意外な決着
相変わらず俺はアスナの攻撃を受けている。しかし、さっきより力が強くなっていないか?しかも動きも速くなっている気がする。こいつがこんな重そうな刀を片手でブンブンと振り回しているのが気になる。なにか細工でも・・・。ん?
(・・・細工?)
もう俺はすでに受け止めるのも精一杯になってきていたので、逃げ回っていた。そのときにあることに気づいた。
(そうすると、どこかにあれが・・・)
アスナに気づかれないようにチラっとファイルディアーを見る。すると・・・柄と刀本体の間ぐらいに赤い丸い模様があった。
(あれか・・・?しかし証拠が・・・。よしっ。やってみよう)
足を止めアスナの正面を向く。
「あれ~? もう逃げるのは終わり? それとも何? 降参?」
・・・こいつのSはもう人類の域を超えているんだろうか?
「ふん。んなわけあるか。男はな・・・。やると決めたことをやり通す生き物なんだよ」
グッとアスナを見ると・・・。ハッとした顔をしてうつむき出した。心なしか顔も赤い。動きすぎたのだろうか?
「どうしたんだ? 真っ赤になって」
「! くっ・・・。うりゃあ!」
ギギンッとブレイカーソードが折れるのではないかと言うくらいの力でファイルディアーをたたきつけて来た。受け止めるだけで精一杯だったのだが俺は確かに見た。あの赤い模様が攻撃の瞬間、にぶく光ったことを。
「くっ・・・。おらっ!」
力を振り絞りなんとかファイルディアーを押し返した。そのことがアスナにとってはとても驚いたことなのだろう。体の重心が前から一気に後ろへ行ったことでよろけている。今だ!
「くらえっ!」
俺は赤い模様にブレイカーソードを突き刺した。すると・・・。ガシャ。
「きゃ!」
いきなりアスナはファイルディアーを落とした。と、言うかその重さに腕が耐えられなかったのだ。
「な、何したの?」
「このブレイカーソードはあれゆるワンスを無効化できるんだ。・・・お前、ワンスで力自体を強くするか、刀を自分が持つときだけ軽くしてたんだろ?」
「っ!」
そう、あの模様はワンスのいわゆる変換機みたいなものだったんだろう。始めから腕も細く、体格に恵まれていないアスナがあんな大太刀を振れるのはおかしいと思っていたが。
「・・・な、何してるのよ」
「ん?」