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止血材は包帯だけじゃない    後編

「ようー 荷物の輸送かい?」

「はい。ただ荷物が大量なのでお店までお願いして良いですか?」


村の運送屋。私がいつも利用しているお店だ。

運送屋の親父はゴツい体をしているわりに、くまさんのあみぐるみやらねこさんやらを馬車にぶら下げている。あみぐるみは私が教えて、今では親父の趣味になっているらしい。

「エミールさんよぅ 最近うちの子が病気してな、鼻が垂れたり咳したりなんだが、何かよい薬はあるか?」

親父は心配そうな顔で私に訪ねる。

症状から単なる風邪だろう。私はポケットから白い紙に包まれた薬を渡した。

「これは?」

「風邪薬ですよ。 生薬の一つ カンゾウが入って入るので甘いですよ。 それにカンゾウは咳止めや喉の炎症、体内の毒素を排出する効果があるので。 甘い薬ならお子さんも飲むでしょう。 あと、一肌くらいに温めたお湯で飲むと吸収がよく、効果がよくでますよ」

「ありがとよ! さすが薬屋の店主だ。 はいよ」

親父はポケットを漁ると丸い筒の様な物を落とした。

私はそれを拾った。中心には紙でできた筒があり、その回りに少しだけ弾力のある白っぽい物が着いていた。

「親父ーこれは?」

「ああ、これはゴム引布だ。 伸縮性があって強度も良い ちょっとしたものを包装するのに便利でな」

「ふーん・・・ 少しだけもらっても良いですか?」





私は店に帰るなり、庭の木から樹液を採取 大釜で分離させ、できた物が生ゴムだ。

そこから紙の厚さまで薄く伸ばして切り分けた。

余ったゴムに針葉樹から取れた樹液を加えると、べとべとした物が出来上がる。

「これでゴム引布ができたら粘着糊をゴム引布に塗って、馴染んだらガーゼを何層かかさねて織ったのを張り付ければ・・・」

ゴムの熱を冷ましている間に作った粘着糊を瓶に詰める。少しだけ粘り着くが、きれいに剥がせる。


「エミールー 荷物はこれか?」

「はいー」

馬車を連れて来た親父は木箱を軽々持ち上げ馬車に積んでいく。

「ところで、何作ってるんだ?」

私が冷まし終えたゴムに糊を塗っていると、荷物を積み終えた親父は私の作業を見に来た。何か下らないことをしているのかと言わんばかりの顔だ。

「包装より簡単で持ち運びが便利な止血材よ。このゴム引布に糊を着けてまん中に薬を塗ったガーゼを張り付けたら完成よ」

「それってまさかー」

「親父が持っていたあれを参考に作ったのよ」

「だからいきなり家の店を飛び出したわけか」

親父は呆れながらも少しだけ興味が有るのか、まじまじと見つめる。

「あとは粘着部分にタンパク膜をはりつければ・・・ できた!」

私は出来上がった止血材を親父に自慢げに見せる。

「こいつはスゲーや もし実用的なら軍だけでなく一般家庭でも流行るぞ」

「試作だけど病院に何個か持っていって。 そしたら感想は手紙で待ってるって伝えて!」

「了解した! 10枚あずかるぜ!」


「親父ーたのみますね!」






それから数日後、病院から手紙で外傷絆創膏の追加注文。

噂が広がり、軍からの注文やわざわざ隣の地方から店に買い物に来る人もいた

私は新たに書かれたこのノートとにらめっこしながら新しい商品を作り始めるのだ。





止血材は包帯だけじゃない 完結です。


いかがでしたか?

文章は下手ですが読んでいただきありがとございます!


止血材はー は完結ですがまたいつかエミールの調剤薬局は更新しますのでよろしくお願いいたします!



それではまた!

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