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Wise  作者: 霧崎 射駒
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第一章 SHOKINNG PINK second part

いままでの一番の文字数ですが、今まで以上のgdgd感です。三人称は、やはり難しいですね。


「今回の入り口はここか?」


 人々がそれなりに通る路地にワイズは薬局の方を見ていた。ワイズが見ている薬局の中には二、三人くらいの人間がいるようだ。

そんなワイズを見ると、草壁は手に持った紙切れの文字を確認する。


 「間違いない。今回の『入り口』は、ここ(薬局)だ。」


 そういうと草壁は、薬局へと向かう。ワイズは慌てて、草壁を追いかけた。


 店に入ると、種類ごとにさまざまな薬や日常品が棚に並べられている。ほどよいくらいの白が清潔感を感じさせる。


 どう見ても普通の薬局だよなぁ。入り口って言うから、もっと壁の近くだと思った。


いつの時代も都市国家は、壁の近くに行くほど治安が悪い。



 このクローズグレイシティは、他国に比べてそれほど治安は悪くないのだが、警備は薄くなる。ワイズたちが以前行った都市では、『入り口』というものは、もっと壁の近くにあった。おそらく、クローズグレイシティでは、壁との距離は関係なさそうだ。


 「少しいいでしょうか。」

 

 「はい、何でしょうか?」

 

 「頭が痛くて、この薬を使ったのですが、効かなかったんです。」

  

ワイズがそんなことを考えているうちに、草壁はメモを見せながら、店員と何か話していた。聞いてみると薬についての相談。ワイズたちが向かうシャドウシティとは関係のない話だった。ワイズは、それに突っ込むことなく、遠目で見ている。

しばらくすると、店員が頭を下げ、草壁を誘導するような行動をとり始めた。


 「ワイズ。何を呆けているんだ?」

  

 「別に呆けてねぇけど。」


ワイズは、面倒くさそうに、ため息を吐くと、そのまま草壁の後をついていった。そのまま店員の案内されると、医療薬相談室と書かれた扉まで案内された。

 

 「そういえば、人間減ったのって、菌のせいなんだろ?」


 「そうだな。人類が減少した原因のひとつだったな。薬が開発されるとともに、彼らは進化していった。たいしたものだよ。」


世界には、ところどころに人類減少の影響が散らばっている。


例えばこの相談室。ここはこの数百年、医学が進んで、菌が発達し、薬の数も増えたことにより、病院以外のその病気にあった薬を探すために必要となったもの。こういった形で社会に人類減少は、社会にのこっているのだ。

店員が扉を開けると、いくか扉があった。一つ一つが、個室になっているようで、話し声が聞こえる。ワイズは、奥にある扉の前に来た。


「少々お待ちください。」


そういって店員は扉を開け、2人を中に入れる。そこには、中央の机を挟んで椅子が二つずつ置かれている。そして、机の上にはパソコン。そして部屋の隅には、医療関係なのだろうか、様々な機械が置かれている。店員がパソコンに何かを記入した。すると、甲高い信号音がなると機械の左側に面した壁が正方形の穴を作りながら移動していく。壁が無くなったそこには薄暗い階段があり、そこを降りると、通路が続いていた。


「どうぞ。いってらしゃいませ。」


「ふーん。いつもの入り口よりは綺麗だな。」


 入り口の横でお辞儀をする店員。ワイズは、そこを通り過ぎる。黒い壁を右手で触りながら、壁の材質をそのまま足を奥の方へと進めた。奥の方を見ると、真四角な通路にいくつかの通路とつながっているようだった。


「あー、迷いそうだなぁ。これは。」


「さすがは、シャドウショップ本店、入り口から他のところとは違う。」


 そういいつつ、草壁は懐から小さな画面を出す。そこにはなにやら、何かの地図が表示されていた。その地図の中央に矢印が、上を向いていた。それは、シャドウショップへのナビで、ここから、シャドウショップへのルートが示されていた。


「会話型の暗号も自然で正確。一つ一つの単語さえ、配られた紙に書いてあるものと同じ。そしてこの地下。ここまできれいに塗装されているところは、なかなかないものだ。」


 闇市、シャドウショップは地下に存在し、その入り口は、あらゆる店の中に設置されていて、それはこの地下迷路に続いている。その迷路のゴールが入るには、その店の指定された店員に会話型の合い言葉を言いわなければならない。


「ここまで規模がでかくて、町の地下にあるのに警察が動かないのは、なんでだ?」


 ワイズは歩きながら、今までより大規模な地下迷路に驚きながら、疑った。地盤を守るためにで地下使用禁止令が出されて、地下に関心を寄せるものが少ない。しかし、ここまで大きいとそこそこは、気づかれるはずである。


