外用消炎鎮痛剤は森の中? パート4
「うわぁぁぁぁー!」
ちょっと小高い丘に上がった私たちは、高さで10m以上の大木を見上げている。
こんもりと山形に広がった枝葉が大木の大きさをより一層大きく見せている。
「ねえねえエミールお姉ちゃん! これがくすのき??」
「そうだよー 大きいでしょ?」
きらきらと目を光らせて、大木を見上げるルーア
「でもエミールお姉ちゃん」
ちょっと不安そうな顔を覗かせるルーアに私は優しく微笑む。
「大丈夫だよー ちゃんと葉っぱを摘むことはできるから」
「そうじゃなくて…… 肩車じゃあ私届かないよ?」
そう言うルーアに少し先にある小さな木を指さす。
「あそこの木なら肩車しなくても取れるから大丈夫! さあ行こう!」
「うん!!」
心地よい風が吹く丘には森の香りが漂う。
葉っぱが透けて若干緑色になった陽の光を浴びながら、木の健康に影響を与えない程度に葉っぱを採取する。
夢中で葉っぱを摘むルーアを見ながら、パン位の大きさの石を拾い集め、かまどを作る。
テントはないものの、寝毛布は用意していた。
「ルーア! 葉っぱ摘みはその辺にして、今度は枯れ枝を拾ってきてー」
私がかまどを作っているのを見たのか、カゴを木下に置いたまま、
「はーーい!!」
丘の奥へ入っていった。
夕暮れにはまだ早い。
カゴを取り、座っても痛くないように藁で編んだマットを敷いた。
カゴ2つにいっぱいのクスノキの枝葉。これだけ有っても抽出できるのはごく僅かな量だけ。
バスケットほどの大きさのカゴをひとまとめにして、ポットに入れたジャスミン茶をすする。