この子、私に何一つ似てないんです! 本当に私の子なんでしょうか?
“この子、私に何一つ似てないんです! 本当に私の子なんでしょうか?”
私の部屋に勢いよく入って来た女性が一番初めに私に言った言葉。
彼女の右手をギュッと握って僕を見上げる男の子。
確かに彼女に似ていないように感じる。
無表情で笑わない子。
ここ何年かで、子供が親に似ていないという事例が増えている。
しかも? “子供は皆、無表情で笑わない子だ!”
頭もよく物事を素早く見極める力がある。
まるで【AI】のような子供達。
産まれて直ぐに、実の子と取り換えられていると訴えた女性もいたのだが...。
病院側は、一切そういう事はないと強く主張した。
・・・では? 何故、産まれてきた子供達は皆同じなのか?
何一つ自分に似ていない子供を育てる親達。
本当の自分の子は、他に居るんじゃないかと疑問を持つ親もいる。
この子達は何処からきて、何を目的としているか?
親は子供を疑い、DNA検査までして調べるが間違いなく自分の子。
血の繋がりがあるのは当たり前だ!
お腹を痛めて産まれてきた子なのだから、、、。
だが、それを信じきれない親達がいる。
そして今日も私に助けてもらいたいと思う親達が私を訪ねて来た。
『先生! どうか私の子かちゃんと調べてください!』
『まあまあ、落ち着いてください! 水でも飲みますか?』
『・・・あぁ、はい。』
【ゴクゴク】
女性は勢いよく私が女性に渡した水を飲みほした。
『少しは落ち着きましたか?』
『・・・えぇ、』
『では、お話を聞きましょう。』
『はい。』
話を聞けば? やっぱり、ここ何年かで増えている内容だった。
“自分が産んだ子がワタシに似ていないという相談。”
私もこの件は、直接病院にも行って確かめてきているが、、、。
間違いなくDNAの検査では、産んだのは彼女なのだ。
でも? 確かに親に何一つ似ていない。
それにここ何年かで産まれてきた子供達が共通している事は?
“皆、無表情で笑わない子。”
頭もよく親の言いつけもしっかり守る子らしい。
でも? 夜中になると、【キャシャンーキャシャンー】と子供部屋で
音がするという話を聞いている。
この音の正体は一体何なのか?
*
ある時、私の部屋を訪ねてねきた女性が私に言った。
『先生! 自分の子供があまりにも不気味過ぎて何処かに置いてきて
しまいました。』
『直ぐに連れ戻しましょう。』
『・・・でも? 怖いんです。』
『“それでも貴女の子供ですよ”』
『・・・えぇ、分かりました。』
私は彼女を車の助手席に座らせて、子供を置いてきた場所まで車で
向かったのだが、子供は既にいなかった。
彼女は警察に連絡して直ぐに子供を探してもらうが見つからない。
こういう事例も物凄く増えていた。
自分の子が不気味に思えて、知らないところに置いて帰ってきてしまう親。
直ぐに探しに行くも、子供は見つからない。
居なくなった子供達は皆、何処に行ってしまったのだろう?
私は【探偵】オーイニ・ベルトワ。
またの名は、“おーべる”。
この事件はまだ解決していない。
不気味な子供達は何処からやってきたのか? その目的は?
私はそれを解明するために日々奮闘している。
いつか? この謎を解き明かす為に、、、!
最後までお読みいただきありがとうございます。