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2-2.勇者戦

前回のあらすじ

 勇者と話し合おうとしたが決裂したのでパーティーメンバーの一人を銃殺したのであった。

「魔王!」


 勇者は剣を抜き、玉座に座る魔王に向かって駆け出し魔王を一刀両断した。


 だが、そこに座っていたのは中身のない鎧だった。


「居ない!? どこだ魔王!」


「この私、ラキア・ケンネルスの名のもとにその力を示しなさい。古代石杖(こだいせきじょう)パラグライト・根源憑依エンゲージジェネレート!」


 黒いローブを身にまとった金髪ツインテールの女の子がそういうと彼女が持っている杖が光りその光が大きくなり彼女を包み込んだ。


 そして光が周りにはじけ飛ぶとそこには大きな黒い三角のとんがり帽子をかぶっているラキアが現れた。


 彼女の周りには複数の灰色の石ころが円を描くように回りながら浮いていた。


 ラキアが手を前に出すと手の前に浮いていた石ころが集まり石ころで魔法陣を描いていた。


円形探索(サーチ)


 ラキアの声と共に石ころが共鳴しソナー音のような音を出した。


 その音の波紋は部屋全体に行きわたった。


 そしてラキアは自分から見た左後ろ側の天井の隅に手を向けた。


 そうすると浮いている石ころはまた別の魔法陣を描き出した。


「そこね! 灼熱玉(メテオ)!」


 ラキアの魔法陣から大きな炎の玉が出てきた後、その弾は手を向けた方向に真っ直ぐに高速で突っ込んでいった。


 衝突時の大きな音が鳴った後、地面にゲイルが居た。


「危ない危ない、危うく食らって死ぬところだったぜ」


 当たった場所は高熱で融解し煙を上げていた。


「私達が来るまでずっとあの場所に居たのかしら?」


 ラキアはゲイルを睨んできた。


 その目には怒りの炎が宿っていた。


 不意を突いてきたことに怒っているようにも感じられた。


「その通りだ。お前達が来るまで部屋の天井で待機していた」


「なぜそんなことを!?」


「なぜって・・・、不意を突けるからに決まっているだろ」


「不意を衝く必要があるなら、なぜ和平交渉の話をしたのですか!」


「念には念を入れただけだ。結果的には交渉は決裂したし、話にもならなかっただろう」


 ラキアは俺の言葉に反論ができず言葉を詰まらせた。


「それにしてもすごい力だな。その杖は」


 俺に反論されて落ち込んでいたラキアは水を得た魚のように意気揚々と話し始めた。


「これが異界の魔女エカルド・ジェンドが使いし石杖の力ですわ」


「それがこの世界の人族のみが使える武器に秘められし力を引き出す技か」


「その通りですわ。我々人族にのみ与えられた特別な力。その名も武神の加護ですわ」


「武神の加護・・・だと?」


「世界を作りし六神の一人、武神ヴァルトハルト様が非力な人族にこの世界を犯せし邪悪な者達から守る力を与えてくださったのですわ」


「その力がなければそんなに人族は非力なのか?」


「あなた達の世界にいた人族は知りませんが、この世界では人族は様々な危機に直面しながら今も生き抜いているのですわ」


「危機だと?」


「そうですわ。一つはあなた達魔族の進行、そしてもう一つはこの世界にいる脅威、魔獣との戦い。この二つの危機を乗り越えるために武神様がわたし達に力を与えてくださったのですわ」


「俺が神だったら、手を取り合ってもっと仲良くしろとか言うんだがな」


「神を語るなど言語道断。極刑に値しますわ」


 ラキアが手を前に出し魔法陣を組もうとした時、その横を高速で勇者が横切った。


「魔王!」


 勇者は剣を大きく振りかぶり一刀両断しようとしてきた。


「殺気が出すぎてるな。そんな見え見えの攻撃当たるわけないんだよ」


 ゲイルは勇者の剣を後ろに大きく飛び、距離を取りながら回避した。

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