表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/50

010 ☆いざ、決戦!?☆

 「起きて、フェアルさん」


 私は揺り起こされて目を覚ました。目を開けて飛び込んで来たのは、リーさんの顔だった!


 「………!」


 そうだった! 昨日あれから色々やって寝るのが遅くなって。でも眠れなくて……きっと一時間ぐらいしか寝ていない。


 「君って神経図太いね。ぐっすり寝れるなんて羨ましい」


 「………」


 うん。一時間ぐらいぐっすりね!

 って、言うか図太くないと、この作戦出来ませんから!


 心臓の音が高まって行く中、身支度をして宿の外に出た。

 そこには、ヌティーナさんが待っていた。


 「「おはようございます」」


 「おはよう」


 私達は声を揃え、挨拶をする。

 今日はヌティーナさんは機嫌が良さそう。

 ニヤニヤしている……。


 「そう言えばあなた、鑑定師なんですってね」


 「ちょっ……」


 ヌティーナさんはそう言って、スッとリーさんの眼鏡を取り上げた!


 「あら、眼鏡外すと意外と面構えいいじゃい」


 人差し指でリーさんの顎をクイッと上げ、にっこりと言った。そして暫くそのまま、ニヤニヤとしてリーさんの顔を見つめる。

 これ絶対わかってやっているよね!?


 「………」


 「褒めたんだからお礼ぐらい言ったら?」


 「知っていてやってますよね? 眼鏡返して下さい」


 キッとリーさんは、ヌティーナさんを睨み付け言った。

 ムッとしてヌティーナさんは、顎から指を放す。


 「あら怖い。やっぱり眼鏡はいるわね。ないと目つき悪すぎだわ」


 そう言いつつリーさんの顔に、眼鏡を返した。


 「う……」


 その途端リーさんは、崩れる様にしゃがみ込む。

 きっと頭痛とかで気分が悪くなったんだ!


 「リーさん、大丈夫!?」


 「たかが数分でそれ? だから魔力6あっても王宮に入れなかったのよ! 使い物にならないものね?」


 「そんなに王宮の人って偉いの!? わかっていてやるなんて酷いじゃない!」


 つい私は、ヌティーナさんに返した。


 「小娘が盾突くんじゃないわよ!」


 「何ですって!」


 「フェアルさん! いいから! 大丈夫だから!」


 リーさんはそう言って、スクッと立ち上がる。


 「……でも、そこまで言うのならフェアルさんの鑑定、ヌティーナさんが行って下さいよ。俺に見せつけて下さいよ、職業鑑定を!」


 って、リーさんが挑発してるんですけど! 大丈夫なの?


 「そうね。やりましょうって言いたいけど、私が決められる事じゃないからね。来たわよ。さっさと乗って! 出発よ!」


 馬車が到着し、私達は王都に向けて出発した。

 今回は襲われる事無く午後に無事、王都に着き王宮の中へ案内された。


 まさか王宮に連れて行かれるとは思わなかった。チラッとリーさんを見ると、大丈夫と頷いた。

 ここまできたらやるしかない!




 △▽△▽△▽△▽△▽ △▽△▽△▽△▽△▽




 私は王宮内にある鑑定の間の魔法陣に立たされた。

 ここに居るのは、白い衣装に身を包んだ四代表の一人、ハシントさん。四十代ぐらいの渋いおじさま。王宮内を仕切っているらしい。碧い髪と瞳が衣装に合っていてカッコいい!

 でも四十代って、父さんと一緒なんだよね……。


 そして後二人、私以外にいた。一緒に来たリーさんとヌティーナさん。

 着いた時にヌティーナさんでと言うと、あっさりOKをくれた。誰でもいいんだ。出来る人なら……。


 「では、ヌティーナ。宜しく頼む」


 「はい!」


 ハシントさんに言われ頷いて、私の前にヌティーナさんが立つ。


 「では、始めます!」


 これで運命が決まる!

 私は目を瞑った。

 感じる。手に握ったカードが反応しているのが……。一先ず成功している様子。


 「どうだ? ヌティーナ」


 「……はい。もう少しお待ちを」


 またカードが反応している。今のところ大丈夫そう。


 「ヌティーナ?」


 しびれを切らしたように、ハシントさんが名を呼んだ。


 「……申し訳ありません。読めません!」


 「読めないだと?」


 眉間に皺を寄せハシントさんは呟くと、リーさんに振り向く。


 「リー、君には読めたのだな?」


 「はい。ですが、魔力までです」


 「確かに7だったのか? 君は確か6だったな」


 「はい……」


 頷きリーさんは返事を返した。


 「よし、わかった。カードをここに!」


 「何をなさるのですか?」


 ハシントさんの言葉にリーさんが聞く。


 「カード師も鑑定の能力があると聞いている。魔力が7もあるのだ。余裕で鑑定できるだろう」


 「自分自身でさせるという事ですか?」


 「そうだ」


 リーさんの質問に、ハシントさんは頷いた。

 暫くするとカードが数枚、ハシントさんの手元に届く。


 「では、お願いしよう」


 そう言ってハシントさんは、カードを私に手渡す。私は震える手でそれを受け取った。

 私は唾をごくりと飲み込む。

 緊張から呼吸が苦しい。


 「大丈夫。君になら出来る」


 リーさんを見ると、力強く頷いた。

 そうね。やって見せるわ!


 「いきます!」


 私は右手でカードを持ち、左手をギュッと握り胸に当てた。

 スッと文字が浮かび上がる。


――――――――――――

 名前;フェアル

 職業:カード師

 熟練度:54

 性別:女性

 種族:人間

 年齢:16

 魔力:7

 HP:150/150

 魔力:99/100

 攻撃力:22

 防御力:35

 持久力:100

――――――――――――


――――――――――――

 魔法:―

 スキル:カード転写レ

 ベルMAX/文字サイ

 ズ固定









――――――――――――


 「できた!」


 「成功だね!」


 私が喜ぶと、リーさんも小さくガッツポーズをする。


 「………」


 だけど、ハシントさんは難しい顔つき。

 そりゃそうでしょうねぇ。期待ハズレもいいところ。だってスキルはカード転写しかないのだから。レベルがMAXだとしても納得はいかないかも。


 「ひとつ聞くが、これで精一杯か? この続きは無理か?」


 「続きと申しますと?」


 私は知らないフリをして聞く。

 属性と加護は書きだせないかと聞いてるのだと思うけどとぼける。


 チラッと、ハシントさんがヌティーナさんを睨み付ける。

 このステータスで、職業が読めない訳がないからね。


 ヌティーナさんは、ビクッと肩を震わす。


 「ヌティーナ、君は本当に見えなかったのか?」


 「……はい」


 俯き消え去りそうな声で答えた。

 ちょっとかわいそうな気もするけど、自業自得よ! 思い知ったか!


 「そうか。職業鑑定はこれにて終了にする。三人とも待機しているように」


 私とリーさんは、ふうっと胸を撫で下ろす。

 後は王宮入りにならない事を祈るだけ。

 リーさんは、魔力6だったけどスキルなどの関係で入れなかった。その事を踏まえると、私も入れない確率がある!

 私達は応接室で、結果を待った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