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6-2.ついに見つけた新しい仕事

前回の「魔王と亡国の姫が造るキングダムロード」

 信頼を取り戻す為に仕事を探したゲイル

 

 そこにやってきた緊急事態

 ようやく自らに合った仕事が出来ると思った

 だが、それはカイに止められてしまう


 カイに置いて行かれ一人悲しく立ち尽くすゲイル


 そんな時にリーネが現れた

 リーネに暇だったら護衛をしろと言われ

 仕方が無く護衛をする事にしたのであった

 リーネ歩くスピードは速く、見失いそうになるもようやくリーネの所にたどり着いた。


 周りは森に囲まれていてどっちの方向に進んでいるかわからないぐらい森は深く暗かった。


 だが、リーネは迷わず進む。


 まるで行く方向がわかっているかのように。


 リーネは俺が近くにいるのを目で確認すると唐突に話しかけてきた。


「ゲイル。この森がなんて呼ばれているか知っているかしら?」


「いや? 知らないな」


「そう、この世界の事を何も知らないのね」


 リーネは右手を顎の下に持っていき少しの間考えていた。


「それがどうしたんだよ」


「何でもないわ。こっちの話。まずこの森は世間一般では魔獣の森と呼ばれ恐れられているの」


「そんなの名前が独り歩きしてるだけなんじゃないのか」


「実際にこの森に入った王国軍騎士隊は魔獣に襲われ帰ってくることは無かったわ。まあつまりこの森に足を踏み入れたが最後、帰ってくることは無いということよ」


「でもそういう森って一部だけだろ?」


「そういうわけではないの。この森は今の国、ダリウス王国を囲むようにあふれているの。それにその現状を何とかする気のない国は現状維持にかまけて国民を食い物にしている。この国は腐っているわ」


「森についてはわかったが、なんで俺をこんなところに連れてきたんだ? ・・・まさか森で俺を殺して殺人の証拠でも消そうっていうのか?」


 俺は右手を腰にあるホルスター付近に移動させ、臨戦態勢を整えた。


 そっちがその気なら俺も容赦はしない。


 例え女であろうと俺の命を脅かすつもりなら殺す。


「何を勘違いしているのか知らないけど。あなたをここで殺しても何の得もないわ」


「なるほど俺を生きたままダリウス王国に差し出すのが目的なんだな」


「それもないわ。絶対にありえない!」


「ではなぜ俺をここに連れてきた!」


 リーネは剣を抜き唐突に俺の左頬のすぐ横を突き刺した。


 剣を抜いた音までは認識できたがその後は一瞬の出来事だった。


 全く反応が出来なかった。


 こいつが殺すつもりだった場合、俺は既に死んでいただろう。


 リーネが突き刺した剣を引き抜くとその剣先から蛇が落ちてきた。


 俺はここでリーネが俺を守ろうとしてくれたことに気が付いた。


 だが、疑問は残る。


 人族の王に敵対した男を殺すか引き渡すかしない理由がわからない。


 その疑問が解消しない限りこいつを信用することはできない。


「言ってるでしょ。私の護衛。・・・何? そんなに不満なのかしら?」


 リーネは再び歩き始める。


「本当にそれだけか?」


「そうよ。それ以外にあるとすれば、あなたの実力を確かめることかしら」


「実力? そんなもの今確かめさせてもいいんだぜ」


 さっきは不意を突かれて反応が出来なかったが今回はそうはいかない。


 俺は目の前の女に集中する。


 彼女の行動を見逃さないためだ。


「そう。じゃあ見せてもらおうかしら。・・・着いたわ」


 リーネが向かっていたのはカイが向かった魔獣の居る場所だった。


 周りには負傷した兵士達が倒れており、ぎりぎり生きている状態だ。


 そして目の前には熊型の大きな魔獣だった。


 毛は黒く、目が赤く光っており物凄い殺気を放っていた。


 その熊型の魔獣と対峙しているのは応援に呼ばれたカイだった。


 近くに居た負傷した兵士が俺達の存在に気が付いて話しかけてきた。


「リーネ様・・・? なぜここに来られたのですか!? 相手は魔獣。人とはわけが違います! 今はお引きください!」


「満身創痍の状態でよく言うわね。大丈夫。今回は最強の助っ人を護衛に着けてきたから安心よ」


「ゲイル・リバスター。・・・無理です。こんな素性のわからない奴を頼るのは!」


「彼はダリウス王国の勇者を打ち破り、魔王城から逃げ切れるほどの実力を持った魔王よ。これ以上に頼りになる助っ人はこの世には存在しないわ」


「あれだけ疑ってたのに信じてくれたのか」


「調べたからよ。でも、報告を聞いた時は報告を疑ったわ」


「で、書面だけでは信じきれないからここで実力を見せろと。そういう事だな?」


「そういう事よ。簡単でしょ?」


「ああ、勇者より弱い奴なんて相手にすらならないな」


 俺とリーネが話していると、その話声が聞こえたのかカイが熊型の魔獣の振り下ろされた手を剣で支えながらをこちらを向いた。


「ゲイル!? なんでここに来たの? それにリーネ様まで・・・。そんなに君達は死にたいのかい!?」


 魔獣の振り下ろされた手には相当な力が入っているはずなのだが、カイは余裕そうに支えていた。


 相当案外余裕そうだな。


 このままあいつに任せておいても良いんじゃね。


 だが、リーネに実力を見せるって言っちまったからな。


 やるしかないか。


「まあまあ、あんまり騒ぐな、カイ。後は俺に任せておけ。あんな弱そうな奴なんて一瞬だ」

次回の「魔王と亡国の姫が造るキングダムロード」


ゲイル達の前に立ちはだかる黒き魔獣


 力を見せるゲイル

そこに現れる二体目の魔獣


リーネが剣を抜きその魔獣に立ち向う!?


次回 6-3.ついに見つけた新しい仕事

           8月29日 更新

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