第三十六話「とある侍の身支度」
遅くなってしまい申し訳ありません。
私生活がゴタゴタしてまして。
最近PVとかアクセスを見る機能がこのサイトについてることを知りました。
今までブックマークしか見てなかったです。
(^_^;)
気がついたら累計アクセスが8000越えでした。
え?なにこれとか思っちゃったんですけど頑張ってみようと思います。
今回はかなり短いですが次回はそんなに間をおかずにあげられそうです。
今回から侍視点でのお話がしばらく続きます。
帝都某所にて
俺の名前は博麗・蒼馬
国々を旅し様々な困難に挑む冒険者だ。
この国でも思いっきり面倒ごとに巻き込まれちまった。
俺の国の価値観がちゃんと通用するかもわからない土地で半分スラムみたいなところに仕事の斡旋とかしてほしいって言われても困るんだよな。
っと愚痴ってもしょうがないか。
「まずは衣装を整えるところからだな。」
俺は普段泊まらない類いの高級宿でとある事情から身支度を始めていた。
高級宿、もちろん娼館や連れ込み宿の類いではない。
歴とした由緒正しい宿だ。地方の貴族何かがお忍びで泊まりに来ることまあるとかなんとか。とにかくそれなりの料金だった。
「基本こういうところろは肌に合わんが仕方ないか。格式ってやつは大事だからな。」
「・・・・・なんであなたがこの都にいるのよ。」
ちなみに今の俺には連れがいる。とある昔馴染みが町の一角で占い師をしていたので拉致してみた。
「ちょっと事情があってアルドメア鎮魂祭の初日のパーティーにでなきゃいけなくなったのだよ。どうせ今暇だろ?付き合えよ。」
「はあ・・・・。あんまり衆目の集まるところに行きたくないのよ。知ってるでしょ、私は夜会好きじゃないの。」
なんとももったいない話だ。まあ彼女は俺の師匠にゾッコンだから仕方ないか。他の男の視線なんてうっとおしいだけだろう。。
「あと、私そんなに暇じゃないから。一応仕事があってここに来てるの。あなたも≪あの人≫から何か頼まれたからここにいるんじゃないの?」
「俺のは別口だよ。兄弟子からのお願い。手紙を姉に届けてくれってさ。」
「ああ、・・・・アイツね。」
突然暗い表情で爪を噛み出してしまった彼女を尻目に衣装の準備を始める。
「さてさて水を張った桶にこの羽織を潜らせると・・・・。」
宿の人に準備してもらった桶にいつもはおっている白を貴重とした羽織をつける。旅暮らしなのであまり洗浄する時間がとれないのだがこの羽織は恐らく痛まないだろう。素材が素材なのでこうやって水をつけてやると・・・・。
「わぁ・・・・綺麗になったわね。」
桶から出てきた羽織は先程のくたびれた印象を見事に払拭し新品同様に綺麗になった。
「この羽織の利点のひとつだ。こうやって水に通してやると汚れが一気に落ちるんだ。」
軽く払うとそれだけで水気もなくなりすぐに袖を通すことができる状態になった。
「あとはこいつとこいつに着替えて・・・・。」
自身の風呂敷を漁っている訳だがこれが意外とくせ者だ。
友人の力作でかなり容量が広い。
使い慣れるまではほしいものを出すのが大変だった。
「袴は・・短くていいか。あとは黒を基調とした熨斗目で・・・・。」
パーティーでは正装でないとまずいらしいからなここは民族衣装で行こうと思う。
「あんたの国の正装って独特よね。まあ布もそれなりに使ってるし貧相にわ見えないわ。黒はこの国では貴族が好んで使う色だし、身分の示すものは腰の帯になるからそこだけは色に気を付けるのよ。」
「帯ね。了解・・・ミナ姐さんが帝都にいてくれて助かったよ。」
「まったく、私だって仕事で来てるんだからね?」
わかってますよ。感謝してます。
よし、こんなもんでいいだろう。足袋は白の新品に変えたし飾り下駄はあまり派手じゃないものにした。
「ちょんまげにはしないの?」
「・・・・姐さんさすがにそれはねぇよ。」
さすがに奇抜すぎて夜会で浮いちまう。
俺は準備の最後に腰に刀と脇差しをさしてた。
あらかた着替え終わったところで外の扉がノックされた。
「お客様、場所が到着いたしました。いかがなさいますか?」
「ああ、ありがとうすぐに行く。」
俺は宿の従業員の足音が遠ざかったタイミングでミナ姐さんに話しかけた。
「それじゃあ打ち合わせ通りによろしく。」
「・・・まあいいわ。今回は昔のよしみってことにしておいてあげる。」
ミナ姐さんが苦笑しているがとりあえず引き受けてくれるみたいで俺は内心ホッとした。
「うっし!んじゃあいっちょいきますか。」
俺はミナ・ハーカーという心強い見方を伴って宿屋をあとにした。




