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決戦!過去も未来をも全て・・・・

息が荒くミウはまだ就寝時間である時刻に例の場所を求めて再び動いた。

本来あの部屋は愛に飢えた者を引き寄せ、殺し合い外の人々を害する何かを解き放つ場にして。

元貴族のリークの心の歪みでありあの金髪の天使の見守る中でロックくん達と戦った忌まわしき場所。

あの事件以来、例の場所の行方が途絶えたこともそうだし。あの天使キー・ゴールドが真実を告げたのもきっと意味があるはず。

ゴッド・キルはいや、パパは・・・・・

「パパ!!」

「・・・・!!?・・・・なんで・・・・」

「パパ、私・・・・!!」

『そこまでだよ』

得体の知れない声がして、声のした真上を見上げるとそこには悪魔達とグレイ。そしてロックくん達と戦った時にいた黒い竜のような化け物もいた。

ミウとキルは互いに剣と鎖を構えて魔力増強の魔方陣を敷いた後、グレイは実に滑稽と云わんばかりに笑い出す。

『いやはや。十年以上経とうが君たちは変わらないねぇ。けど、今の君たちに果たして、僕たちが倒せるかな?ムーン・ジャスティス・ミウは心の弱さから例の場所に屈して。ゴッド・キルは幾千の戦いに置いて魔力もろとも疲弊しきって、その協力者であるキー・ゴールドはこの部屋に忍び込むだけで精一杯━━━━━もうこれ以上云わなくても分かるよね?つまり君たちは戦力の減る事のない不死身である僕たちと戦い続けなくちゃいけないんだ!?そう、この暗闇のなか━━━━』

「それはどうかな?」

瞬間、眩い光が辺りを照らし悪魔達がじわじわと消滅しだした。

『だ、誰だ!?』

「なぁにあたい等はあたい等さ。生き残りの天使と西部隊の残党がね?」

そこにキー・ゴールドを加えロックとリンバラは剣を構えた。



一方、西の方角にある小さな教会で魔教人達は非常なまでに頭を悩ませていた。

何せ悪魔達に王都への進行を許し、グレイの策略によって例の場所は放たれ人々に脅威なる危害を加えたのだから・・・・・・

それに。魔教人が大戦後の平和の誓いとしてたてた共鳴魔法がビクともしないという事実もまた大きかった。

そんな中、魔教人である誰かが苛立ち唸ると同時にもう一方の誰かが手を挙げる。

「大天使、イヴ様のお力を借りよう・・・・!」

『!?』

回りにいた誰もが息を呑んだ。

だが。

「あり得ないね。第一、今だって現に大天使イヴ様を呼び戻さんと魔方陣を描いているわけだし。魔教人童謡説では既に亡くなったと書いてあるが・・・・・・」

「だけど、出来る、きが。するんだ」

「俺も何となく・・・・・」

「確かに・・・・」

「あー!だったら今やって見ればいいじゃないか!!どうせ無駄だったって言うに決まってるんだからよぉ」


半分の賛成派と反対派の魔教人が渋々、手をつなぎ魔方陣を囲む形で軽く小さな声で念じた時である・・・・・

「ぇぇ?」

徐々に蛍のような淡いひかりから強く輝き出して。

魔教人達は意識ごと視界を奪われた。


ほんの少し前。東の方角では雷雨に見舞われており、ビガァンと青白い光がロック・サンダースの顔を濡らして。

リンバラはロックの後ろにたたずんていた。

「心配、ですか?」

「ああ、これ以上にない嵐の予感がしてな」

「きっとミウさんなら大丈夫ですよ!あのゴッド・キルやグレイ達の襲撃にだって・・・・・」

「そこなんだよな」

「え」

「何でグレイや悪魔。ゴッド・キルはミウさんに執着するんだ?悪魔やグレイはおそらく、過去を変えるためにやってきた産物・・・・お前が持っている童漫や魔教人童謡説だって━━━━それにゴッド・キルは何故、ループエンドなる収容所にいて神を殺したのか?分からないことだらけだが。ループエンドで落ちていたこの金の羽は一体・・・・・」

瞬間、辺り一面西部隊を覆い隠すほどの光が金の羽から溢れ出し

見る見る内に人の形を為して。

「キー・ゴールド・・・・・」

「あなたがキー・ゴールド・・・・・?」


「よっ!久しぶりだねぇ。まあ、映像越しの対面だったからあまり実感は湧かないけどさ。率直に用件だけ伝えに来た。ミウちゃんを助けてほしい。勝手な事だとは分かっているよ。だけど、あたいは少しでも‘彼’の意思を汲んでやりたい・・・・頼む。不甲斐ない天使だとしても」

