く
爽やかな陽光がさんさんと降り注ぐ病室で、私は大地さんが置いていったフラットファイルの資料と睨み合っていた。
睨んでも事が進展するわけではないのだが、どうも情報が足りない。いや、足りないというか、箕舟高校の最初の事件から犠牲者が増えた以外はほとんど何も変わっていないのだ。
できるのなら今すぐにでも、いちを探しに行きたい。けれど、七瀬を助けるために病院を抜け出し、再び倒れて運ばれる羽目になった私は、医師に厳重注意を受け、先送りになった検査が終わるまでは外に出られない。自業自得ではあるのだが、そんなもどかしい状況なのだ。
助けた七瀬にも、そのことに関しては睨まれている。
「はあ。参ったな」
つい、ぽつりとこぼしてしまう。
大地さんからの新たな情報を待ってはいるけれど、現状、事件のことを一番よく知っているのは私、と大地さんが言っていたことは正しい。
行き詰まった。
どうしようもないその現状に再び溜め息を吐きそうになり、頭を振った。溜め息を吐いてもどうにもならない。
気分転換に散歩しようか。院内を歩くくらいなら、と医師も言っていたことだし。
私はスリッパを履き、からり、と病室の戸を開けた。
そこでばったり。
「わ!」
つぐみさんと出会した。
「あ、安塔さん? また抜け出そうとしていたんですか?」
「いや、ちょっと散歩を」
「駄目です! ちゃんと休んでください」
つぐみさんの剣幕に、私はおずおずと頷いてベッドに戻った。
「私、そんなに信用ないかしら?」
「前科持ちですもん」
返す言葉もない。
しょんぼり項垂れていると、つぐみさんは鞄からDVDディスクを数枚取り出した。
「安塔さん、ニュース見てます?」
「え? あー、最近はあんまり」
「なら、見てほしいものがあります。ここのテレビ、DVD見られるみたいなので」
言うなり、彼女はテレビ下の台に格納されたDVDプレーヤーにディスクをセットする。
「これは風成先生の事件があった日の夕方のニュースです」
つぐみさんは勝手知ったるといった様子でリモコンを操作し、再生した。
「続いてのニュースです」
始まったのは地方ニュースだ。アナウンサーの無機質な声とともにテロップが流れてくる。
「箕舟、連続不審死事件、続報か」
「連続不審死が続く箕舟で、また新たに不審死がありました。関連性があるかは不明とのことです」
私は絶句した。




