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本当の親でなくても・・・・(子を欺け)

夜。町並みもすっかりと寝静まった頃、とある教会の片隅に誰あろう大天使イヴが神妙な趣で一人魔法陣の中にいた。常に相づちを打ちながらも通話相手の問いに答える。

「もう、さすがに。私の手に負えません。彼は過ちを犯しすぎたのです。人を慈しむ愛という存在すらも彼を見放して━━━━━なので、こう言っては貴方の癪に障ることは百も承知です。どうか彼を天罰《お救い》してください・・・・!!それが大天使イヴとしての唯一の願いです。はい、どうか。これからも宜しくお願いします、‘閻魔大魔王様’・・・・・」


「終わりましたか、イヴ様・・・・」

「ノウズ・オールド。見ていたの、ですね?貴方は誰よれも魔教人の為と誰よりも頑張っていますね・・・・こんな遅くなるまで考古学の研究ですか?体調崩しますよ?」

「お構いなく、イヴ様ともあろうお方が老いぼれの私目にご配慮してもらうだけでもなんとおこがましい事でしょう。それに━━━━━」

「彼、についてですね?」

「はい、おおよそ検討は着きますが。閻魔大魔王様に頼る程の相手でも・・・・・第一、イヴ様ならあのような相手。簡単に葬りされ━━━━━」

「出来ないのッッ!!」

「!」

「分かっています・・・・けじめは私大天使イヴ自身が着けないといけないと。でも、彼を愛していますから━━━━━━」



同時刻━━━━ループエンドにて元貴族のリークと悪魔五天王の中層幹部グランにシルエット状に姿を隠した三将の二人。炎将レイと水将スーが自ずといた。 

「しかし、意外だったな。月将ムクがあのような醜態を晒すとはな」

グランが鎧越しに顎を触るのに対し、炎将は木の棒を魔力で火をつけて‘変換魔法’の原理で煙草としての機能にねじ変えながら。

「しっかし、よお~。このままでいいのかぁ?ムクの野郎は当分動けそうにないし?早いとこ我ら災厄の力を借りて、世界もろとも落としたほうが・・・・それとも俺達が殺れってか?いいけどよぉ~。まあ、戦力差が歴然なのは歪めないよな?スー?」

「ああ、そうだね・・・・・・ムクの蔑む目線からのあの生脚!?ハアハア、ちょっとミステリアスな所もイイ・・・!!イイ女です!」

「・・・・・グラン、そこの人形に手はずは打っておけ。何せ例の場所には━━━━━━神々の遺産が骸となって転がってんだからよぉ」



噴水が呼吸するように空気が澄んでいて気持ちが良い。

ミツ・ジャスティス・ミウは‘たまたま’仕事が休みだったので、

少しだけ身なりを整えて待ち合わせ場所に着いていた。

五分前行動を心がけて来たものの二人はまだ来る気配がない。

はあ。

前までは桜が咲いておったのに。気候が変わり仄かに蒸し暑い。

まあ、無理はないことじゃ。散々事件ばかり起きてばっかりだったし。キルの奴も娘を騙し続けて守り抜いた訳だし・・・・・・わらわは、ここにいて良いのだろうか?

何もかもが嘘だらけで生まれも育ちも全て━━━━━

「ミウ・・・・」

ミウ、そうわらわ達は彼女をそう呼ぶ。けれども彼女の本当の名はムーン・ジャスティス・ミウ。ムーンよ、あの星月夜にわらわはまた嘘を着いた。顔を背けて逃げた。

実母のつけた名はどこかわらわを蝕め愛おしくさせる。

だから━━━━━

「遅かったのぅ。ミウ、キル」

最後までお主等を欺くとしよう・・・・・!

母の日であるわらわの生まれた本当の日に・・・・!!




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