第一話《お仕事紹介》
作者の 健雅 葵 と申します。
学生の身であるため、投稿が不定期になってしまう可能性もありますが何卒ご容赦ください。
以後、よろしくお願い致します。
皆さんこんにちは。本日は僕、香椎川 遥斗が担当致します。よろしくどうぞお願いします。
では僕の自己紹介から。
僕は春から大学生になるどこにでもいる普通の青年でした。
運動も勉強もそこそこにできたし、元カノも数人いたのでそんなに恵まれていないとかそういうわけではなかったと思います。今カノはいなかったですけど。
志望校にも無事合格したので、受験を頑張った分、大学生になったらいっぱい遊ぶぞーと思っていました。勉強してバイトして友達と遊んで可愛い彼女作って...
まだ見ぬキャンパスライフに、青春の夢という夢を詰め込んでいました。
はい。そんな矢先に死にました。
いやぁ一瞬でした、本当に一瞬でしたね。走馬灯とかも全然なかったですし、普通にめっちゃ痛かったです。
その瞬間に死んだことに気づいたんですけど恐怖とか焦りとかは全くなかったですね。
なんなら明日の親友との遊びの約束のこと考えてました。遊び行きたかったです、渋谷に服買いに行きたかったです。ほんま。
そんなわけで享年18とかいうくそ若い僕ですが、実はまだ生きてます。
いや、正確には生きてはないんですけど、異世界で無双したりとか美少女でハーレム作ったりとかはしてません。生と死の狭間的なところで元気にやっています。
ここまでいいですね?はい、どんどん行きますよ。
僕の現世の「生命体」は完全に死亡してるんですけど、「精神体」だけはまだ生きているらしくて。それで今喋ってるってわけです。
普通の場合は身体が死ぬと、魂が濾過されて記憶とか諸々綺麗さっぱりなくなるんすよ。
んだら、その魂は輪廻転生の流れに乗ってなんたらかんたらで、生まれ変わると。
んー、なんか一回説明されてはいるんですけどその辺詳しくは分からんです。すんません。
要は僕は、生まれ変わる直前に閻魔様に気に入られて、運良くか悪くか雇われたって訳です。そんな感じのイメージで大丈夫です。
一旦休憩しましょう。この後はちょっとハードですからね、深呼吸してください。
そしてですね、隣にいるこの世の終わりみたいな形相のおじさんが閻魔様です。実際この世終わってますし。
うーわ、怖い怖い。こっち睨まないでください。
あ、その目つきがデフォルトでしたか。それはそれは。
見てください。この進撃する巨人の人たちもびっくりの巨体に、青黒い肌、腕は驚きの13本。
二本の鋭い角と手に持つどす黒い金棒が特徴のこちらの閻魔様ですが、見た目によらず実は気さくな方なんです。ギャップがあってちょっと可愛いでしょう...?
それにしても素晴らしい容姿ですよね、何度見ても見飽きない。「閻魔様といえば...」をそのまま閻魔様に仕立て上げましたと言わんばかりの見た目なんですが、今回この放送をご覧の皆様に限り!なんと特別価k......
こほん、こちらが日本の神道を中心に担当している、通称Summer ENMAです。
あ、これ名前です。───拍手は...?
いや他の地域というか異文化の人たちを担当している閻魔様的な神もいるので......
あ、知りませんでした?実は閻魔様的役割の神って結構な人数いるんですよ。
閻魔運営委員会や閻魔人事部に閻魔経理部に閻魔営業部まで...総勢1000人近くはいるんだとか。
広報はないですよ、どこに知らせんだって話ですしね………
んでなんでしたっけ?
あ、名前の話か。Summerっていうのはお分かりかとは思いますが、「様」ですね。「夏」ですけど。
”閻魔”は”ENMA”で直接通したらしいんですけど、このENMA様が間違えて苗字に「さま」と入力して─それを変換ミスしてサマーエンマとかいうめちゃめちゃダサ...、不思議な感じの名前になったというわけです。
閻魔の世界でも役所は頭が固くてなかなか大変らしいです。
ここまでいいですか?分かりましたか?
...え?分からない?
