電気がついてから
電気がついてから
電気がついた。大体一週間くらい。早いほう、だとは思う。多分。
そこらへんの感覚はわからない。ガスも同じくらいに復帰していたはず。
ただ、一週間ぶりの風呂は感動した。携帯を充電してゲームを充電してテレビをつけた。
そしたら、福島の原発が大変なことになっていた。
数日後に友人が訪ねてきた。少しだけだが、話をした。
彼女は、私よりも海に近いところに住んでいたが避難ができ親せき宅に身を寄せているらしい。
そのさらに数日後に学校が始まった。そこで、同級生がなくなっていることが知らされた。
葬式に出た人もいるが、私は出なかった。理由は、そんなに仲良くないからだ。
仲がいい人がいったほうがいいだろう。私は、彼がいたことを覚えていればいいと思ったからだ。
給食はしばらくでなかった。その代わり、パンだけが出た。おかずは自宅から持ってくるようにしていた。
給食が出るようになると、あるものが出てきた。
ハエだ。今まであまり教室にいなかったハエが給食の時だけ、出てきた。
給食についてきたわけじゃない。学校が海の近くにあったからだ。多分、そこのがれきや何かから発生したハエが学校まで来たんだろう。




