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暗闇の天秤に光を

銀色の塊が土へと跳ね、勢いよくひかりの花を飛び散らす。

剣。その銀色ではしかないただの剣はひたすらに円周を奏で、

互いの顰めっ面を見えやしない暗闇の中でそのような貌をしているのだと剣を振るう。

何度も何度も円周は消えることを知らないようで、ひたすらに踊るように汗を垂らす。

私自身、身が持ちそうに無かった。

日頃から剣術は心得ていたがどうやら相手は剣を自在に操る男であろう。暗闇とは言え、それぐらいは分かる。

‘前回’は女装した男子に前々回は女であったな。

全く、私の‘運命の相手’は面倒な者ばかりだな。

だが、彼女に余韻に浸っている暇など無かった。

そう。相手の彼が剣に魔力を込め始めたのである。

煙を上げるように魔力を掲げて、一心不乱にトドメを待っているかのように・・・・・・

だがこれが、彼女のスイッチとなったのだろう。

彼女もまた、剣に魔力を込める。

銀色の風が剣から込みあげてきて、垂直に急所を指す。

心の雄叫びが剣と剣に交わり、途轍もない金属音によって数瞬の間暗闇の色が剥がれ落ち、無空間の混同が脳内を脅かすもすぐに

先ほどの暗闇に戻る。

だが、先ほどの暗闇に少しだけ変化を除いて頭上に隠されていた月夜が顔を覗かせていた。

「終わった?」

あっけらかんとするしか無かった。

カタッ

思わず身震いする。

だがこれは剣を終う音。ということは・・・・・

歩く音が静かに近づいて来る。

その一歩一歩に体のフォルムが露わになり、軽い甲冑を纏った体格の良い体。

そして顔が月夜に濡らされ、これは完全なる男だと証明された。

男もそれに気がつき、念のため二人してこう言うのであった。


 『あなたは私の運命ですか?・・・・・』




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