『・・・・・・はあ。そんなのやるに決まってんだろ』

「え?」

「当然です!ミウさんは僕らにとって仲間なんですから!!また一緒に買い物だって行きたいですし♪」

「俺もミウさんという運命を知った。運命に翻弄されようと俺はミウさん、リンバラに王都にある街の人々、みんなを助けたい!」

「・・・・全く、あんたらは予想を裏切ろうとしないんだから。分かった。あんたらの絆、運命に刻んでやりな!!」

キー・ゴールドは涙目になりながらも二人に望みを託したことに後悔という概念を捨てて二人に最後の補足を加えた。


「ミウちゃんは恐らく例の場所に向かっている。次期に着く頃合いだと思う。そこには当然、ゴッドキルも待ち構えているだろうが。彼はあくまでも君たちの味方になってくれるだろうね」

「それって、どういう━━━━」

真実エラー

「これって・・・・」

リンバラが驚くのも無理はない。何せゴッド・キルという存在を否定しようとした直後にミウの産まれてからの半生が脳裏に過ぎったのだから。

それはつまり、ロックとて同じで━━━━━

「・・・・・お父様の意思を汲んで、再び平和な世の中のためにも」

「僕らは戦い続けます」

そうして彼らは例の場所へと向かった。

ただ一つだけ、キーゴールドの体からは本人すら知り得ない大天使イヴの恩恵を微弱ながら滲み出ていることに。



そして、今に至る。

ロック、リンバラ、ゴッド・キルにキー・ゴールドそしてミウは志を己等の剣に息を込めて━━━━━━瞬く間に爆風が咲き乱れた。

ロックは自らの筋肉に魔力を血色を巡らせて悪魔達の行進を退け、愛する気持ちを忘れずに悪魔達を屠るも悪魔達はその愛すらも嘲笑うように復活し猛威を見せる。

すかさずリンバラがロックが囮を引き受けていると同時に例の場所全体に悪魔中層幹部グランの腕を葬った糸を張り巡らせて全身を引き裂きつつ復活の妨害に何重にも糸を絡みつけ氷の剣を浴びせて行く一方。

ゴッド・キルは他と比べ物にならなかった。

長年の激戦においても疲弊や傷痕は尋常ではない。

だが、彼がたった一つ守りたかった宝物。ミウをクイニーを守りたいが故に今ここにいて、悪魔やグレイそして上でのさぼる怨念に別れを告げて・・・・・

両手をクロスさせて満帆もなく光に塗りつぶされ黒い竜の怨念は消え去り、悪魔やグレイ達は消えて行く、が。


「なっ!?」

そこには無傷のグレイ達がいた。

驚きを隠せないのは皆も同じだ。だが、この時はまだ誰も知らなかった。

ミウ、キー・ゴールドを含め、一人のグレイは薄気味悪い笑い声と共に宣戦布告の絶望━━━━神を作り替えたと黒い光と共に怪物が降り立った。


禍々しい黒竜が丸々と混ざり合い、そこにいた悪魔やグレイ達の血液をかき集めドクンッドクンッと鼓動を響かせ。


 ━━━━━━・・&!#$?§¢`は!?↙↟↤

と奇妙な声を上げて静かに舞い降りた。

体右半分が赤赤しい悪魔、逆に左半分は傷だらけのグレイそして背中には小さな翼と見慣れない軍服を着込んでいた。


「あれが、神?」

ミウは驚きを隠せずに呟いた。

だが、それは皆とて同じだ。明らかにここにいる者達全員とは比べ物にならない魔力を秘めている。

その神についてグレイに変わって一人の悪魔が口を開いた。

「この方は我々悪魔、グレイにかつてゴッド・キルが葬りし神の怨念と人々の心を喰らい━━━━未来から現れたAI。未来神AI・キョム様である!!!!」

そこからグレイや悪魔達の雄叫びが広がる。

完全なる勝利宣言と云わんばかりに。

「つまりは、その未来神様の体内に流れているあたい等仲間の血を取り戻せば。戦力は大幅に下がるんでしょ?」

『無駄ですよ、あなたの声はもう届きませんよ。』

キー・ゴールドがそう自堕落くに呟くとグレイはニヤリと微笑んで・・・・

『ここにいる悪魔達は大天使イヴに使えていた天使ではありません。我々に魂を売った只の悪魔達です』

「違う!この子達はまだ・・・・・」


━━━━$↤=_¡¢¾゜❱❱❲›¾´↘↖↜↪↪↪╳▼₯₢・・・・?!わレの手シタ‘❫❨︻┊┅・・・・あ、がいてモ無駄。


するとその奇妙な言葉と共にミウ、キー・ゴールド、ゴッド・キル、ロックにリンバラの身体に数字のような物が流れたかと思うと例の場所全体に縦長の数字がミウ達同様に出現した。

