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16-5.クライス・ディベルト軍との戦い

前回のあらすじ

 ゲイルの居場所がクライス・ディベルト将軍に見つかりカイの援護が出来なくなった

 カイは三人組のジラスを倒して残りはグラスだけの状況にした

 だが、グラスの異世界の武器(ユニークウェポン)には真の姿が存在した

 その力にカイは勝てる事が出来るのか・・・?

「でも僕には力技では勝てないよ」


「それはどうかな」


 グラスは大剣で力一杯の横なぎをしてきた。


 それをカイは伏せて避けた。


「そんな大振り当たるわけないでしょ!」


 カイはグラスの懐に入り心臓に向かって突きをした。


 だが、剣がグラスの心臓を貫くことは無かった。


「か、硬い」


 カイの剣はグラスの皮膚を貫いただけで筋肉は貫くことはできなかった。


 まるで岩壁を相手にしているようだった。


「なんで弟達の時は簡単に剣で斬れたのに今は切れないんだっている顔だな」


「素直に教えてくれるのかい?」


「ああ、教えてやろう。どうせお前には俺を斬ることはできないからな。弟達には俺に足りない能力を補うようにその身体能力を上げてもらっていたからだ。バラスは器用さ。ジラスは速さの能力を徹底的に上げてもらっていたのさ」


「だから防御能力が上がっていなかったから簡単に斬れたっていう事ね」


「どうだ絶望したか?」


「いいや。それを聞いて安心したよ」


「何?」


「今のあんたには今までの器用さ、速さは無いってことになる。つまり僕に攻撃を当てることがとても難しくなったってわけだ」


「だが当たれば致命傷ではすまないぞ!」


「当たらなければどうという事では無いさ」


「ほざいてろ! それに避けるだけでは俺は倒せないぞ!」


「わかっているさ」


 カイはグラスの剣を容易く避けグラスの皮一枚だけでもいいから斬っていた。


「な!?」


「あんたの攻撃は大振りで大雑把すぎるんだ。それを避けた後のあんたの隙は大きいのさ。僕はその隙に攻撃するだけ」


 カイはグラスの剣を避けては斬ってを繰り返す。


「だがお前の攻撃に致命打は無い。このままいけばお前が疲れたその瞬間に攻撃を当てて俺の勝ちだ」


「それは違うよ。確かに僕の攻撃ではあんたの皮膚を斬るぐらいが精々。でもね傷というものは蓄積していくものなのさ。出血という形でね」


「何を言って・・・なんだ今、目の前が朦朧として」


 グラスの体勢が一瞬だが崩れた。


「血の流しすぎさ。僕も昔魔獣相手に血を流しすぎて立てなくなったことがあったんだ。その時は近くに仲間が居たから生きていたけど今のあんたにそれを支えてくれる仲間が居るのかな?」


 グラスは余裕で話すカイに向かって剣を叩きつけるように振り下ろした。


「見えた! ここで終わりだ!」


 カイは身を半分逸らしグラスの剣をギリギリで躱した。


「ダメだよ。力を入れちゃあ余計に血が出てすぐに立てなくなるよ」


 グラスはカイの言葉にすら反応しなくなった。


 血を流しすぎて判断能力がもう残っていないのだろう。


「決着の時は近いね。こんな戦い方は地味だと思うけどこれも手段の内の一つだからね。悪く思わないでね」


 グラスは血を流しすぎて痙攣を始めた。そしてその手から剣が放れた。


「これで終わりだよ」


 剣を放したグラスの体を貫くのは簡単だった。


「ゲイルの方は大丈夫かな」


 そのゲイルはというとクライス将軍を相手にしていたがどちらも攻めあぐねていた。


 ゲイルはクライス将軍に魔法を放っていたがクライス将軍の大盾の前に何もできないようだった。


 そのクライス将軍も魔法を防ぐのに手一杯で動くこともできていなかった。


「ゲイル! 手伝うよ!」


「要らねえな。それよりもリーネの所に向かってくれ。あの人数差はさすがにきついはずだ」


「何を言っているのでしょうか。ここの陣地にもそれなりの人数は居ますよ」


「いいや。もう居ないさ。そうだろうバレッタ!」


 そう俺が言うとバレッタは血の付いた細い剣を持って現れた。


「はい。もうここには将軍お一人しかおりません。すべて私が排除しましたので」


「バレッタもリーネの所に向かってくれ」


「言われなくてもそのつもりです。カイ・シェールストーン何をしているのですか? 行きますよ」


「さっさと行け」


「・・・わかったよ。死なないでねゲイル」


 カイとバレッタはそのままアジトに向かっていった。

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