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13.ルーエンブル領の将軍

前回の「魔王と亡国の姫が造るキングダムロード」

 反政府組織クライアットのクーデター実行を阻止することが出来たリーネ達

 だが、そのクーデターの計画の代償は大きかった

 その代償は一体・・・?

 リーネがクライアットに訪れた次の朝、リーネの言う通り軍がクライアットを襲っていた。


 そしてそこの先頭にはグレーカラーのオールバックで鎧の肩の部分に狼と人間の顔が描かれた紋章が特徴的な歴戦のある屈強な男が立っていた。


 その男は平気で女、子供を切っていた。


「双牙の狂犬・ダース・バックス将軍に牙を向ける愚か者は居ないのか!」


 バックスは部屋に引きこもっているであろう平民に向かって大声で叫んだ。


 平民達はそれでも動かない。


 まるで確固たる意志を持って動かないかのように。


「ふん! 誰も動かんか。いつもだったらこれぐらいやると二、三人は向かってくるんだがな」


 バックスは平民達の不気味な行動に疑問を抱いていた。


 だが、理由を考えれば考えるほど気色悪い悪寒がしてならない。


 まるで何者かに操られているような気分だ。


 そんな時、兵士の一人がこちらに近づいてきた。


「バックス将軍! ご報告があります!」


「なんだ! こっちは気色の悪さで気分が悪くなってんだ。手短にしろ」


「実は貴族街の住民の一人が貴族章を失くしてしまったので再発行しろと言ってくる者が居まして」


「貴族章を失くしただと! 貴族の風上にも置けない野郎だ。あれがどんな意味を持っているかを知らないから粗末に扱うんだ」


「ですが、それは軍内部での機密事項ですので知らないのは当然かと」


「それくらいわかっとるわ。そんな奴は無視しとけ。それよりもだ。仕事は終わったし今から飲みに行くぞ!」


 バックスは考えるのはやめた。


 だが、戦いが近づいているという事だけは感じていた。


 だからこそ今のうちに飲んでおくのだ。


 戦の前の前祝いだ。


「い、今からですか!?」


「隊の奴全員に伝えろ!」


「で、ですがまだ一定の数は殺し切れてません」


「もういい。今日は何やっても無駄だ。無抵抗の人間を殺したって何の抑圧にもならんよ。・・・たく、つまんねえ。クライスのやろうの作戦にしとくんだった」


「クライス・ディベルト将軍の作戦ですか。確か魔獣の森に住み着いている反国家組織のアジト強襲でしたか」


「ああ、あっちの方が面白そうだ。少なくともこんな人形を殺すよりはな」


「は、はあ」


「あー、そう考えるとイライラしてきた。クライスのやろうに無線入れとけ。作戦終わったら飲み比べで勝負だと」


「わかりました」


「さあ、飲むぞ!」


 そう言ってダース・バックス将軍率いる部隊は平民街から貴族街に戻っていった。


***


 一方そのクライス・ディベルト将軍はというと、魔獣の森の中にある開けた場所に陣取りを済ませていた。


 あとは作戦開始の命令を出すだけの所まで来ていた。


 そんな中ディベルトに無線を伝えるべく一人の兵士がディベルトの居るテントに入り報告をしていた。


「クライス様。バックス将軍より無線の言伝が来ております」


「バックスからですか。何でしょう」


 そこには金髪で腰まである長い髪の美形の男が立っていた。


 このクライスという男は年齢は四十代というのに見た目は二十代前半に見えるほど若く見える。


 そしていつもニコニコしており誰からも頼られるしモテる。


 そんな男の胸には他の盾を円錐状の槍で貫き、他の剣の攻撃は盾で防ぐというような特徴的な紋章が刻み込まれていた。


 そんな男に兵士はバックスの伝言を伝えた。


「作戦が終わったら飲み比べで勝負だ。と」


「全くあの方は、無線はそういった用途で使うものでは無いのですよ。帰ったら説教ですね」


「あのバックス将軍に説教なんてできるのはクライス様ぐらいでしょう」


「まあ、彼とは付き合いが長いからね」


「そんなに長いのですか?」


「将軍職に就いてから十年の付き合いさ。さてそれじゃあこっちものんびりはしてられないね。早く帰らないとバックスに酒場の酒を空にされてしまう」


「はははは。バックス将軍ならやりかねないですね」


「全隊に通達です。作戦開始とね」


「は!!」


「さあ見せてもらおうか。魔獣の森に住み着いている連中の実力をね」

次回の「魔王と亡国の姫が造るキングダムロード」


敵軍にアジトが囲まれていた


こんな失態をリーネが犯すはずがない


問い詰めるゲイルにリーネは答えた


そのわけとは?


更新話 14-1.ルーエンブル領軍に取り囲まれているわけとは・・・?

            10月2日 更新

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