──はぁ…でしょうね、相手は神様ですし人間如きが理解できていい筈がないんです。
分からなかったあなたは正常です。どうぞこのまま現世で豊かな人生を歩んでください。
そして不覚にも理解してしまったそこのあなたは、あるいはこちら側の人間なのかもしれません。残り少ない余生を謳歌してください。近いうちにまた会いましょう。
─え?僕?んー、大体半分ぐらいは理解しるんじゃないっすか?そうじゃないとこんな仕事できてませんからね。まぁつまりは半分逝っちゃってるってことです。HAHAHA!
こんなもんで説明はいいですかね。閻魔様については割と分からないことだらけですのでゆっくりと皆さんで紐解いていきましょうね。
もし、分からないことがあったら必ず僕に聞いて下さいね。直接閻魔様の所に行ったが最期、多分地獄行きです。
よぉし、これで僕の今日のプレゼン仕事はおわ...ってなかったですそうでしたそうでした。
僕の職業についてまだ何も触れていませんでしたね。
僕の職業...それは............
「閻魔介護士」ですっ!!
あ?なんですかその顔は。いま日本で流行ってると噂のあれですか、はにゃ?、の顔ですか。これだから令和生まれは...
閻魔介護士ですが読んで字のごとく、閻魔様をサポートする役割の人間です。なぜ人間が担当しているかとか詳しいことはまたいつか話します。
"閻魔介護士" 正確な名前は英語かなんかだったんですけど忘れました。取り敢えず日々行われている閻魔ジャッジメントのお手伝いをする職業です。
介護士ではないと思います、そう言われたからそう呼んでるけど、介護はしてないです。
だって閻魔様年取らないし、めちゃめちゃ現役だし。たまに金棒で素振りしてるし。
具体的な仕事というと、現世で亡くなり三途の川を渡って〜とか、アヌビス様とかに連れてこられて〜、など様々な方法でここ、"閻魔ジャッジメントルーム"、通称"EJR"に訪れた人間の記憶や経歴を見漁るんですよ、片っ端から。
そしてその中から特筆すべき箇所を閻魔様にお伝えする、というわけですね。
そして、この人間は天国に行くのか。はたまた地獄に行くのか。または輪廻転生させるのかを決めてもらうんです。因みに僕も一緒に考えます。
分かりやすく言うと、裁判長の閻魔様一人に対して検察官、弁護人、裁判官、傍聴人をただ一人でこなしてるって感じですかね。どう?聞いただけでも楽しそうな仕事でしょう?
因みにこの空間に疲労とかそういう概念が存在してないから休みは貴重で殆どないですね。どう?聞いただけでも楽しそうな仕事でしょう?(2回目)
あとはそうですね、天国行きになった人の幸せそうな顔と、地獄での罰が決定した人の絶望した顔を無償で拝めます。
転生する人は大体の人が?な顔してるけど、最近は転生物のラノベが普及してきてるから、そのジャンルに理解がある人は軽く分かってたりするかなってところです。本質は全く違うけど。どう?聞いただけでも楽しそうな仕事でしょう?(n回目)
僕自身はこの仕事は毎日が刺激的でとても気に入っています。
満員電車に揺られて理不尽な上司にペコペコして夜遅くまで残業して、なのに残業代が出なくてぶーぶー喚いてる君たちとは違ってね、僕は好きだからこの仕事を続けているんですよ。へっ。
どう?聞いただけでも楽しそうな仕事でしょう?(n+1回目)
まぁ僕がここで働き始めた詳しい理由とか経歴とかは後に話すとして。このぐらいでこの物語の説明は終わりになります。
何か質問ある方はいらっしゃいますか?
いるなら閻魔様に聞いてみてください。
でも責任は一切負いかねますのでご了承ください。
へ?話が違うって...?ナンノコトヤラ。アニメでよくある全然音が出てない口笛。ぴゅーぴゅー。
うーーん、はい。見た感じいなさそうですね。それが正しい判断です。えらいえらい!
それでは!改めまして、僕が閻魔様と共に過ごす、殊の外ブラックなお仕事の話をどうぞお楽しみください!
よーし、今日の仕事はこれで終わりやー!下界の馬鹿どもに説明すんの疲れるんよなぁまじで。あいつら低能過ぎて何言っても理解しやしねぇ。今度からこの仕事フラッペちゃんに投げちゃおっかな~
.........ッ!?!?!?!?!?やっべ配信切れてなかった、やっべやっべやっb
文章や内容が少しわかりづらいとは思いますが、考察などしていただけると幸いです。