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29ー1.男達の休日作戦

 闘技場でグレイと戦った日の夜、俺はカイにとある部屋に呼び出された。


 何の用かは何も聞いてないがろくでもない事でも考えていそうだという事は考え付く。


 だが、そうだとしても手は貸すだろうな。面白そうだからな。


 俺は呼び出された部屋をノックせずに開けた。


「カイ。来てやったぞ」


 その部屋に居たのはカイだけでなくクリスタリア王国軍の人間が30人、それにグレイも居た。


「クリスタリア軍の皆に・・・爺さんあんたまで。これは一体何の集まりなんだ? なあカイ?」


「ゲイル。キーワードは海だよ」


「・・・海? ・・・はっ!? まさか!?」


 俺は海から連想されるこいつらが確実に喜びそうな考えが頭に浮かんだ。


「そう! この集まりは海でみんなと遊び隊だよ」


「違うだろ。美少女の水着を見隊の間違いだろ?」


「ひどいよゲイル。それじゃあただの変態集団じゃないか。この集まりには建前って言うものが必要なんだよ。本音はみんなの心の内ってね」


 そう言いながらカイは鼻血を出していた。


 本音が漏れてるぞ。


「おーい誰かこいつに本音の隠し方って言うのを教えてやってくれ」


 そう言いながら周りを見渡すとグレイを除いたすべての人間が鼻から血を出していた。


「・・・お前らもかよ」


「ゲイル。これは違うんだよ・・・そう、夕日をバックに決闘した時の後遺症だよ。ゲイルとグレイ様の戦いを見ていたら戦いたくなってね」


「鼻をピンポイントで狙う決闘なんて聞いたことないぞ」


「ルールがあってこそ戦いに華が出るんだよ」


「そうだな。お前らの頭の上に立派に咲いているよ。お花畑がな」


 俺はカイの嘘まるわかりの話に呆れていた。


 だが、わからん事は無いとそう思った。


 それより一番気になっていたのはグレイがここに居る事だ。


「爺さんあんたは・・・魔獣にでも襲われたのか?」


 グレイは頭と腕に包帯、所々に擦り傷と打撲を直すための湿布が貼られていた。


 まるで生死をさまようような戦場で戦ってきた戦士のようだった。


「まだ魔獣の方が可愛げがあるわい」


 グレイをここまでするなんてあのばば・・・お姉さんは一体何者なんだ?


「ああそう・・・それでなんでここに居るんだ? 年甲斐もなく少女の水着姿に興奮したいからとか言うつもりじゃないだろうな?」


「これ! めったなことを言うんじゃない! 憤怒の神に目をつけられたらどうするつもりじゃ! 次はこんなんじゃすまないんじゃ・・・簀巻きにされて魔獣の森に捨てられる・・・」


 グレイのあの怯えた表情・・・昔に同じことをやられたんだろうな。


 グレイはそんな怯えた表情を数秒続けた後、はっ! と我に戻って何事もなかったかのように話し始めた。


「わしはミリアにリーネ様と仲良くなりたいんですけどどうしたらいいですかって聞かれたんじゃよ」


「それで任せろって言ってきたのか」


「そういう事じゃ。それでどうしようか悩んでいた時にこ奴らと出会ったんじゃ。それで相談した所、良い案があると聞いたのでな」


「多分相談する奴間違ってるぞ」


「なんと!?」


「こいつらは美少女の水着が見たいだけだ。あんたの孫娘にも色目を使おうとしているのが見え見えだ」


「それなら大丈夫じゃ」


 グレイからの意外な返事が返ってきた。


 あの孫バカがこんなにあっさりだと・・・?


「ん? こいつらなら孫娘をやってもいいとか思っているのか?」


「ミリアに色目を使った奴はこの英霊剣心デブラスネーヴァの錆にするからのお」


 グレイは静かに笑った。


 その笑った表情には恐怖すら覚えるぐらいだ。


 こんな状況でもこいつらはミリアに色目を使うのか?


 そう思って俺は周りを見渡した。


 すると一部の男どもが結託して何かを相談するようなそぶりを見せていた。


 こいつらマジかよ。


 この爺さんと戦って勝てる算段でもあるのか・・・。


「そういうゲイル殿こそ、可愛がっとるハユ殿にこ奴らが色目を使ったらどうするんじゃ?」


「ハユに色目? アハッハッハ。それは無いぞ。むしろ色目を使う羽虫が居たら全員で」


「「「殺しちゃうかもな」」」


 その場に居たクリスタリア王国軍の全員の声がハモった。


 俺達のアイドルに手を出そうと言うならそれなりの覚悟をしてもらわないとな。


「・・・お、おう。そうじゃったか」


 そうこう話していると部屋に次々とクリスタリア王国軍の人間が入ってきていた。


 最終的にクリスタリア王国軍の人間は50人ぐらいになっていた。

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