25.5.28 何度でも言おう。
「駄目だ。」
「何で?」
「駄目なものは駄目だからだよ」
「説明してくれなきゃわからないよ。」
「そこだ、説明しなきゃわからない所がまず駄目だ。」
「そんな――」
改めて向き直って、
「それから、俺は無駄なことはしない主義なんだよ。」
「何それ。酷ッ、自分今凄く痛いこと言ってるよ。」
引いていた。
見た上で言ってやる。
「馬の耳に念仏って諺知ってるか?」
「知ってる」
あっけらかんと答えてやる。
「今のお前がそれだ。」
「え?何で?」
溜息が出た。
「そもそも、駄目なものは
何度やったって駄目なんだよ。
当たり前だろ。お前、悪い奴が居て、否、
そうじゃなくても、自分が守らなきゃならない立場
に成った時、碌でなしが、
その対象に近付いて来るのを見たら、
普通駄目だって言うだろ?
それは何度来たって同じだ。
諦めて貰う他に無い。
そいつ等が、諦めずに何度も…何て、悪夢だ、
わかるだろ。
普通自分が何者に見えているかわかれば、
言わなくてもわかるもんだが、稀にお前みたいな
奴がいる。
そうゆう奴からは、わかる奴等が護ってやらなきゃ。」
「…別に守られなくたって良いもん」
「お前はな。でもお前だって知らないだけで、
ちゃんとして貰ってるから今そうやって
そんなことが言えるんだぜ。
俺達がして貰ってることを、後に残してやらなきゃ
、後ろの奴が可哀想だろ。」
「それとこれとは違うもん。」
「同じだ。」
兎に角、
駄目なものは色々な意味で駄目ってな話。
駄目駄目言い過ぎるのも何だがね、
駄目駄目言われない様に居ることだって
出来る筈なのに、あれは何でなんだろうね。




