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17-2.クライス・ディベルト将軍戦

前回のあらすじ

 クライス・ディベルト将軍は根源憑依エンゲージジェネレートを使った

 その絶対の盾と最強の貫通力にゲイルは驚いた

 そしてクライスはゲイルになぜリーネ達と一緒に戦うのかを問うのであった

「確かにこの国は腐っています。でもクーデターという方法は間違っています! そんなやり方では復讐の連鎖が始まるだけでしょう!」


「だったら将軍のお前ならどうするんだ?」


「私だったら将軍の地位を利用し内側からこの国を変えてみせます!」


「お前は将軍になって何年目だ?」


「何を言って・・・」


「俺はこの国の将軍になって何年目だと聞いているんだ」


「十年です」


「その十年でお前はこの国を変えるために何をやってきた? 成果は出たのか?」


「成果はまだ出てません。でも、それはこの十年目に動くための布石です。成果はこれから出るのです」


「なぜ十年間動かなかった? それだけあればルーエンブル領ぐらいは変えれたはずだ!」


「予言王の言葉です。十年後に希望が現れると、そう言ったからです」


「またそれか・・・。死人の言葉に惑わされすぎだ。そんなんだから行動が遅れるんだ! もう遅いぞ! 平民達がクーデターを計画した時点でお前の計画は破綻している!」


「黙りなさい! これから変えればいいんです! その邪魔をするというならここで死んでもらいます!」


「ああ、いいぜ。邪魔してやるよ。お前を殺して俺達のやり方で世界を変えてやる」


「世迷言を!」


 クライス将軍が止まった。


 ここが勝機だ!


「見せてやるよ。これが対お前用の魔法だ! 大地槍(アーススピア)


 俺は地面で作った円錐状の槍の先端をクライス将軍に向けた。


 この大地槍(アーススピア)は魔法の込める量を多くすればするほど硬さを増す。


 代わりに俺は動けないがな。


 俺はその場で地面に手を当てて大地槍(アーススピア)に魔力を送り続ける。


「それごと貫いてみせる!」


 クライス将軍がこちらに向かって突進した。


 そして俺の槍がクライス将軍の鎧に先にたどり着いた。


 このまま俺の槍がクライス将軍の鎧を貫くことが出来れば俺の勝ちだ。


 鎧は俺の槍によって凹み始めた。


 だが、鎧を貫く前に俺の槍の先端が折れた。


 くっ・・・ここまでか・・・。


 俺は完全に諦めていた。


 このまま貫かれて終わりだろうな。


 すまんなリーネ。


 お前の命令守れなかった。



 クライス将軍の槍が俺に向かってくる。


 このコンマ数秒がとても長く感じた。


 これが死を認識した瞬間か・・・。


 戦いの中で死ねるならそれも本望だな。


 クライス将軍の槍は俺の頬を掠めただけで終わった。



 ・・・なぜ俺は生きているんだ?


 クライス将軍の通った後を見ると俺の槍が当たった所から不自然に曲がった後があった。


 これは・・・。


「怖気づいたなクライス将軍! 俺を殺せる唯一のチャンスを逃したお前にもう勝機はないぞ!」


「あなたには私を殺せる勝機があるんですか?」


「あるさ。それにその武器が泣いているぞ。肝心な時に怖気づいた主人にな!」


「次はもう止まりません。あなたを貫くまでは!」


「俺も次で最後にしようと思っていた所だ」


「これで終わりです!」


「ああ、終わりだな」


 クライス将軍は再びこちらに向かって突進してきた。


 さっきよりも早いな。


 だがそんなもの関係ないな。


 俺はさっきこっそり地面に埋めた爆弾をクライス将軍の前で爆発させた。


「こんな物効きませんよ」


 周りには砂塵が舞い。


 どこに誰が居るのかわからない状態だった。


 だが俺の位置もクライス将軍の突進してくる方向も変わらない。


「これはただの目絡ませだ。大地槍(アーススピア)


 これはさっきと同じ魔法だ。


 だが今度の魔力を一度に送る量は俺が送れる最大出力だ。


 さっきは俺が無意識に加減をしていた。


 いや俺はあいつをなめていたのかもしれないな。


 だからこそこれぐらいでいいだろうとそう思っていたのだろう。


 ああ、認めるよ。クライス将軍、お前は強い。


 だからこそお前はここで死んでもらわないと困る。


 今度の槍はさっきよりも硬いぞ!



 ゲイルとクライス将軍の間で舞っていた砂塵が晴れた。


 そこにはゲイルの大地槍(アーススピア)によって胸を貫かれていたクライス将軍とあと一歩で貫かれそうになっていたゲイルの姿があった。


 その激闘は誰も見ることはできなかったが間違いなく最高の戦いだった。


「そういえば矛盾の問答は俺の正解だったみたいだな」


 ゲイルは立ち上がってアジトにゆっくりと向かっていった。

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