G20首席
~ローナver~
(くっそ~・・・。修司の奴、せっかく私が勇気を出して言ったのに・・・)
さきほどの個人レッスンとはローナ的には『2人きりで毎日・・・』という意味で言ったのだが修司は『これからも手伝ってくれるのか!ローナっていい奴!』ぐらいの意味でしか通じなかったのである。
ローナの言い方だとそう捕らえてしまうのも無理はないが、10代乙女には少しくらいわかってほしいと言うのが本音である。
(で、でも・・・。否定はされなかった・・・な)
超ポジティブ思考は10代乙女の特権・・・である。
「あ~・・・。今日も疲れた・・・。」
俺はすぐに汗を流したかったので、実習場に備え付けられているシャワールームを使ってから部屋へ向かっていた。そして第4実習場の前を通る。すると・・・
(ん? まだ誰かやっているのか?)
激しい金属音が鳴り響いている。ふと覗くと・・・
「セイカ・・・。と誰だ? あれ・・・」
セイカが見せた事の無い表情で戦っている相手は見た事の無い武装をしている女子。いつものセイカの表情に見られる余裕が全く見えない。そして見るからに圧倒的にセイカが押されていた。
「あ、あいつ。仮にもG20の2位だろ!? そのセイカを易々と・・・」
しかし邪魔するわけにもいかないので俺は驚きつつも再び部屋へと向かった。
次の日、俺はセイカにあれは誰か?と尋ねたところ・・・
「修司さんには関係ありませんわ」
と言われた。うーん・・・。あの様子だと負けたな。セイカ。仕方が無いのでローナに聞くと・・・
「あぁ、それはたぶんG20の首席。つまりこの学年で一番強い人だろう」
G20の首席・・・。そうとう強いのだろう。しかし・・・
「しかしなんでいままでいなかったんだ?」
俺もここに来て何日か経つけど見た事無かったぞ?
「それはね。兵士育成場の特別講師をしてたんだって」
「お? アスナか?」
突然アスナが後ろから声をかけてきた。
「でも、兵士育成場って男ばっかりだろ? そんなとこに女の子1人送って大丈夫なのか?」
兵士は色々と女に飢えていると思う。・・・あくまで予想だけど。
「ふ~ん・・・。あんたって会ったこともない女子の心配するんだぁ? エロ修司」
なぜここでエロなのか?
「エロくない。会った事があろうが無かろうが心配なもんは心配だ」
「ま、修司がそう言うならいいけど」
フンッと不機嫌になるアスナ。わからんやつだ。・・・しかしこいつ、いつから俺の事を名前で呼ぶようになったんだ?最初のころはフルネームや名字だった気がする・・・。まぁどうでもいいか。
ついに30話まで来ました!
と、言うか来れました!
これも全て読者の方のおかげです!
もう少しで1stシーズンは終わりますが
今後ともによろしくお願いします。