外用消炎鎮痛剤は森の中? パート6
朝食を簡単に済ませた私達は、軟膏の材料を手にお店に戻ることにした。
ルーアに関しては、しばらく私が預かる事になりそうだ。
素直で可愛いから良しとしましょう♪
「小さいお店だけど,いろんな物があの。その中には危ないものも有るからちゃんと私の言うことは聞いてね?」
「はーい!」
両手に楠木の枝葉が入った大きなバスケットをぶらさげ、元気良く返事をする。
私のおばあちゃんもこんな気持ちだったのかなーなんて思い浮かべながら、小高い丘を越える。
途中の草原で昼食を済ませ、夕日が沈む前に私達はお店にたどり着いた。
「うわー なにこれ!?」
早速お店のシンボルである大釜に駆け寄るルーア。約束を守っているのだろうか、近くで覗き込むように観察している。
私と全く同じ反応だ。
「その釜は煮たり蒸したりする道具で調剤には欠かせないアイテムね」
「ふーん……… あっ これはー?」
ちょろちょろっとテーブルに置かれたすり鉢を指さす
「これはすり鉢と言ってね、薬草を混ぜたり細かくすり潰す道具よ。 これも欠かせないよ」
あれこれ説明しながら大釜に蒸し器を設置して取ってきた枝葉を全て入れる。
水を適量加え、お湯を沸かす。
「何するの?」
「今から精油を作るの。お薬の材料だよ」
ソファーに座りながら目を丸くして見ている。 精油作業なんて普通見ることはできないから当然かな?
釜に蓋をする。 蓋には管が通してあり、冷却部と呼ばれる水蒸気を冷やす部位 。その先には精製された精油を溜める小さなツボおいてある。
沸騰したお湯が水蒸気となり、枝葉を蒸し上げる。
水蒸気とクスノキの成分が溶けて管を通って冷やされ精油になる。
最も基本的な精油法らしい。
私はこれしか知らないのだけど。
少しづつ精油は出来上がり、出来上がるまでの間にベースとなる軟膏を調合する。
長らくごぶさたでしたが、やめたわけではありません!!
時間がなかっただけですすみません(˘ω˘)
これからもちょくちょく更新するのでよろしくお願いします!