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異世界金融 〜 働きたくないカス教師が異世界で金貸しを始めたら無双しそうな件 〜 #いせきん  作者: 暮伊豆
第4章

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627、クレーマーカース

少しばかりどこに行くか迷ったが、目先の金を優先するってことでエチゴヤの店に行くことにした。店名と場所が分かれば偽赤兜が案内できるだろう。


一軒目。

一見普通の武器屋のようだが……

全部いただいた。店主はいなかったので金庫ごとゲット。


二軒目。

防具屋。どうやらさっきの武器屋と店主が同じらしくこっちにいた。やはり全部いただき。今度は金庫を開けさせて現金などをゲット。ついでに武器屋の金庫も開けさせた。


三軒目。

奴隷商会かよ。オークションには行ったことあるが店に来るのは初めてだ。


今回は偽番頭も偽赤兜も裏側で待機させた。いくつ出入り口があるかは知らないが逃走する奴が逃げるのは裏からって決まってるもんな?


「いらっしゃいませ。どのような奴隷をお探しでしょうか?」


さすがに接客態度がいいな。つまりこの店の客は金持ちが多いんだろうな。店内はきれいだしチリ一つ落ちていない。ファベルと違って変な匂いもしないしな。


「この店の奴隷を全員買いたいが十億あれば足りるか?」


「お、お客様、い、今何と……?」


「全員買うって言ったんだよ。十億じゃあ足りないか? 今すぐ用意できるのは何人だ?」


「し、少々お待ちくださいませ! あ、こ、こちらへどうぞ!」


上の者を呼びに行く……前に応接室へ案内したのは好感が持てるぞ?




「お待たせいたしました。当店の番頭ギリ・トリメルと申します。たくさんお買い上げいただけるのはありがたいのですが、色々と手続きがございます。まずは身分証を確認させていただけますでしょうか?」


