第2話 美鈴の目指せぼっち脱却!
美鈴大ピンチです!
相変わらずぼっちで孤立気味の英語のクラス。
しかも先生はとんでもないことを口にしたのです。
『今日の英語は2人ペアで会話練習をやりますので各自ペアになってください。』
と・・・
えええ組む人なんて居ないよ・・・
どうすればいいんだ・・・
そうこうしてるうちにペアは組まれていき、私と大人しそうな男の子だけが残されてしまった・・・
仕方なくペアを組んだ私たち。でも全く話したことないしでペア会話もままならないまま、
授業が終わってしまった。
そして最後にまた先生がとんでもないことを口にしました。
『これからこの授業は基本的にペアで進めるので、これからも今日と同じペアで進めていきますのでそのつもりで』
と・・・
えええ・・・マジでどうしよ・・・
この知らない大人しい男の子とずっとペアで進めていかなきゃいけないの・・・
私は授業後、朝作った弁当を持って屋上に。
この学校はいくつかの号館に分かれているが、この英語の授業が行われる1号館だけは屋上が解放されているのだ。
正直学食は高いし、人ばっかりだし、野菜が少ないので、健康的かつ安上がりな弁当を自分で作って、人のほとんど居ない屋上で食べるのが一番良いと思ったのだ。
今日も屋上の端で景色を見ながらお弁当を食べる。大学生活で唯一幸せを感じる時間だ。
と、景色にふけっていたら、いきなり声を掛けられた。
『あ、やっぱりそうだ。いつも屋上の端に居る人かなとさっきの英語の時間思ったんだよね。隣良い?』
『えっと・・・君は英語のクラスでさっきペアになった人だよね・・・君も良く屋上に居るんだね。えっと・・・ごめん名前教えて。私は長野美鈴、文学部日本文学科所属。』
『そうだよ。僕も基本的に一人で屋上に居るんだ・・・だからペアとかなかなか組む人いなくて・・・長野さんだよね。僕は岡野聡、心理学科所属だね。よろしく。』
『よろしくね。岡野君。』
始めての屋上での岡野君との会話は、好きな食べ物だの、どこ出身だの、小学生の英会話みたいな質問ばかりがこの後は続いていった・・・
その後、授業が相変わらずのぼっちで進み、家に帰宅した。
そして今日の屋上での出来事を考えていた。
正直私は、声を掛けられたことがうれしかった。
なぜならこっちに引っ越してきてから知らない人に声をかけられることなんて無くなったから。
私の住んでた田舎と違って都会では知らない人に話しかけられたら不審者と思えという、あまりに物騒な教育が行われていると知り、正直私は生きにくい場所に引っ越してきてしまったと思ったものだ。
だからこそ、グループに入れない私(恐らく岡野君もそう)みたいな人間を多く生み出してしまうのだと思う。
だからやっぱり私は、今日の岡野君みたいに積極的に人に話しかけて、壁を取っ払っていく田舎流のやり方で、知り合いを作っていくしかないね!
目指せぼっち脱却!