「こ、これは・・・・・?」

リンバラが驚愕に満ちた声を漏らし、ロックは皆を守る体勢を取る。

そして、ミウと初めて相対した時。ロックが放った剣撃を銀色の煙を靡かせて放つ。が。

『言ったろ?神の名の元では我々も神同然だということをさぁ?そして、君たちという存在は消滅し━━━━━━』


『そんなものですか、神などという存在は・・・・・』

「誰だ!我々悪魔に歯向かうぅッ!?う、ああああああああああああああああうううぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?!!?ああ・・・あ、我々は一体。今まで何を?」

突如として現れた謎の光に悪魔達が悲鳴を上げたかと思うとそこから同じく魔教人の修道服を着た天使達が困惑気味に現れ。

グレイと未来神AI・キョムの力が著しく弱まったのだ。

その、天使によって━━━━━━━━

『私はイヴ、大天使イヴ。魔教人を従えキー・ゴールドの想いをここに。コンピュータも真実エラーの前では何も意味はありませんから』


『お前が・・・・何故、何故!!大天使イヴがここにいる!?あの時、我々の手で・・・・・・』

『神の前では死はもはや単なる偶然。魔教人達の祈りと天使達を含めた人々の想いが私をここに立たせたのです。さあ、懺悔なさい!』

『おのれーーーーー!?』

「「「!!盾!!」」」」

突如、万華鏡色の光の盾が一堂に集うとグレイ達の攻撃は瞬く間に防がれた。

悪魔の呪縛から目覚めた天使達によって。

天使達は各々、大天使イヴに忠誠の喜びを捧げて光の矢を空へと放ち。先ほどまでは消える事はなかったグレイ達が消滅していく。そして天使唯一の生き残りキー・ゴールドも今まで以上の力を蘇らせて撃ち放つ。

ゴッド・キルも負けじと鎖の牢獄をぶちまけて天使達をサポートする。未来神AI・キョムも突然の真実エラーには敵わず無造作に攻撃し存在自体が消えかかろうとしていた。

最後にロック、リンバラの剣がクロスの応用でグレイの残党と未来神に致命傷を与えた。

『ミウ(ちゃん、さん)!!!!』

「任せて!」

最後にミウがトドメの一撃を入れた時、グレイが二ッと笑って自らの身体に数字を埋め込み。未来神AI・キョムもろとも爆発するまさにその時だった。

優しい緑の光がミウの身体を包み込んでいて。

グレイと未来神を大きく包み込んでいた。これはミウの義母でもあり最高裁判官でもあるミツ・ジャスティス・ミウのオームフェアリーの類いで・・・・・

「!?」

その一瞬、ミウの脳裏に義母の顔が浮かんだ。

裁判所の玉座でニヤリと微笑んでより一層、唇を歪めて。


 ━━━死ね

『ミツ・ジャスティス・ミウーーーーーーーー!!!!!!』

オームフェアリーの空間で無様な声を残してグレイと未来神は姿を消した。



街に再び、大きな大きなこれ以上ない平和がもたらされた。

あれ以降グレイ達に操られ悪魔になった天使も街と王都を警備してくれる。魔教人達の共鳴魔法が効かなかったのは守護する天使達が足りなかったでこれからは新たなグレイの対策に役立てそうだ。

そして、その中央街にミウ達東西部隊隊長副隊長が最高裁判官ミツ自らの手で勲章が送られ。ミウの耳元で「よくやった」とこっそりと頬にキスをして娘を一人の母として称えた。

「皆に報告がある。我々は神、悪魔、グレイと長きに渡る戦いを強いられて来た。じゃが!それをたったの一人で影から支えた者がいる。愛すべきものから罪人と憎まれながらも何十年も国とたった一人の愛すべき者を守り抜いた!ちょうどそこに、東部隊には副隊長の席は空いておる。さあ、来るがいい。こんどは愛すべき者と隣で・・・・・・エターナル・ジャスティス・ミウ!!!!!」

「はっ!!」

「ッ!?う、うぅん。お、お父さん・・・・・!」



一方、ループエンドにて。

浮き人形の貴族のリークの元へガンッ!?と斧を突き刺し貴族のリークに魂が注がれて行き。むせびながら目を覚ました。

「さあ、仕事の時間だ。浮き人形」

悪魔中層幹部グランが蘇りの地へ舞い降りて、再び幕が上がろうとしていた。




              次へ





























































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