11話 正当
レカ視点。
「帰せないって何?能力の都合上、だなんて随分と勝手だね」
「……返す言葉もねぇ」
数分前、レカは目が覚めたらコオに状況を説明していた。ジンが悪いとした上で、レカは彼女を許す。そう言った途端、コオの態度が一変した。
コオは怒っていた。声を荒げ、ジンを睨みつけている。
「大体、死刑が嫌って何?そんな事言ってる暇あるなら解決策を考えろよ」
「……コオ、言い過ぎよ。誰にだって失敗はあるわ」
「レカは黙って」
レカはコオに反感を覚えた。いくら何でも言い過ぎだ。
しかし、それを口に出すことはしなかった。コオが、レカの代わりに怒ってくれていると理解していたからだった。
「本当悪い。三日あれば、送り返せる。その間の生活の保証はするし、後日正式に詫びに行く。許してくれとは言はないが、信じてほしい」
コオは黙った。レカも言葉続けた。
「コオ、私のために怒ってくれてありがとう。でも、私はジンを許しているの。だから、ジンを恨まないでほしい」
身勝手な願いだったが、コオは考え直してくれたようだ。
「三日間だけ信じる。……許したわけではないから。」
数分後、コオは首を縦に振ってくれた。