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eye

作者:

これはある人との合作です。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。

「キレイ・・・」

彼の瞳を見た瞬間、私の口から漏れたのはその一言だった。

「え、なに?」

聞こえなかったのだろうか。それは好都合だ。

会って間もない人の目をキレイだなんて言う女ははっきり言って怪しい。

「ううん。何でもないの。ねえ、携帯の番号とアドレス教えてくれないかな?これからも尋君と連絡とりたいな」

私は上目遣いで彼を見つめた。

私はどちらかと言うと、「可愛い」と言われるほうで、その容姿を最大限に利用させてもらった。

「えっ、あ、うん。いいよ」

顔を赤くして、鳥根とりね ひろ君はいそいそとポケットから携帯を取り出した。

「結ちゃんの苗字ってなに?」

「私?私は、大嶋っていうの」

「大嶋 結ちゃんっと」

尋君は私の名前を入力して、そのあと赤外線でお互いのアドレスなどを交換し合った。

尋君とは今日会ったばかりだ。

友達の麻衣に人数あわせで無理やり連れてこられた合コンで私たちは出会った。

尋君も同じで、二人でこっそりと抜け出した。

彼の瞳は、黒真珠みたいに綺麗で澄んでいた。

さすがの私もこんなにキレイな目を見たことがなかった。

それで私は次のターゲットを尋君にすることにしたのだ。

私から連絡を取り始めて、数ヶ月が経った今では私たちはかなり仲良くなっていた。

多分、私が告白すれば尋君はOKしてくれるだろう。

だが、私の興味は彼自身なんかではない。

私はそろそろくだらない演技に飽きてきて、今日の夜、実行することにした。

その夜、私はメールで尋君を呼び出した。

良く待ち合わせに使う私の家の近くの公園に彼を呼んだ。

彼は嬉しそうに走ってくると、照れたような笑顔を浮かべた。

良い人。

だけど、私は罪悪感なんか持たない。

「ねえ、キスしよっか?」

私からそう切り出すと、尋君は興奮して顔を真っ赤にしながら、顔を近づけてきた。

唇と唇が重なろうとした瞬間、私は彼に最後の別れを告げた。

「バイバイ」

「えっ」

グサリ

最初はイヤだったけれど、今はもうすっかり慣れてしまった感触が私の手を覆った。

温かいモノが流れ、私の手を伝い、地面にポタリポタリと落ちる。

「な・・ん・・で・・・・」

私はふっと微笑むと、彼の首をもうひとつの刃物で切り落とした。

そして、体をそのまま放置し、スキップで家に帰った。

彼の首を大事そうに抱きしめたまま。

部屋に入ると、鍵を閉めて、私は彼や友達、両親さえも知らない秘密の部屋へのドアを開けた。

そこには棚のようなものがずらっと置いてあって、その棚の中にホルマリン漬けにした眼球が入ったビンがずらりと並んでいる。

その数は、ゆうに100を超えている。

私は机に尋君の首をそっと置いて、いくつかのビンを取り出す。

「尋君の目に比べれば、こんなもの」

と私は言って、ビンの中から眼球を取り出す。

それらを手でグシャリと握りつぶし、大きなゴミ箱に入れる。

「あーあ、腐っちゃってる・・・」

ゴミ箱の中には、眼球のない男たちの頭部がぎっしりと入っていた。

「どうやって処分しよう・・・。まぁ、いっか」

私は丁寧に尋君の眼球を取り出し、頭部をゴミ箱に捨てる。

そして、ホルマリンが並々と入っているビンの中にポチャンと尋君の目を入れる。

「やっぱり綺麗・・・」

私はそれを棚の中に収めて、しばらく観察した後、もう一度、手に取り、ビン越しにキスをして、

「大好き。愛してる・・・」

と呟いた。

さて、次は誰にしようかな。













私はパタンとノートを閉じ、ため息を一つ。

そして心の中でこの不気味な内容を書いた主を見つめて心の中で呟いた。

あのさぁ。

はあ・・・・。

いや、書くのはご勝手ですがね・・・。

勘弁してくださいよ。

つーかそんな極悪非道な女はこの世に一人しかいないから。っと。

まあ、ここで言うのはよそう。

その極悪非道女に私が殺されてしまう。

なんだってこの子はこんなにも怖い話がすきなんだろうか???

しかも血を見て「綺麗・・・」などと言い出す。

勘弁してくれの一言しか言えない。

ため息をついた私の目の前にいるこのすばらしい作品を書き上げた作者はキラキラ・・・そう。まさにキラキラといった感じで私の感想を待っている。

ああ、こんな子の友達になってしまった私はなんて馬鹿なんだろう。

まあ、普段はただのおもしろ可笑しいお馬鹿ちゃんなんだけど・・・。

やれやれ。

私がこんなことするわけ無いのに。

このすばらしい作品の主人公「結」は私の名前を弄ったものだ。

分かりやすい・・・。

この子は私を怒らせるのが趣味らしい。

まったくもって嫌な趣味だ。

でも、今日は怒らないでおこう。

いつもなら怒鳴り散らして喜ばせてあげるところだけど今日は無しだ。

「いいんじゃないかな?」

笑顔でそう言ってあげる。

するとたちまちキラキラした顔がふてくされる。

「なんで?」

なんでって。褒めてやったのに。

「今日はさいいことがあったから。かな。」

「ちぇ。つなんないの」

と小さくこぼしたのが分かった。

「さてと。じゃあ、私帰るね。」

「ええっ!なんで?もうちょっといてよー。」

「駄目。だってこれから遊びにいくんだもん。」

「私じゃないなら誰と?」

いやいや君だけが友達じゃないんだよ・・・。そんなに哀しい人じゃないよ。私は。

でも今日は誰と行くかなんて教えてやんないでおこう。

「秘密だよ。」

そう言って微笑でやった。







さてと、まともな服に着替えて・・・。

急がなくては!

待ち合わせの時間まであと20分しかない。







待ち合わせ場所・・・。

私は彼を見つけて微笑んだ。

そして思った。

なんか幸せかも・・・。


どうでしたか??

最後は恋愛モノで終わらせました。

是非ご感想を。

お待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[一言] ヒロインの小悪魔っぽい性格に、味があってよかったです。でも、最後に、目をくりぬくところは、予想ついてしまって、少し残念な気がしました。もう一捻り(たとえば、登場人物の男の子の瞳を、「黒真珠み…
[一言] 何か辛口になってしまい本当にスミマセンm(__)m展開が予想できてしまうところが残念でした。でも、話の構成は良かったと思いますよ。これからも頑張って下さいね!
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