2/6
25.5.28 確かな答え
「あんたは?」
冷たい視線だ。
「そんなもの聞いてなんになる」
―――それでも、聞いて置いた方が良い、そう思った。
「確かな答えが無いなら、俺が探してやる、
そう言ってる」
すると目を瞑って
「君は一つ、間違っているよ。
確かな答えなんて無いっていうよね、
あれは嘘だよ。確かな答えはある―――
その時に見合った答えが。
――ほら、君もちゃんと持っている」
「俺が?」
「嗚呼、そうさ。」
「?」
「‥此処にね。」
自分の胸をトントンと叩いた。
其れを見て、一瞬呆けてしまう。
だって、使い古された答えだったから。
呆れながら――
「そんなもの――‥奔騰に正しいと言えるのか?」
そうだね、と言葉にして、少し考える、
どうせ適当に誤魔化されるのだろう、と思った。
然し、答えは意外にも返ってきた。
「それは―‥君の生きてきた軌道がその先を示した時
、わかるだろう」
遠い目線――それだけ言って、
――パンッ
と手で足を叩く。
「さぁ仕上げだ。」
この話は終わり、と勝手に決めて、
作業に戻っていった。
確かかどうかはわからない。
けど。
望ましい答えは確かにある。
と言う話。