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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第7章

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268、インダルの欲目

嫌がらせ大作戦とは言っても、やることは大したもんじゃないんだよね。


『消音』

『水鋸』


正門の両端。扉を支えている柱を縦に斬った。そして……


『氷壁』


切れ目を軽く凍らせておく。私の氷は解けにくいからね。魔力も最低限しか込めてない。たぶん朝日に照らされたら上手く解けるんじゃないかな。

ついでだから落書きでもしてやろうかと思ったけど、そんな下らないことで足がついても嫌だしね。やめておくか。


目撃者はゼロ。そもそも『隠形』を使ってるし。音も消してるし水鋸はほぼ透明だし。いてもなかなか見えないよね。


長男野郎がどんな顔するのか楽しみだねぇ。

奴が正門を出ようとすると門がドターンと倒れるわけじゃん? 見物したいわー。

ついでだから同じタイミングで頭上から水球やタライが降ってきたらなお最高なんだけどなぁ。さすがにそんなトラップ魔法なんて使えないしねぇ。


ふふ、帰ろ。




「……というわけで少し遅くなっちゃった。ごめんね。」


「いいのよ。ドストエフ様のお屋敷を皆殺しにしてもいいぐらいなのに。それだけで許してあげるなんてカースは人格者だわ。素敵よ。」


さすがに皆殺しなんてしないって……


「それよりも夜はこれからだし、ガンガン飲もうね。」


時刻は九時過ぎってとこかな。まだまだ楽しもうじゃないの。


「そうね。私踊りたい気分よ?」


「いいね! それ最高! よーし踊ろう!」


「ちょっとぉー魔王ぉー。フェリクス様はぁー?」


トマトちゃん……村長なら出かけたって言わなかったっけ?


「ウチもフェリクス様と踊りたいのね! リードして欲しいのね!」


ははーん。トマトちゃんもにんじんちゃんもかなり酔ってるな? だったらさらに飲ませておけばいいだろ。村長ならどうせ朝まで帰ってこないだろうし。こいつらは任せたよサンドラちゃん。


テーブルではインダルを挟んでスティード君とセルジュ君が飲んでる。つーかむしろ二人してインダルに飲ませてるように見えるが……

まあいいや。私はアレクと踊るのみだ。ミュージックが欲しいところだが、なくてもいいよね。


「ああっ! カース君が帰ってきてる! 踊ってないで飲もうよぅ! お酒注いでよぅ!」


セルジュ君……かなり酔ってるな? 自分が飲まずにインダルにばかり飲ませてた理由は私が酌をしなかったから?


「ほんとだカース君だ! 稽古の時間ってことだね!?」


スティード君が立ち上がる。顔は真っ赤だけど足腰はやっぱしっかりしてるよなぁ。あ! いいこと考えた。


『水操』


とりあえずセルジュ君にお酒を汲んで、っと。アレクと繋いだ手を離す気はないぜ。踊りながらでも酒は汲めるのさ。


「スティード君。実戦で稽古できるいい考えがあるんだけどやらない?」


「えっ! 実戦!? 稽古!? やるやる! 面白そう!」


ふふふ……


「さっき来たリゼットっていたじゃない? あいつって狙われててさ。スティード君ちょっと護衛してあげてくれない? 二十九か三十日まで。」


「いーよぉー! でも僕で役に立つのかなぁ?」


「立つに決まってるよ。四月からは王族を守ろうってぐらいなんだからさ。だからそのノリでリゼットを守ってやってよ。」


報酬はリゼットに払わせるし。


「よぉーし面白そうだね! で、敵は何? どのぐらい襲ってきそうなの!?」


「敵は雇われのチンピラから領都の騎士まで、かな。数は分からないよ。襲ってこないかも知れないし。要は何も分からないからスティード君に守って欲しいんだよね。」


「領都の騎士! ふぉおおお! それは燃えてきたよ! 期間はだいたい一週間だね! よぉおおおおーし! やってみるから!」


言ってみるもんだな。本当なら明日王都に帰るはずだったのに。でもセルジュ君は絶対明日送っていかないとまずいよね。私達の人生初の卒業旅行だけあって終わらせるのが惜しいんだよなぁ。いつまでも続けばいいのに。アレクと旅してる時も思ったけどさ。


「つーかよぉー! マイコレイジ商会の会長を護衛すんなら俺も推薦してくれよぉー! 俺だってあの会長とお近づきになりてぇーよぉ!」


インダルも酔ってんなぁ。


「あー悪いな。そりゃ無理だ。せめて五等星並みの腕がないとな。」


そもそも私こいつの腕前を知らないしね。


「なにおぉーー!? だったら試してくれやぁ! やったらぁ! 俺だってやれんだからなぁ!」


ふーん……


「じゃあ真剣使っていいからスティード君に血を流させることができたら口添えしてやるよ。」


「ほんとぉだなぁ!? 聞いたぜ聞いたぜぇ! やったろうじゃねぇかー! 来いやスティードぉ! 庭に出んぞ、おっ、おまっ、な、何しやがんだよぉ!?」


「はい残念不合格。庭に出るとか悠長なこと言ってるからスティード君にバレたじゃん。いきなり静かにそっと斬りかかったらかすり傷ぐらい付けられたかも知んないのにさぁ。」


聞いたぜ! とか言ってる間にスティード君から喉元にナイフを突きつけられてやんの。


「ずっ、ずりいだろぉ! そんなのアリかよぉ!」


「当たり前だろ。だって護衛だぞ? 敵が親切に今から襲いますなんて言うわけないだろ。ね? スティード君。」


「そうだね。護衛をするんなら例え相手が身内でも隙を見せたらだめだよね。」


さすがスティード君。やはりよく分かってるね。


「どうよ? こんなに酔ってんのに全然隙がないだろ? 油断してないだろ? これが王国最強のスティード君だぜ?」


「もおぉーー違うよカースくぅーーん! まだ全然最強じゃないよぉーう!」


ははは。王国若手最強だったね。


「お、おう……」


うんうん。そりゃあリゼットは金どっさり持ってるだろうからお近づきになりたいだろうよ。でもそれは簡単じゃないんだぜ? がーんば。


ところで村長は今ごろ何してるんだろ?

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いつか頭にタライが落ちてくるトラップを作ってください。
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