オレオ
『なぁなぁ知ってるか? オレオがなくなるんだってよ』
「無くなんねえよニワカ。中国産になるだけだよ」
『いやいや、日本のオレオはナビスコが日本向けに相当アレンジしたらしいからな。実質無くなるようなもんだろ』
オレオ。
ココア風味のクッキーでクリームを挟んだそのお菓子は、一般人には良く分からない利権の関係で今までとは違うものに変わるらしい。
子供の頃は高級品のイメージがあったが、社会人となった今となってはそれほど高いお菓子ではなくなった。まあ、今はカロリーが気になる方向で手軽に食べるお菓子ではないのだが。
『でさ、俺は今からナビスコオレオを10個ほど買い溜めしておくことにしたんだ』
「中国産だってそこそこ美味いってネットに書いてあったけど。そもそも海外のお菓子だし、あっちが本物じゃないの?」
『馬っ鹿、日本人が日本人向けに作ったヤツが本物だろ』
そう言ってエア友人のユウ君は、買い物カゴにナビスコ製のオレオを詰めていく。
――まあ要するに、私がこの手で買い物カゴに入れている訳だが。
日本人は‘本物’に弱い。
馬鹿みたいに馬鹿高いiPhoneを愛し続けているのも日本人位だとテレビで言っていた。その結果アップル社も日本向けモデルを作ったらしい。
私も使っているのはiPhoneで、今はiPadでこの駄文を書いている。
これは私がヒラギノ角ゴが好きだという理由もある。ヒラギノだと他のフォントよりも何故か筆が進むのだ。これで全角スペースや半角カナが直打ちできれば文句なしなので、おサイフ機能よりもそっちの機能が欲しかった。
それはさて置き、フォントがヒラギノじゃなかったとしても、やっぱり私はiPhoneを選ぶのだろう。本当は日本のために、日本製の携帯を買うべきなのだろうけれど。
私には妄想の友達しかいないのだから、せめてお菓子とスマホくらいは本物を求めたところで罰は当たるまい。
ちなみに新旧食べ比べてみたけど、新しいのも美味しかったです(笑)