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22-2.ダース・バックス将軍戦

前回のあらすじ

 カイはダース・バックス将軍と相対することになった

 カイは将軍に勝てる事が出来るのか・・・?

「じゃあ次はこっちから行かせてもらうよ!」


 僕はダース・バックス将軍に詰め寄り力一杯大きく振りかぶって渾身の一撃を食らわせてやった。


 だがダース・バックス将軍はそれを両手の曲剣を重ね合わせて防いだ。


「ぬう! やるではないか! これほど一撃が重い剣を受けたのは久々だ!」


 僕の渾身の一撃を防がれたか。


 でもダース・バックス将軍の能力は発動してない。


 つまり今の条件では能力は発動できないという事か。


「君の能力、剣を振る事が発動条件みたいだね」


「それがわかった所でどうするというのだ? 互いに斬りあっているのだから俺の能力、幻影牙(ミラージュバイト)を止めることはできんぞ」


「止めるのは簡単だよ。君が剣を振り斬る前に僕が先に攻撃すればいい。そうすれば君は防御せざるおえないでしょ?」


「言うのは簡単だ。理想をそう簡単に実現できると思うなよ!」


 ダース・バックス将軍は僕を弾き飛ばして再び詰め寄り振りかぶって斬ろうとした。


 だが僕はその瞬間ダース・バックス将軍が僕を斬るより早く横へ薙ぎ払った。


 ダース・バックス将軍は思わず防御に回った。


「まだぁ!」


 ダース・バックス将軍は僕の剣を横にいなし背中を見せた僕に向かって体を一回転させながら横に薙ぎ払おうとした。


 だが、僕はすぐに態勢を整えるとダース・バックス将軍の喉元に向かって剣を突き刺そうとした。


 だが、ダース・バックス将軍はとっさに後ろに下がりつつ曲剣で防御したため僕の攻撃は当たることは無かった。


「どうかな? 割と実現できていると思うんだけど・・・?」


「その力量と度胸、並大抵の戦闘では得られるわけがない。・・・その歳でどうやって手に入れた?」


「魔獣と毎日戦ってたら身に付くよ。特に僕の異世界武器(ユニークウェポン)は工夫しないと使えないからね」


「お前の異世界武器(ユニークウェポン)の力はいつ見せてくれるんだ?」


「次で見せるさ」


 大体ダース・バックス将軍の能力と力量はわかったし決めれるはず・・・。


 僕は剣を鞘に納めて抜剣の構えを取った。


「それは楽しみだ!」


 僕とダース・バックス将軍の間の空間が静寂に包まれた。


 その静けさは周りの戦っている兵士達を魅了していき、とうとうその周りでは誰も戦う事は無くなった。


 戦場ではありえない静けさが周りを包み込んだ。


 誰もが息をのみどちらが先に動くのか目を凝らしていた。


 そんな時先に動いたのはカイだった。


 カイは地面を軽く蹴りダース・バックス将軍へ近づいた。


「正面から来るか! だが今度は防がないぞ! 俺が死ぬ前にお前を切り裂いてくれる!」


 ダース・バックス将軍は僕の動きに合わせて振り上げた。


 その瞬間僕は踏み出した二歩目の足に力を込めてダース・バックス将軍の想定の範囲を超える速さで詰め寄った。


「速いっ!」


 僕は剣を納めた鞘をダース・バックス将軍の目の前まで近づけた。


 そして鞘から剣を少し抜いた。


「幻影剣レプティカルバロメント・武技解放(ヴァリアント)


 僕の剣が紫色に発光した。


 周りから見るとただの目くらましにしか見えなかった。


「目くらましか! その程度で俺が怯むか!」


 ダース・バックス将軍は振り上げた剣を地面に叩きつけるように振り下ろした。


 ダース・バックス将軍は光のせいで目を開けることが出来なかったが敵は目の前、振り下ろした剣が当たっていないことは無いだろうと勝った気になっていた。


 そして目を開けるとそこには何もない黒い空間が広がっていた。


「な、なんだこの空間は・・・? いや、それどころか何も聞こえない!」


「幻影剣レプティカルバロメントは相手に光を当てれば相手の五感全てを狂わせる事が出来る一撃必殺の能力を持つんだけど、光の効果範囲は狭いし、目を瞑るだけでも防がれるからなお使い勝手が悪いんだよね。・・・って聞こえないだろうけど」


 ダース・バックス将軍は適当に剣を振りまわしていた。


 その剣が敵に当たろうが味方に当たろうが関係なしだった。


 何も見えていないのだから。


「クソ! どこだ! ここか!」


「皆さん下がってくださいね。五感はすべて奪ったけど動けはするから適当に振った剣が当たるとかあるからね」


「どこだ!!!!」


「ここだよ」


 暴れまわるダース・バックス将軍が背中を見せた瞬間、僕はダース・バックス将軍の心臓に剣で一突きにした。


 ダース・バックス将軍は血を吐きながら胸を押さえながら跪いていた。


「幻影剣レプティカルバロメントの能力には痛覚を倍増させる効果もあるんだ。だから常人なら痛みで立つこともままならないんだ」


 ダース・バックス将軍は痛みに悶えながらも何度も立ち上がろうとしたが失敗した。


「痛いよね。今楽にしてあげるよ」


 僕は剣を振り上げてダース・バックス将軍の首めがけて剣を振り下ろした。


 剣が首に当たるその瞬間、ダース・バックス将軍は後ろに大きく飛び僕の剣をかわした。


「その傷でまだ動けるの!?」


「はあ、はあ、はあ。なめるなよ小僧! 俺はルーエンブル領の将軍だ。そう簡単に倒れていい立場じゃない!」


 そう言った後ダース・バックス将軍は四つ足で獣のように素早くどこかに去っていった。


「あんな傷でどこに行くんだろう?」


「カイ! あいつを追いなさい!」


「別に追わなくてもあの傷ならそう長くは持ちませんよ。それよりここで時間を稼ぐ方が重要だと思います」


「違うの! あいつの狙いは東門よ!」


 ダース・バックス将軍が向かった方向は、東門。


 でも何も見えていないし聞こえないはず・・・。


 どうやって?


「東門・・・? まさかあの傷であの鋼鉄の扉を閉める気ですか!?」


「速くいきなさい!」


 僕がダース・バックス将軍を追うため東門に向かおうとした時、ルーエンブル領の兵士が僕の行く先を防いだ。


「バックス将軍を援護しろ!」


「ここは誰も通さん! バックス将軍の意志を無駄にするな!」


「くっ・・・! 敵が多すぎて追えない」


 ルーエンブル領の兵士達が僕達の進行を止めている頃、ダース・バックス将軍は東門に辿り着いていた。


 十年間歩き続けたルーエンブル領はダース・バックス将軍にとっては庭みたいなものだ。


 だから目を隠していてもどこに何があるかはすぐにわかったのだ。


 ダース・バックス将軍はその一トンはある鉄の大扉を血を吐き出しながら閉め切った。


「カイ・シェールストーン、お前との闘いは俺の負けだ。だが、この戦は勝たせてもらうぞ。領主さえ生き残れば俺達に負けは無い。・・・クライス、お前の仇は取れんかった。それどころか返り討ちにあう始末だ。・・・だが良い土産話が出来たな。クライス、俺より先にそっちに行ったんだ、良い酒ぐらい用意しとけよ・・・」


 ダース・バックス将軍はすべてをやり切った後、静かにその場で倒れその生涯を終えた。

そう言えば今日はポッキーの日ですね

でも私はトッポ派なので複雑な気分です・・・

トッポの日に変えても良いんじゃない?

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