホントにどうしよっ、男の人とデートなんて!?

何であんな事言っちゃったんだろ私・・・・・粋がってるって思われてないかな?!そうだ、ここは隊長らしく。凛々しくスマートに言えば!・・・・・ああでも!逆に仕事臭くならないかな?!ロックくんも西部隊の隊長な訳だし・・・・・ああ一体どうしたら・・・・・・!!

「あの!」

ああああでも!

「あの!聞いてます?」

「・・・・・あ」

そこに胸があった。13、4歳くらいのデフォルメが垂れ下がった白服から覗かれ、ミウの視野にその少女の顔が映る。 

長く結われた茶髪の髪に幼く見える童顔で内気そうな顔立ち。

後ろに麦藁帽まで付けたそれは子供がお姉さんに話しかける物で。ミウが何気に声をかけようとした途端━━━━━

「少しロック隊長に馴れ馴れし過ぎない?東部隊隊長ムーン・ジャスティス・ミウ」

「っ!あなたは?」

「ふんだ。私はロック隊長の従順に従う身、西部隊副隊長リンバラ。そう言えば、分かるでしょ?」

「リンバラ。まさか、あなたが例の悪魔中級層幹部グランを?噂に聞いてたけど・・・・・」

とミウがリンバラを下から上へ凝視して、「な、何だよ」とリンバラが少し困惑した時。

「カワイイ~♡!」

「ほにゃっ!?」 

ミウはリンバラの顔を豊満な胸に押し込み、まるで小動物にでも甘えるようにリンバラに抱きついた。

「ちょっと、当たって・・・・ううん、あ~ん♡は、ああ。こ、これ以上はやめてーー~!!」 


「ご、ごめんなさい。私たっらつい・・・・」

「い、いえ。つい先ほど、社会格差を体感したばかりで・・・・・」

リンバラは己の胸を触りながら落胆し、オホンと咳払いをした後本題に入った。

「ほんでもって、ミウさんはロック隊長とデートでもしに来たんですか?残念ながらロック隊長はまだ。職務に励んでいる最中ですが?」

「それが、ね?ロックくんとデートする事を考えていたら居ても経ってもいられず・・・・・気付いたら、待ち合わせ場所にいて・・・・・」

そのどうしよも無く可愛い理由にリンバラは息を吐き、ぬうと手を差し伸べた。

その意図にミウが不思議そうにリンバラの手のひらを観察し、リンバラが「実践するから」に続けて。

「見た目は違えど、‘中身は一緒’だから。ロック隊長が来るまでは私がミウさんと恋人、だよ♪」


ミウ達は王都の近くにある繁華街で様々な小洒落た店々に足を運んでリンバラが「ミウさんミウさん!」と袖を引っ張り、服を買いあさっていて。ミウ達は買った服に着替えていた。

ミウは蒼いジーパン風のカーディガンにジーンズ。さらに赤い口紅を塗ってより色めきたっている。

一方のリンバラは髪型をツインテールに変えて、白いワンピースと真珠のネックレスさらに一際目立つのがその胸元。 

実に黒であった。わざと下着の透けるワンピースからは幼さの裏側にどこか大人の空気感を男に喰わしているようにすら思える。

だがそれは、逆にこうでもしないとミウに魅力で負けると思ったからで。10cm高いヒールを履いて背伸びはしたが、ミウもヒールを履いているため効果はない。

だが、自分には魅力がないと思うリンバラだが。

ロックだって満更でもないというのに・・・・・・


リンバラが楽しそうに繁華街をスキップしている最中、ミウは店先にあるマネキン━━━━━ランジェリーショップを眺めふと

脳内でいきなり、ロック・サンダースが現れ服を脱ぎ出す。

’ロックくん、一体何を!?’

丸出しになったミウがベッドのシートで体を隠すもロックがミウの顎を持ち上げ━━━━━

’俺のマシンガンドリルで、君の嬌声をぶち抜いて━━━━,

「ミウさん、どうかしましたか?」

「キャー!?!?」

「わっ大丈夫ですかって、ミウさんはランジェリーショップに行きたいんですか?」

「いやそんなこと・・・・・」

「いいじゃないですか!別に女の子同士なんですし。ロック隊長に見せつけちゃいましょう!」

「ああ、いやあ~!・・・・・・」



「いい?」

「オーケイです」

二人はそれを合図にカーテンを開けた。

互いに安物の下着を穿きあい紅梅気味に頬を赤らめながら見つめ合う。

リンバラの下着からはその幼い無邪気さが窺える向日葵色の下着で、控え目な胸とくびれのラインが淡いひかりを帯びていて。

ミウはゴクリと唾を飲んだ。同じ異性だというのに、何故かそれを‘感じさせない’妙なトキめきさえ感じていしまって・・・・・・ミウは自分の体に恥じらいを感じた。


一方のミウからはリンバラとは対照的な言うならば。大人な魅力があった。艶やかな瞳と長い髪は動物的発情をそそられ下着からは肉。ブラからはち切れる程の脂肪なる肉が踊りを為し、ガーターベルトは飲め廻したくなるような太さで━━━━━

リンバラは思わず、股の内を押さえた。

ヤバイ!イク・・・・・!

下着の上から短パンを穿いているとは言え。リンバラには刺激が強すぎた。思わず目を逸らしてしまう。



『・・・・・・あの!どう、かな?』

「・・・・・うん、似合ってると思う」

「・・・・・うん、似合ってると思う」

何だかイケない関係みたいだと二人は笑った。



辺りはもう夕焼色に変わっていた。

ミウが途中でロックの事を思いだして慌てて川辺まで足を動かし、見るやロックが川辺で待っていた。

二人を見て一瞬驚いたようだが。切り替えよく二人の呼び声をかける。

「おお、お前等。一体どこで━━━━━━」

瞬間、何かが起こった。

ヒールの高さが合わなかったのか、ミウがリンバラめがけて転げ落ちたのだ。

大丈夫か?と声を掛けかけた時、見てはいけない物を見てしまった。ミウがリンバラの‘おちんちん’を鷲摑みにして倒れ込んでいたのだ。ミウは一瞬何が起こったか分からず思わずリンバラのおちんちんを数回揉んだ。初めての感触。少しの理解がリンバラとの楽しい思い出と混ざり合い、ごちゃごちゃになって・・・・・・・

「キャーーーー!!」

悲鳴を上げたのはリンバラだった。リンバラはよくもよくも!と

声を張り上げているがどう見ても動揺していて。

そのままめくれたパンツを隠しながら涙目で去っていた。

「・・・・・・えーと、何だ。リンバラは男の娘って奴なんだよ。だから・・・・・気にするな」 

その後、ロックはミウのことを気遣いデートはまた今度とお預けになった。



                    次へ






































 



















 





























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