生意気にきっちりしてやがるな。


「ほらよ。」


「拝見いたします。ほう、アラカワ領……なんと! 名誉アラカワ領民でいらっしゃいましたか! これはとんだご無礼をいたしました」


やっぱ作り直しておいてよかったな。十等星の冒険者だと普通に舐められるもんな。


「いや、構わん。で、買えるのか?」


「もちろんでございますとも。十億ナラーとのことでしたが、上から買われますか? それとも下から? もしくは一人ずつ吟味されますか?」


なるほどね。高い順に買うか安い順に買うかってことか。


「全員買うと言ったはずだが? 十億で足りないなら言え。」


「おっと、これは失礼をいたしました。しかしながらよろしいので? 予約をいただいてる分を除きましても全員で二十五億ナラーとなりますが?」


おーおー。吹っかけてきやがるね。だが、もういい。だいたい分かったし。


「ああ、構わん。それからこれ、見てくれるか?」


「何でございましょ『解呪』う……」


やっぱ何かの契約魔法がかかってるよな。定番だね。番頭だけじゃなく、隣の護衛っぽい奴も解呪してやった。よし、隙ありだね。


『消音』

『水壁』

『自動防御』


ちょっとばかり贅沢な使い方だな。


「さて、番頭さんよ。色々話してもらおうか。お前やここの店主はエチゴヤ内ではどの程度の立場なんだ?」


「貴様ぁ……よくもこのような真似を……もう助からんぞ……いくらアラカワ領主の親戚だろうがなぁ……」


「親戚じゃねーよ。それより話す気はないってことでいいな?」


「当たり前だ……貴様ごとき若造に誰が口を割るものか……」


水圧十倍、温度アップ。


「なぁ、護衛の兄ちゃん。お前が喋ってもいいんだぜ? 助かりたいだろ?」


「…………」


無視かよ。もう契約魔法は解けてるんだから好きにすればいいのに。


「そろそろ助けが来る頃か?」


「ははは、余裕な態度もそこまでだ……もうエチゴヤ最強の戦闘部隊を呼んだからな……貴様はもうお終いだ……」


だろうね。さっき潰した武器屋の店長も呼び鈴の魔道具みたいなのを持ってたもんな。それがなくても伝言(つてごと)みたいな魔法で助けを呼ぶことはできる。


だが、どちらにしても……ふふ。


「へー。エチゴヤ最強の戦闘部隊か。興味深いな。深紫(ディパープル)より強いのか? 暗部って言うんだっけ?」


「ふん……」


まだ余裕かましてんな。いつまでその顔してられることか。


「遅いじゃねーか。まだかよ?」


「す、すぐに来る……」


「その前にお前は死ぬけどな。熱いのは無理矢理我慢できても人間の体がそこまで高熱に耐えられるわけないだろ。どっちか素直になった方を助けてもいいんだぞ?」


おっ? 護衛の顔色が変わったか? まあ、真っ赤だけどさ。


「ちなみにこんなのもあるぞ?」


一枚で一億ナラーの白金大判。見せびらかしてみる。番頭には効かないだろうが護衛には効くんじゃないか?


「欲しくないか?」


なんせ一億だもんなぁ。五百ナラーの定食が何回食えることか。庶民がトチ狂うには充分な金額だよな。


「や、やめろガイデ! 言うな! エチゴヤの掟を忘れたか!」


なんだそれ? 別に興味ないから聞かないけど。それに護衛の奴が持ってる情報なんてたかが知れてそうなんだけどなぁ。


『水壁』


番頭を顔まで覆った。


「さあ、これで邪魔はいなくなった。喋ってみるか? どうせもうエチゴヤは長くないし、この金拾って高飛びした方がいいんじゃないか?」


「…………」


へー。これでも黙ってるのか。じゃあもう二人とも用無しでいいか。でも最後にちょっと揺さぶろう。


『水壁』


今度は護衛を顔まで覆った。


「こいつが吐いたぜ。どうやらお前は番頭とは名ばかりの下っ端らしいな。尋問しても無駄みたいだから死んでいいぞ。」


「なっ! ふざけるな! 私が下っ端なわけあるか!」


「でもお前って番頭って肩書きのくせに第一番頭たちとは別格だろ? あいつらってわざわざ招集されて天都に来るぐらいだもんな。」


「なっ、そ、そんなことが……」


「なんだ。知らなかったのか? 第一番頭なんて大番頭の代わりに孤児院を仕切ってたぞ。そんなことも知らないって。お前やっぱ下っ端だわ。奴隷商なんてやってるからエチゴヤ内での地位が低いんだろうな。可哀想に。お前はお前で一生懸命働いてここまで来たんだろ?」


そんなわけあるかよ。悪どいことばっかりしてきたんだろうが。


「あ、当たり前だ! わ、私がどんな思いでここまで……番頭にまでのし上がったか……」


「それなのにお前には大事なことは何も知らされてないんだな。今ファベルのエチゴヤが大変なのは知ってるか?」


「あ、ああ……」


あら。さすがにそれは知ってるのね。


「まっ、まさか貴様が……」


「その通り。お前が役に立つようならあの女のように生かしておいてやろうかと思ったが、そろそろ終わりだな。じゃあそのまま煮えて死ね。助けも来ないことだしな。」


「な、なぜ、来ない……」


「その魔道具壊れてんじゃないのか?」


「ば、ばかな……」


魔道具って水に浸けて壊れるやつと壊れないやつがあるんだよな。こいつのは壊れないタイプだろうね。

目を疑いながら懐から取り出した魔道具を見つめながらあちこち押している。はい没収。


「じゃあ最後に種明かしな。この魔道具は壊れてなんかないさ。ただ、ここから外へはいかなる魔力も通らないってだけの話さ。残念だったな。この魔道具は後で使わせてもらうさ。じゃあな役立たずの番頭さん。」


「き、きっさまぁ……」


奴隷商の最期なんてそんなもんだろう。おっと、護衛も死んだか。では二人とも収納っと。死体を魔力庫に入れるのってあんまり好きじゃないんだよな。


それから部屋をきれいに片付けてと。扉の外に出る。


「おい、いつまで待たせるんだよ。上の者を呼んでこい。」


「えっ!? あ、あの申し訳ありません! 確かに番頭が向かったかと……」


「知らねーよ。誰でもいいから話せる奴を呼べ。」


もしかして私ってクレーマーっぽくないか?

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― 新着の感想 ―
[一言] これはクレーマーw
[一言] まあ、相手もまともじゃないからクレーマーぽくなるのは仕方ないかと。
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