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悪魔五天王

新章的な話を書きます

悪魔中層幹部グランは重たい斧に纏わりついた貴族のリークの魂を解き放ち。脱け殻の本体へと浮き人形がけほっけほっと起き出した。

「さあ、目覚め時だ。浮き人形リーク!我らの贄として再び参ろうぞ・・・・!!例の場所を悪魔五天王にしてその頂点に君臨する災厄に!!!?」

「まて、まて!?」

「ん?何だ?助けてもらって礼の一つも無しか。まあ、いい。お前には是もなく協力してもらう。勿論、只でとは言わない。協力した暁にはこの世の支配権と我々の頂点。災厄を操る権利を与える。悪い話ではないだろう?」

「・・・・だが、町にはグレイとか言う得体の知れない化けもんもいるし。黒い蛇やら騎士団に・・・・・ああ!!考えたら霧がない!確かにお前さんの提案は悪くない。だが、肝心の敵が多すぎる。いくらお前さんのボスが凄いからって味方がいないと━━━━━」


━━━━━味方がいないと、誰が言った?

我らは常に一つ。

グラン様に忠誠を。

災厄の成されるままに。

全てを殺めて・・・・・!

『我らの災厄のために・・・・!!!!』


リークはその絶望の手を取らざる得ないと再び思い知らされた。



王都の西側の隅に魔教人が崇拝する教会に各々、厳粛な面構えで互いを睨んでいた。

そこに予定調和をかけるようにキラキラと手を叩き。『説明がまだでしたので』と大天使イヴは自己紹介がてら己という存在について語りだした。

『皆さんも知っての通り、私が魔教人童謡説に唱えられた大天使イヴその人です。確かに、皆さんのお気持ちは察しはついています。何故、一度滅んだはずの天使がここにいて。突然的に力を貸したのか?その他にも思う付しはありそうですが、簡単に言ってしまえば蘇ったのです。昔、人々が血塗られた戦争を犯し時、私は裏切られたのですよ。人に、未来に、そして魔教人にさえも私を殺す大魔法を放った。今は悪魔中層幹部グランにいいように足なわれたようですけど・・・・けれども私は答えたいのです!いつ、どこで何を願おうとその願いが募れば私はこの地に降り立つ云わば神の呪いか悪あがきだと思って結構です。それでも善い行いが今、私の胸に響いて共に悪を倒しました。ですが━━━━━』

「戦いはまだ、終わっちゃいねぇ」

「パ・・・・お、お父様?」

「ああ、確かにそうだな」

「一番嫌なヤツが残っていますね」

「ロックくんにリンバラちゃんまで!?一体それって━━━━」


「悪魔五天王が、動き出す。つまりはそういうことさ♪」

胸元の鈴を撫でながらキー・ゴールドが二ッと嗤った。



「悪魔五天王・・・・?でも、悪魔達は例の場所で倒したんじゃ?」

ミウの疑問に東部隊副隊長の制服を着こなしたミウの実父、エターナル・ジャスティス・ミウが襟元を引き締めて。

「ミウ、お前は知らないだろうが。悪魔という概念自体、分かっていないんだ。何故、悪魔は存在してヒトの心を喰らうのか?一度倒しても蘇るのも何一つ分かっていないんだ。だが、一つだけ。分かっていることがある。それは神のように人智を超え自発的に産まれた存在・・・・・只それだけしか━━━━」

「それに、あの例の場所には悪魔の他にもグレイや未来神はいたが。悪魔中層幹部グランの姿はどこにもいなかった。リンバラと王都城内で戦った時も完全には倒せていなかったしな」

ロックとリンバラも分かりやすくうなだれていると。

一人の魔教人━━━━━リーダーらしき男が皆に手を挙げて声を出した。


「失礼、名が遅れました。わたくし、魔教人の指揮官及び魔教人考古学を研究するノウス・オールドと申します。以後お見知りおきを」

ノウスが恭しく頭を垂らすと改めて説明に入った。

「ええー、まず。悪魔という存在自体については省略致しますが、次の標的となる悪魔五天王。三将について説明したいと思います。まず一人目は炎将レイ、その名の通り炎の使い手でたった一晩にして町を焼き払ったこともしばしば・・・・・・二人目は水将スー、こちらは水の使い手ですね。彼がいる限り水は巡回し生命の源が宿ります。一件、良いように聞こえるかもしれませんが。裏を返せば、それを絶つことも出来るわけでして・・・・・・水将が全魔力を解き放ったとされる記録にはこの世の水分が絶たれて三日の内に世界全てがしんと静かだったそうです。次に三人目が月将ムク、彼・・・・というか。月将ムクについてはあまり詳しく分かっておりません。月将は名の通り月の出る綺麗な星月夜の時に現れるとされています。星月夜の元、人々は無性に踊りだし。暴力的に狂気的に数えきれない程の犯罪行為を犯します。己の気持ちとは相反してまるで、綺麗な星月夜の元で皆と楽しく踊っているように錯覚するのです。そして、暁が昇る頃には人々の心は空っぽとなり、自ら命を絶ってゆくのです・・・・・そして、悪魔中層幹部グラン。彼は言うならば死にません。それ以外に何がありましょうか。いくら倒しても、いくら処刑台にかけても彼は決して死にはしないのです。ただただ笑っている。それが三将の上に立つ由来ですね」


少し間を置いて、重いやつれた空気が漂う。

だけれども最後に聞かなくてはならない事があった。

キー・ゴールドが最後の問いを投げかけた。

「最後に一つだけ聞かせてくれない?その頂点に立つ災厄はどれくらいヤバイの?」



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