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俺は幸せをこの手で掴み取る  作者: シラス
一章イシュタージュへようこそ
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6話「孤児院」

本編6話です。今回はあの人たちが登場!?


「はぁ!」


 俺は持っている木剣を横に一閃する。それを団長が自分の持っている木剣で受け止めそのまま弾き返し体制の崩れたところへ俺の首筋に木剣をかざす。


「よし、今日はここまでにしよう。それにしてもここ3ヶ月でかなり成長したな」

「そりゃ、いい師範の元で教わってるからな」

「なにを訳のわからない事を…」


 な、何で赤くなってるんだ?


 えっ待って俺にそんな趣味はない。断じて無い。


 ん?そういえば団長ってなんかこうして見ると骨格がまるっとしてる?というか、なんか身体つきが女性っぽいんだよな。鎧から所々出てる肌とか地味にキレイだし…あれ、なに考えてんだ俺は!


 ──気にしたら負けだ、タブン。


「あ、そうだダイチ、明日、任務というか仕事で西側の森にある孤児院に行く予定なんだが、お前も来てみないか?」

「えっとなんで?」

「いつも訓練ではつまらないだろう。経験と思え」


 そう言われるとなぁ。孤児院か、西側って言ったら薬草取りに行ったときだな…。


 あ〜いや、とりあえず落ち着こう。


 確か西側には海のある街があるんだっけ。その途中で小さな村、だったな。まぁ特に断る理由もないし行って見るか。


「わかった、行くよ」

「そうか、お前なら子供達とも仲良く出来るだろう」


 一体なんの根拠があって言ってるんだろうか。



 翌日



 今日は早めのログイン、午前中にやるのは久々だった。

 予定の時間は8時半、現在は8時20分と、10分前行動。まぁ最後だったんだけど。


「集まったな、それではこれから孤児院に向けて出発するぞ」


 騎士団の人数は団長と俺を抜いて10人程度に荷物を乗せた馬車が一台。団長の号令の下、騎士団が孤児院に向けて西門から出発した。



 数時間歩き、森の中にある孤児院にたどり着いた。外見は小さい古びた屋敷。団長が言うには現在は61名が入居中だそうだ。

 孤児院の入り口には4〜50代の女性と2〜30代くらいの女性が2人。この人たちが保母の人たちなのだろう。…少なくないか?


「「「ようこそおいでくださいました騎士団の皆様。いつもありがとうございます」」」

「いえ、物資を運んできました。置ける場所はありますか?」

「えぇあちらの小屋にスペースがございますよ」

「では、そちらに運びましょう」


 そう言い、若い保母の人たちが騎士団の案内をする。俺と団長と数人の団員は残り、院内に入って行く。


「あ、騎士団の人たちだ〜そっちの人は初めましてだね〜」


 歩いてる途中、間の抜けた感じで話して来た12〜3歳くらいの少年が話しかけて来た。隣には大人しめの同じくらいの少年。どちらも将来イケメンになるだろう整った顔立ちだった。


「クリフト、サイス久しいな」

「エルナードさんお久しぶりです」

「団長さんお久しぶりで〜す」


 大人しめの少年がクリフト、なんだかのんびりした少年がサイスというらしい。


「初めましてだな、俺はダイチって言うんだ、よろしくな」

「よろしくね〜僕はサイスって言うんだ〜」

「俺はクラフトです」


 とりあえず自己紹介は済ませた。


「2人は今日は村に行ってないのか?」

「うん、最近ほとんど行ってるからね〜」


どうやら2人は普段別の場所へ遊びに行くらしい。村と言っていたから同年代の子供とかだろうか。


「そうか、村の人たちは元気か?」

「はい、最近では村に新しい人も来たのでニーナたちとかはかなりはしゃいでます」

「新しい人か、どのような人物なのだ?」


 その新しい人という人の特徴は、初めて会った時はなんていうか不思議な感じだったらしい。一緒に居るだけで安心するとも。最近ではもう一緒に居ることが当たり前のように感じるとのこと。いつも明るく元気なところがまたいいとも。

 見た目は黒髪に黒瞳。肩甲骨辺りまで伸びた後ろ髪を一本に結っているそうだ。


 そこでなぜか俺はその髪型をした未来の姿が頭に浮かんだ。


「そうか、黒髪とはこの地域では珍しいな?」

「確かにそうですね〜。でもそんなことを気にせず一緒にいられるのがミライさんのいいところなんじゃないかなぁ」

 ──えっ、なんで、その、名前が……


 その人物の説明が終わり未だに談志している3人。しかし俺はそれどころではなかった。


「ダイチどうかしたのか?」

「え、あ、いや……ちょっとクリフトにサイスに聞きたいことがあって」

「僕たちに?」

「あぁ、そのさっき言ってた村に新しい人って言ってただろ?」

「ミライのことか?」


 それだ、その名前であろうミライさんについて。


「その人の容姿は黒髪黒瞳の髪を結ってる人だったよな。その容姿は今の容姿か?」

「はい、そうですが…」

「もしかしてお兄さん、目を付けちゃったの〜?」

「いや、そういうわけじゃない、それでその人が村に来たのはどれくらい前になる?」



「確か、8ヶ月くらい前にニーナって村の子合って連れて来たって言っていましたよ」

「っ!?」


 ──8…ヶ月


 その日数はテロにより命を落とした事件から現在までの日数と一致していた。


 未来と同じ名前で、8ヶ月前に村に来て黒髪黒瞳。髪型、現実世界では髪は下ろしていたが一度だけ未来が結ってるところをみたことがある。

 ここまで一致した偶然があるか?


 一度、その村に行ってみないと。


「その者がどうかしたのか?お前の知り合いか?」

「い、いえ、まだわかりません。ですが俺の知り合いに似ている特徴と同じ名前だったので…」

「それは本当ですか!」


 クリフトが突然声を上げて立ち上がり驚きの表情をしている。横のサイスも少しだが驚いた表情をしていた。


「ど、どうした?」

「あ、すみません。実はそのミライがニーナと会う前の記憶がないみたいなんです」

  ──はっ?


 記憶喪失?いや、あいつのことだから自分のことがわからない振りくらいはしでかしそうだけどさぁ。

 まぁ未来がいるとかあり得ないだろうけど。

 今度1人で行ってみるか。


「その人がいる村っていうのはこの先にあるのか?」

「そうだよ〜もう行っちゃう?」

「いや、今度1人で行ってみるよ」

「なぜだ?」

「いや、その1人で会いに行きたいというか」

「危険だ」


 いや、俺だけで会いたいんだわかってくれ!とか思っている俺だが、団長も心配してくれているのはわかってる。


 当分は行けそうに無いかな。



太一「こっそり行ってみようかな」

エルナード「私に聞こえている時点でこっそりではないな」

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