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16-3.クライス・ディベルト軍との戦い

前回のあらすじ

 カイは敵陣からトイレを借りる事を成功させた

 そして戻ってきたカイは敵兵に向かって自分は敵だと宣言するのであった

「だったらお前は何者なんだよ?」


「そんなの一つしかないだろ。俺はお前達に歯向かう反逆者の一味だ! ・・・て言っちゃうの!?」


 カイは俺の言葉を言っておきながらとても驚いていた。


 敵を引き付けるんだったら自分が敵だと言うのが一番手っ取り早い。


 そうなればどんな過程をたどろうと戦闘は必ず起きるからな。


「ハッハッハ、そいつはおもしれえ冗談だ。ここはクライス将軍率いる軍の本拠地だぞ。それをだ・・・たった一人で来るなんてただの大バカ者だぞ!」


(これで注意がカイに引き付けられた。後は適当に返事してそいつらを始末しといてくれ。一応援護はするから安心しろ)


「確かに隊の皆にバカだと言われることはあるよ。でもね、今回は真面目さ。それに君達ぐらいだったら僕一人でも十分なんだよ」


「ほう。この世界にまだそんなバカが残っていたとは。ハッハッハ、気に入った。反逆者なんかやめてこっちに来ないか?」


「生憎だけどこの国に尽くせるほどのクズじゃないんでね。遠慮しとくよ」


「そうか。だったらここで死んでもらうぞ!」


「はい、お前死んだ~」


「敵アジトに進軍したとはいえここには五十人は居るんだぞ。それに将軍だっているんだ。勝てるわけないよキミ~」


「それは試してみないとわからないと思うな」


「戯言を・・・。お前らやるぞ!」


「わかりやした兄貴!」


「どんなに相手が弱くても全力を持って叩き潰す。それが我ら三兄弟!」


 グラス達は剣を上に掲げ剣先を合わせていた。


「「「三位一体トライウェンド・武技解放(ヴァリアント)!」」」


 グラス達の剣の色が鉄のような灰色から美しく輝く赤色に変わった。


「死にゆくお前にこの力を教えてやろう!」


 グラスがカイに余裕を見せていた。


「この力は・・・なんだっけ?」


 ジラスが能力を言おうとするもド忘れして言えなかった。


「三位一体トライウェンドはそれぞれの持ち主に他の持ち主の身体能力を上乗せする力を持つ武器だ」


 ジラスが言えなかった能力をバラスが言ってくれた。


「つまりお前が戦うのは三人ではなく実質九人という事だ」


「でも人数は増えてないんでしょ。だったら僕には関係ないさ。身体能力だけで戦いの決着がつくと思わない方がいいよ」


「それはこの剣を受けてから行ってみろ!」


 グラスが巨体に似合わない速さでカイに近づき剣を振り下ろそうとしたその時、上空から炎の矢が飛んできた。


 グラスはとっさにその攻撃を後ろに下がって避けた。


「これは・・・魔法だと!?」


 予想外の攻撃を避けるという事はとっさに出た本能による判断だ。


 戦いの染みついた戦士ならば慌てず冷静に避けていただろう。


 だがグラスはそうではない。


 だから避け方が雑になってしまう。


「隙だらけだよ」


 その隙を逃さずカイがグラスに切りかかろうとした。


「グラス兄貴!」


 だがカイの剣はジラスによって阻まれた。


「助かったぜジラス。お前ら気をつけろよ。あいつは異世界の武器所持者(ユニークホルダー)だ。魔法を使ってくるぞ」


「わかりやしたグラス兄貴」


「了解した兄貴」


 三兄弟の攻撃はすさまじく、コンビネーションも完璧だ。


 一人は囮役に、一人は攻撃役、一人は追撃役と全ての行動に役割がしっかりしていて並みの兵士ではすぐにやられていただろう。


 だがカイへの攻撃の瞬間に俺が魔法を挟むことによってコンビネーションの軸がずれ、ちょっとづつ隙が生まれるようになっていった。


「グラス兄貴。あの魔法がとても厄介で攻撃があいつに通らないよ」


「わかっている! あの魔法さえどうにか食らわずに攻撃できれば・・・」


「兄貴。俺に考えがあります」


 バラスがグラスに耳打ちしていた。グラスはニヤリと笑った。


「良いじゃねえか。それで行くぞ!」


「グラス兄貴。俺は何をしたらいい?」


「俺達のやることは変わらねえ。バラスを信じろ!」


「わかったよ」


「相談は終わったのかい?」


 カイは三兄弟が相談を終えるまで何もしないでいた。


 余裕の現れなのか、それとも何かカイなりの考えがあったのかは定かではない。


「おう。待って貰ってもらったようで悪いな。今再開するからよ!」


 そう言ってグラスは剣を振り上げカイに一瞬で近づいた。


 だがグラスが剣を振り下ろすタイミングで火の矢がグラスの真上に現れグラスを襲う。


 グラスは大きく後ろに下がって避けた。


 グラスが避ける動作を行うと同時のタイミングでジラスとバラスがカイを挟むように襲い掛かった。


「「もらった!」」


 グラスもこれは勝ちを確信していた。


 だが、同時に違和感も感じていた。


 カイはこの危機に対して全く動じてないのだ。


 まるで何かを信じて疑わないように。


 ジラスとバラスの攻撃が当たりそうなタイミングでジラスの攻撃に対しては火の矢が飛んできたがバラスに対しては何もなかった。


 バラスは最大の好機と捉え剣を振り下ろした。


 だが、振り下ろした剣が何かの壁に一瞬だが阻まれた。


「魔法障壁だと!? しかもこんな外側に」


 バラスは阻まれたがゆえに何か来るのではないかと警戒した結果、振り下ろそうとした剣を振り上げ後ろに大きく下がろうとした。


 だが人間とっさの出来事の対処にはミスというものがつきものだ。


 当然バラスも例外ではない。


 バラスは大きく後ろに下がりすぎて他の二人のフォローが受けれない場所に孤立した。


「引いちゃあダメだよ。剣は最後まで振り下ろすか、反撃に備えるかしないとこうやって死ぬんだよ」


 カイはバラスに一瞬で近づきバラスの心臓を剣で刺し貫いた。


「バラス!」


「残りは二人だね」

次回の「魔王と亡国の姫が造るキングダムロード」


異世界の武器所持者の三人組と戦う事になったカイ


そのコンビネーション攻撃は完璧だった


その攻撃にどう立ち向かうのか?


更新話 16-4.クライス・ディベルト軍との戦い

           10月14日 更新

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