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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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2022/3088

110、マンティスブラディハクアッシュテンペスター

受付のカウンターから職員が数人ほど出てきて、カルガの隣に陣取り……

ギルドを挟んで睨み合う……こともなく戦いが始まった。

カルガ達は素手、いや手甲か。あれで殴られたら顎なんか簡単に砕けるな……

対する商会側は全員剣を抜いてるが……四対十数人。冒険者だけでなく他のアジャスト商会の者まで加わってやがる。




マジかよ……びっくり。カルガ以外の職員弱っ……さては元冒険者とかじゃなくて事務員的なポジションか。だったら出てこなくていいのに……


「これでよくギルド職員だなんて顔してられるな! おうお前ら! こんなギルドに付いててもいいことないぞ! 今なら仲間に入れてやるぞ!」


見物してる者のうち、迷ってるのが半分、平然としてるのが半分ってとこか。


「おいおーいカルガよぉ? いーのかぁ? 助けてやろっかぁ?」

「しっかりせーよー? 舐められてんじゃねーのー?」

「ぎゃははぁだっせぇ!」


「うるせえよ! 黙って見てやがれ!」


カルガはカルガで五、六人はぶっ倒してるんだよな。魔法も刃物も使わずよくやるもんだなぁ。


「中立なんて許さんからな! こっちに付くか、まとめてぶち殺されるか! きっちり選ばせてやるぞ!」


おーおー。ゴーマンって言ったかこいつ。調子こいてるなぁ。カルガは疲れこそ見えるが無傷だってのに。あ、そっか。徹夜明けだもんな。あんな信用できない奴らと夜の魔境にいたんだし、仮眠すらとってないだろうね。


「俺らぁこっちに付くぜ! やったらぁ!」

「サヌミチアニの七等星マンティスブラディハクアッシュテンペスターをよくも舐めてくれたなぁ! おおこらぁ!?」

「クタナツ者ばっか贔屓すんギルドなんざ叩き潰してくれんからよ!」

「うおおおおおお!」


あらら。せっかくカルガが教育したであろうに。意味なかったね。むしろとどめを刺しておくべきだったのかもね。私が言うの何だけど甘いことしてるからあいつらが調子に乗るんだよなぁ。


「おーらおらおら! てめぇらもさっさと頭下げちまえよ! 今なら命だけは助けてやるぞ!」


結局動揺の見えた奴らは商会側に付いたが、カルガにヤジを飛ばしていた冒険者は動かずだ。


「ぎゃはははぁ! あいつ何か調子乗ってんぜ!?」

「俺知ーらね。カルガぁ何とかしろよな?」

「バッカだぜなー。ここを領都あたりと勘違いしてんじゃね?」


「あいつらからぶち殺せ!」


あらら。商会側も迷走してるなぁ。見物してるだけの奴らなのに。わざわざ敵を増やしてどうする気なのやら。


あーあ、ほらぁ。あっさり返り討ちにあってんじゃん。明らかに強者ムーブしてただろうが。


「カース、私あっちで何か飲んでるわ。」


「あ、うん。」


一緒に見物していたアレクは飽きたらしい。酒場に戻ってしまった。


「おおっと待てやぁ。へへぇ! きれーな姉ちゃんじゃねぇか!」

「俺も目ぇ付けてたんだよなぁ! こんなガキにぁもったいねぇぜ!」

「げはははぁ! ギルドごといただきだぜぇ!」


あーあ。ついにアレクに気付いちゃったか。そんなことしてる場合じゃないだろうに。


「後ろ、気をつけろよ?」


アレクに見惚れるのは当たり前だけどさ。でもお前ら戦闘中だろ?


「何だこら、あぉごべっ!」

「て、てめぇげぶっふぉ!」

「ばっやめっぎゃっぶぁ!」


商会側が戦力を分散(ばら)したもんだから隙を見せた奴からカルガに殴り倒されてる。


「悪いな魔王。助かったぜ」


「何もしてないさ。でも困ったら言ってくれ。」


どう見ても困ってるようには見えないけど。人数は少なくても戦力の差は歴然だろ。これが本物のクタナツ冒険者だよな。


「さすがにそこまで耄碌しちゃねえよ。まあ見てな」


おお、頼もしいね。


「魔王? 魔王だと? いいところで会ったな。どうだ、アジャスト商会のお抱えにならないか? 報酬も待遇も思いのままだぞ?」


「一日で白金貨一枚出せるなら話相手ぐらいにはなってやるが?」


誰がお抱えなんかになるかよ。


「ふん、大きく出たな。お前がダミアン派ってことは分かってるぞ? 何を約束されたか知らんが損な選択をしたもんだ。今ならまだ間に合う。アジャスト商会に付け」


「だったら白金貨で千枚積んでみろ。話ぐらい聞いてやる。」


「きさまガキぃ……吹っかけるにも程があるぞ……あまり吹き上がってると大怪我することになる。ダミアンごとき愚か者に何ができるあぎゃあああぃぎゃいいいい!」


あーあ。バカな奴だなぁ。よりによってラグナに聴かれるなんて。


「てめぇ……今何つったぁ? ダミアンが何だってぇ? おぉ? もういっぺん言ってみろやぁ!」


ラグナの剣がゴーマンの右足の甲に突き刺さっている。いきなり四つ斬りにしないなんて珍しい。

あ、もう片方にも突き刺した。こっちはナイフか。


「ぎゃひいいいいぎぎきいぃ……や、やれ! この女殺せぇ!」


「四つ斬りラグナを舐めんじゃないよぉ!?」




あーあ。せっかくカルガはギルド内を汚さないように、反逆者も生かして使えるように立ち回ってたのにさ。

ゴーマン以外全員殺しちまいやがった。これってギルド的には大損害なんだよね。生かしておけば奴隷に落としてから働かせるなり売り飛ばすなりできたのに。


この責任を取るのは……アジャスト商会だな。私でもラグナでもない。もちろん後始末はカルガ任せ。私は終始ノータッチだし。

仕事が増えたね。がんばれカルガ。

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― 新着の感想 ―
[一言] カースが出るまでもないですな。
[良い点] カルガ仕事増えてカワイソス……。 (´;ω;`)
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