「客に政府の上層部の人間がいて、サツも黙認しているのさ。珍しくないだろ。」


「ああ、そうゆうこと。あいつら、正義、正義とぼやいてるくせして、これかよ。」


 ワイズはそれを聞いて、心の奥底に苦々しい感覚を覚えた。頭の中に浮かぶのは、あの誰一人いない寂れた町並み。そして、変わってしまった自分。ワイズは無意識に右手で手袋で包まれた左手首を握りしめた。


 薄暗い明かりに照らされた顔は、険しいものだった。









「はじめましてだね。ワイズ君。私は、ここを取り仕切ってるものだよ。気軽にオーナーって呼んでね。」


「え!?あんたがオーナー!?」


 バーカウンターに座っていたワイズは、目の前の人間に驚き、立ち上がった。


 なんせ、目の前にいるのは、ワイズの予想を裏切り、ワイズと二十代後半くらいの綺麗な優男だった。

 

銀色の髪に、髪と同じ色をした瞳。睫毛は長く、人の良さそうな顔をしている。見た感じ、白人のようだ。バーテンダーの服に包まれた体は細く、とても裏社会の支配者には見えなかった。


 「期待はずれで悪かったかな?」


 「いや、そんなわけじゃねえんだけどよ。」

 

 なんか、心読まれたような気が・・・

 

 そう思いつつ、ワイズは座り直し、カウンターの上に帽子を置いて、草壁を見た。サングラスで目元は見えないが、口元は綺麗な弘を描いていた。笑っているのは、一目瞭然だ。


  こいつ、ぜってぇ楽しんでやがる。


 ワイズはイライラしながら、持っていたグラスに口を付ける。ここのところ、自分が気にくわないことばかり起こっているような気がして、ワイズは余計イライラして、顔を歪める。


 ふと、こちらに近づいてくる靴音が聞こえきた。ワイズは、そちらを見ると、更に顔を歪める。


「あら、ワイズ。いつも以上にイライラしてるのね。」


 そうワイズに投げかけられた色気のある声の主は、その声にふさわしい姿をした女性だった。


 赤毛に茶色の瞳、目は少しつり上がっていて、顔は、中国辺りの顔立ちをしている。赤いパンプスを履いた足は、引き締まっていて、胸も大きすぎず、腰も細すぎず、まさに理想のプロポーションだ。彼女が着込んでいる、裾の短い赤いパーティードレスは、彼女の美しい体を強調していた。


「お前が来て、俺の心はさらに荒れてんだよ。ホンリー。」


  怪盗 ホンリー 


 彼女も数々のヌーチャーストーンを盗んできた。怪盗のひとりだ。ワイズとは、同時期に怪盗をはじめた同じ年くらいの女怪盗で、そのせいかワイズの行く先々で会ったりする。情報交換することもあり、付き合いも長いのだ。


「いい男は、いい女性に声を掛けてもらったことを喜ぶべきじゃない?」


 ホンリーは、そういうとワイズの隣に腰をかける、その行為で尻が見えそうになるくらいドレスが短い。椅子当たりに視線をそらしていたワイズは、それを目撃してしまい、顔を赤める。

 ワイズは、それをごまかすために、グラスの中にあるものを口に含めた。


「ねえ。何飲んでるのよ?ウイスキー?」


「ウーロン茶。」


「ウーロン茶って、あんた、ここバーでもあるのよ。なんで、お酒飲まないの?」


 ここ、グレイクローズシティのシャドウショップは、バーも兼ねていて、店内もそのようなものになっている。お酒などの飲み物も表と同じ値段で飲める。

一風変わった闇市だ。


「今から、オーナーから情報を買うんだよ。酒なんか飲んだら、取引にならねぇだろ。」


「まあ、言われてみれば、そうかもね。」


「そういうお前は、オーナーに情報を買いにきたのか?」


「私は、買い物が終わったとこ、オーナー、ブラッディーメアリをちょうだい。」


「はい。少し待ってね。」


 オーナーが頼まれたカクテルを作り始める横で、ワイズは、更にウーロン茶を飲むと、一度当たりを見渡した。

 

 テ-ブル席もあり、なにやら多くの人が、話し合っている。ここ以外にもカウンターがある。しかし、その奧の棚に並べられているのは、麻薬や武器、機械類など、違法のもの。

 中には、棚の代わりに檻があり、その中に人間も商品として、置かれていたりする。


 ちょうど、少女が売られたところで、泣きじゃくる彼女の前で、男が店員にお金を渡しているところだった。


 その様子をワイズは、何も興味の無さそうに眺めた。


「ふーん。ここは、人身売買もやっているのか。珍しいな。」


「さすがは、世界一の闇市といったところか。どの商品も質が良さそうだ。」


「そっか。そう考えると管理も良さそうだな。」


「そういうことだ。オーナー、カモミールミルクを頼む。あと、遺産の情報がほしい。」


 代金を置きつつ、本来の目的に戻ろうとする草壁を見て、ワイズは、お前も飲むのかとぼやきながら、真剣な顔になった。オーナーは、パソコンを手元のキーボードでを操作して、考え始めた。


