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8-3.いざパラダイスへ・・・と思ったが・・・?

前回の「魔王と亡国の姫が造るキングダムロード」

 虐められる少女の姿が昔の自分と重なってしまい

 つい助けてしまうゲイル


 前方と後方に敵が現れ行く手を阻まれる


 そんな奴らを倒して帰ろうとするゲイルと

 今後面倒になるからと止めるカイ


 面倒事を理解したゲイルは一点突破で逃げようとするのだった

「だったら・・・後ろの雑魚を倒して一点突破で逃げるぞ!」


 俺は女の子を脇に抱え、俺とカイは互いに目を合わせ一斉に後ろの男たちに向かって突進しようとしたその時、その行動を阻止するように大きな聞き覚えのある声がその場に鳴り響いた。


「そこまでよ!」


「誰だ!」


「誰だとは心外ね。この声と姿を忘れたとは言わせないわよ。居候!」


 俺達が突っ込もうとした男の後ろから見覚えのある女が現れた。


 髪は長髪、透き通るようなクリスタルにも似た髪の色を持つ、強い自信に満ち溢れた顔をした奴がそこに居た。


 というかリーネだ。


「リーネ! お前、どうしてこんな所に・・・。いや、野暮だったな。ここに来る目的はみんな一緒だ」


 ここには女だけじゃなく男もいるからな。


 人の趣味はそれぞれだ。


「な、何考えてんのよ! 違うわよ! 私はここに仕事をしに来ただけよ」


 リーネは顔を真っ赤にしながら否定してきた。


 まるで初心な少女のようだった。


「し、仕事だと・・・? まさか、接待する側だったとは。すまない。そこまで詮索するつもりはなかったんだ」


「そ、そういう仕事じゃないわよ! 交渉よ! ここら一体を仕切っているアズーダ商会と交渉をしてきたのよ!」


「こ、交渉・・・。つまり賃金上げをしてきたのか」


「どうしてもその話から変える気が無いようね。いいわ。後でたっぷり話してあげるから」


「いや、そういったプライベートな話はちょっと・・・」


 俺とリーネが言い争っていると、無視され続けた小太りの男が大声を荒げながら怒ってきた。


「おい! いつまで無視してんだゴラァ!!」


「あら、まだ居たの?」


「さあ、やっちゃってくださいアズーダ商会のみなさん」


「で、ゲイル。この状況は何? 状況を説明しなさい」


 俺は状況をリーネに説明した。


 あの男の印象が悪くなるように少し話を盛って話した。


「そう。大体わかったわ。ゲイル、その子をあっちに返す気は無いのね?」


「無いな」


 その言葉を聞いた瞬間リーネは頭に手を当ててため息をついていた。


 面倒ごとを抱えてしまったとかでも思っているのだろうか。


「わかったわよ。・・・ねえそこの店主。この子いくらで買えるか聞いてもいいかしら?」


「あん? ふざけたこと言ってんじゃねえよ!! そいつは売りもんじゃねえ」


「だったら、この子は商品ですらないわ。この子が自分の意思でどこかに行くのだからアズーダ商会の人達も介入できないわよ。商品っていうだったら価格を提示しなさいよ」


「ぐっ・・・! 屁理屈を! ・・・いいだろう。価格を言ってやるよ! 金貨1枚だ! へへへ、お前みたいな小娘にそんな大金持ってねえだろ」


「そう、じゃあこれで買うわ」


 そういってリーネは懐から金色のメダルを取り出し、小太りの男に向かって軽く投げた。


 それを慌てて小太りの男は受け取りメダルをまじまじと見ていた。


「な、何ぃ!? ・・・っ、本物」


「これで文句は無いでしょ? アズーダ商会の皆さんもそれでいいわよね?」


 リーネの言葉を聞いた屈強な男達はどこかに去っていった。


 一人残された小太りの男は慌てふためいていた。


「く、くそ! てめえら、覚えてろよ! 絶対に後悔させてやる!」


 小太りの男は小物のような戯言を吐いた後どこかに去っていった。


「さて、問題も解決したし帰るわよ」


「僕はもう少し遊んで行きたいな〜・・・なんて」


「ちゃんと仕事は終わらせているんでしょうね?」


 リーネは疑いの目をカイに向けていた。


 ただ遊んでいたなんて言ったら殺されそうな目だった。


「も、も、勿論です。流石にそんな真似はしませんよ。ね、ゲイル」


「ああ、確かに頼まれていた物は全部カイが買って馬車に乗せていたぞ」


「そう。なら良いわ・・・と言いたい所だけど、今回は我慢してもらうわ。この子を拠点に連れて行かないといけないし」


「はあ・・・仕方ないですね。また今度来ます」


 カイは悲しそうに肩を落として落ち込んでいた。


 そんなに行きたかったのか。


「後、あなた達の帰りの馬車に私も乗るから」


「リーネ様が乗ってきた馬車はどうするのですか?」


「その馬車なら私が帰った後に別ルートで帰ってもらうわ」


 わざわざ一緒に帰るという事は何かあるという事だろう。


 恐らくあの小太りの男が何かしらしてくると踏んでのこの行動。


 単独で囲まれた時に厄介と判断したか。


 それを察したのかカイはいつも以上に気合を入れていた。


「わかりました。では、全身全霊を持って守りましょう」


「ええ、期待してるわ」

次回の「魔王と亡国の姫が造るキングダムロード」


 虐められていた少女を助け帰路につくゲイル達


 互いに自己紹介をするゲイル一行


 このまま何もなく帰れるのか?


 次回 9-1.危険な帰り道・・・?

          9月10日 更新

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