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「私は、何て間違いを犯してしまったんだろう……」

 嗚咽まじりの詩織さんの声が私の耳を打つ。

「いちにばかり背負わせて、伊織ばかり苦しめて、私は、自分の罪から目を背けてここまで来た。今更、どうしようもないのかもしれない。復讐したって伊織は戻ってこないように、謝ったって、今回犠牲になった人たちが生き返るわけじゃない」

 頭を垂れて、そこまで一気に告げると、詩織さんはばっと顔を上げ、真っ直ぐ私を見て宣言した。

「でも、そう、そうだった。伊織に最後の一歩を踏み出させてしまったのは私で、でも、あの子はどんな背景があったとしても、罪を許せるような子じゃなかった。だから、せめて私はもう、あの子の願いに背を向けないで生きていきたい」

「ぜひ、そうしてください」

 私は微笑み、そう答える。詩織さんのいちを抱く手にそっと自分の手を重ねた。

 目が合った私と詩織さんは互いに頷き、立ち上がる。キィコ、と乗っていたブランコが軋む。

「いちのことはあなたに預かってほしいと思うのだけれど」

 詩織さんはいちを差し出す。私に断る理由はなかった。だから受け取り、もう逃がすまい、としっかり抱え込んだ。


 ピルルルルル


 平穏に静まりかけたその場わけたたましい電子音がつんざいたのは、そのときだった。



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