嫌な物はオブラートに包んじゃえ 一包
早くもネタが思いついたので第二章です!
早めに伏線回収しないと、バリバリになって砕け散ってしまうデンプンが目に見えます……
小さな国の、小さな村に、これまた小さくて可愛い一軒のお店がちょこんとあります。
お店の名前は「エミールの調剤薬局」と言い、可愛い女の子が店主のチョット変わったお店です。
小さい子だと思って舐めてもらっては困りますよ? 一般薬から薬品の調合までなんでもできますので、是非皆さんお越し下さい!アナタにぴったりのお薬を調合しますよ!
ただ……頭を良くする薬とか、そんな「魔法」みたいなお薬はありませんので悪しからず♪
店の中では、ゴリゴリとしたすり鉢の音と、すり鉢よりも少し小さい女の子が一生懸命にすり棒でぐるぐると薬草をすり潰し、お店に置かれた椅子におばあさんが一人、座りながら女の子を微笑むように見ている。
すり棒を使う女の子は「すりすりーー」などと鼻歌交じりに調合をしている。
「はいーできたよおばあちゃん」
そう言ってガーゼにすり鉢で作った薬を馴染ませておばあちゃんの腰に貼り付ける。
「エミールちゃん、いつもありがとねー はいこれ」
「いえいえーこちらこそありがとうございます!」
そう言っておばあちゃんは孫にお小遣いを上げるように、エミールにお金を渡す。
「わしが自分でこの貼り薬を張れれば良いのだけれども、いかんせん年でねぇ。エミールちゃんに迷惑かけて済まないねぇ」
「そんなことないですよ!おばあちゃんが私のお店にきて、元気な姿を見せてくれるだけで十分ですよ。それにお金も少し多めで。私の方は感謝してますよ!」
「嬉しいこと言ってくれるねぇ。 エミールちゃんがこの村に来てから、みんな笑顔が増えたものだよ。 何年位になるかね?」
「この村に来てからですか? 大体七回位季節は回りましたよ」
「もうそんなになるのか……早いものだねぇ」
「私は、この村に来て良かったと思ってますよ。 よそ者の私をみんなで可愛がってくれて、嬉しいです」
「みんなも嬉しがってるよ」
「そうですか?それなら良かったかな」
そう言うとおばあさんは杖を持ちゆっくりとした足取りで、店を出る。
「それじゃあまた来るよー」
「はい! ありがとうございます!」
「さて、もう少ししたら親父が来るかなー。ユリハちゃんのお薬も用意しないと」
カウンターから柴胡 半夏 桂枝 黄今 人参 芍薬 生姜 大棗 甘草の粉末を取り出し、天秤に乗せ量る。
量った薬は天秤の皿に置いた薬包紙に包み、紙袋に入れる。
薬包紙の包み方も手馴れた手付きで綺麗に包んでいく
一日大体二回の服用で七日分作るので、十四包作る。
いつもほわほわしているエミールも、薬品の調合となると、身にまとった白衣はまさに薬剤師と呼べる姿で、その顔つきはいつもより真剣……
「へくちんっ!」
薬包紙はひらひらと舞い 薬草の粉末は中へと飛び散った。
次回へ続く
(全然進展してないですねw)