「カモミールミルクね。あと、情報となると、どんなのがいい?」


「強いヌーチャーストーンの可能性が、高いもの。あとは、代金が250万くらいの情報がいいかな。」


「んー、大物狙い?最近、入ってきて、有力なのはこれかな。」


 オーナーがパソコンの画面をひくっり返して、見せてくれたのは、透明に澄んだ水色の石が入った、ブレスレットだった。


「ポセイドンライトと呼ばれて、場所は、上層のガイン=ハイヤー宅。セキュリティは、草壁君なら簡単に制圧できると思うよ。」

 


この時代の都市国家は、中央にある塔のように高い、国会や機関の中枢の建物、セントレアを中心に行政関連の役員部、金持ちなどのいい身分が住む上層部、更に中層部、下層部が広がっている。一応、分かれているようにみえるが、それらの名称は、身分に付く。


「私が制圧できるのなら、ハッカーを雇わなくてもいいな。」


「ただね。展示室は少し変わっていてね。ターゲットが展示されているケースがある床の周りに水路があるんだよ。使う原子は注意してね。」


「ああ、気を付けるよ。ところで、ねda「安くできねぇとは、どうゆうことだ!?」なんだ、なんだ!?」


 オーナーカウンターにいた全員が怒鳴り声がした方へと向く。


 そこには、声の主と思わせる大男が部品を売っている店員に銃を向けていた。

 大男はとても不満そうな顔をしている。


「お客様、この値段は、この商品での一番安いものでして・・・」


「ああ!!だから、それが何だよ!!命が惜しければ、安くしろや!!」


 大男は、店員の額に銃を突きつける。それを見た他の人はざわめきだし、恐怖の目でそれを見ていた。


 ホンリーは、若干引き気味な目を向けて、つぶやいた。


 「なにあれ。脅迫して、値切ろうって?どんだけ知能がないのよ。」

 

 「おいおい、そこまで言うなよ。でも、どうすんだ。このまま発砲されたら、大混乱だぞ。」


 「そうだね。それは困るよ。」


 騒動を見るオーナーの目が銀色に光りだそ、オーナーは、右手を前に突き出した。












 




      すると、銀のナイフ、ひとつが宙に浮かんだ。


 








 




 そのナイフは、そのまま銃を持つ大男の手に刺さった。


「痛!?何すんだ!!」


 痛みで銃を落とした大男がオーナーの方へ振り向く。


大男の目に映ったには、オーナーの周りに浮かぶ、たくさんの銀食器だった。



「何すんだ、じゃないよ。あなたは、ここを荒らしたも同然のことをしたんです。おとなしくしないのなら、命はないと思ってね。」


 にこりと微笑んだオーナーは、男を指差した。銀食器は、大男の目の前まで、飛んでいった。


 その銀食器に怯えながら、大男は、こう言った。


「ひっ!!あああアンタ!!『アトマイザー』か!!??」


 それを聞いたワイズと草壁は、確信した顔をした。


 ホンリ-は、大男の言った言葉の意味が分からないようで、ワイズたちに尋ねた。


「ねぇ、何なの?アトマイザーって?どうして、銀食器が浮いているわけ?」


「人体を構成する原子のヌーチャーストーンを使用し、ひとつのヌーチャーストーンと融合した人間のことだ。彼らは、融合したヌーチャーストーンが操作できる原子を自由に操れる。」


「何いってんのよ。原子の操作は、機械に通してするのよ?しかも機械だと、ひとつの動作しかできないわよ?」


「現にフォークやナイフが不規則に動いってんじゃん。」


 そういうホンリーに対して、ワイズは、宙に浮いている銀食器を指差す。それらは、へたり込んだ大男の周りを回転したり、上下に浮き沈みしていた。



 「おそらくオーナーは、銀のアトマイザーだ。だから銀食器を自由に操れる。まあ、融合技術はこの国の警察軍事と科学開発が厳重に管理してるから、裏でも他のシャドウショップのオーナーは、知らねぇと思うぜ。ここのオーナーは、政府からの客にやってもらったんだろ。」


 ワイズは、抵抗しなくなった大男を連行する店員に支持を出すオーナーをちら見しながら言った。


 ホンリーは、そこまで話したワイズたちにひとつの疑問を覚えた。


「じゃあ、あんたら、この国に来たばかりなのに、あまり知られていないアトマイザーを知ってるのよ。」



「さあ、なんでだろうな。」


 

 ワイズは、曇った顔でグラスの残りを飲み干した。








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