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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第5章

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2011/3089

99、冒険者たち

「よぉしお前らぁ! 酒は行き渡ったかぁ!」


この中で一番若い私が音頭をとるのかよ。


「おうよ!」

「待たせやがって!」

「早く飲ませろ!」

「二回戦いくぜぇー!」

「いよっボスっ男前!」


「では野郎どもとの再会を祝して! 乾杯!」


「乾杯!」

「かんぱい!」

「魔王に乾杯!」

「女神にも乾杯!」

「ボスに乾杯だぁ!」


ヒイズルから帰ってきた時にも宴会したんだから再会ってのは変だけどね。まいっか。

さて、肉を焼くとしよう。




「ピュイピュイ」


おっとそうだったね。コーちゃんにはあれだよね。はい、芥子毒牙虫(ケシドクガモス)の燻製。


「ピュピュイイイ」


ぱくりと一口。そして踊り出した。かわいくて仕方ないね。


「見ちゃったよぉボスぅ? いいもん持ってんじゃないのさぁ。南の大陸渡りより上物じゃないのかぁい?」


「それは知らんぞ。上物であることは間違いないけどな。つーか普通の人間が食べたら泡吹いて死ぬぞ。」


エルフでさえ泡吹いてる奴がいたってのに。


「そんなもん薄めればいいだけさぁ。ねぇボスぅ。アタシにも一個おくれよぉ?」


「一個だけだぞ。身内で楽しむ以外に使うなよ?」


「分かってるさぁ。こいつで商売なんかしないさぁ。」


まあ私が禁止したらラグナは逆らえないしね。あ、毛虫を渡したらさっさと行っちまいやがった。お前は猫か。




「よおよお魔王! 聞いたぜ! 朝からウォルト達にいいモンくれてやったそうじゃねーか!」

「もうねぇのかよ!? 俺らが元気んなったら魔王の館に落とす金が増えっぜぇ?」

「そんかわりウォルトの奴まだ寝てやがるけどなぁ。げはははぁ!」


「悪いな。聞いてないのか? あれはアレクのだ。俺は持ってないぞ。それにクタナツの男なら女を抱くのに薬なんか頼るなよ。鋼の肉体が泣くぜ?」


この発言はブーメランか。だが別にいい。私は何も気にしないのだ。矛盾上等だ。


「げぁはははぁ! うめぇこと言うじゃねーか!」

「確かにそぉだぜ! 俺らクタナツ男ぁ無敵だぜぇ!」

「よっしゃ! そんなら歌うぜ! 俺らん歌をよぉ!」


早ぇって……私はまだ一杯目に口をつけただけだってのに。あ、こいつら二回戦だもんな。とっくに酔いが回ってるわけか。知ーらね。

おーおー、どこかで聴いた覚えのある曲だね。歌いたくなるじゃん。でも今は飲むのと食べるのと焼くのに忙しいからな。


「な、なあ魔王さん。これ食べていいのか?」


「もちろんだ。遠慮せずに食べてくれ。焦らなくてもたくさんあるしな。」


比較的若い、二十代前半かな?


「ありがとう! いただくよ! さあお前らも食え食え!」

「魔王さんありがとぉ!」

「おお! うめぇ!」

「これ鹿だよなぁ!?」


一人が手を伸ばすと四人が手を伸ばし、四人が食べ始めると十数人が群がってきた。さっきまでは上級冒険者がいたから遠慮してたってとこか。ならば私が口出しすることもないな。ここにはここの秩序があるんだろう。


「お前らってどこの冒険者なの?」


「おお魔王さん! よくぞ訊いてくれたよ! 俺達は登録こそクタナツだが生まれは南の名もなき村落、ホユミシブ村! 同郷で結成したパーティー『ユマ』っていうんだよ! 俺はリーダーのカラニリックだよ!」


名前あるじゃん。ホユミシブ村……何かの時に聞いた覚えがあるな。何だったっけ……

それより若手のパーティーってやたら長くカッコつけた名前を付けたがるもんだけど、こいつらは『ユマ』かよ。潔いね。堅実なパーティーに思えるじゃないか。自分の名前より短いとは。

あ、でもアステロイドさん達はアステロイドクラッシャーだったか。うん、まだ短い方だな。


「その村って南の方だっけ?」


「おっ、さすが魔王さん! よく知ってるね! その通り! ホユミチカの南にあるんだよ!」


知ったかぶりが当たった……

大抵の村はクタナツから西か南だもんな。東にあるのはタティーシャ村ともう二つぐらいだもんな。


「そっか。遠い所からよく来たな。お互い冒険者なんだ。困ったことがあったら言ってくれ。もっとも、あと数日でまたどこかに行くけどな。」


「なあに困ったことなんか自分達で何とかするよ。俺達だって冒険者だからさ。それより魔王さんはどこに行くんだい?」


「まだ決めてはないが、クタナツに帰ってから領都。それから王都だな。そこで装備を整える頃には決まると見てる。」


あ、その前に自宅のトイレ問題を何とかしないとか。リゼットのところにはすでにたくさん発注しちゃってるからな……まあいいや。相談してみよう。


「ふえぇ……王都かぁー。行ったことないよ。やっぱ魔王さんはすごいよなぁ。」


「たぶん王都に行くよりここに来る方が大変だと思うぞ?」


それにここなら一攫千金できるけど、王都だと金が無くなるばっかりだからな。物価が超高いもん。


「そんなもんかなぁ。あ、あのさ……こいつらも挨拶いいかな?」


こいつら、えらく期待した目で見てくるじゃないか。私はアイドルじゃないぞ。


「あ、ああ構わ「ちょっと待てやぁ!」ん?」


ん、何だ?


「聞いたぜカラニリックよぉ? お前そりゃ規則違反だぜ!?」


「なっ、なんのことだ! 魔王さんはいいって言ったぞ!」


え? 規則だと? 何のことだ?

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― 新着の感想 ―
[一言] え? まだカースが知らない冒険者の規則がある?
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