表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/22

外用消炎鎮痛剤は森の中? パート3

お店から離れ、約二日。

気候は徐々に暖かくなり、目的の土地まではもう少しだ。

ルーアはだいぶ私に慣れて、いろいろ聞いたり話しかけてくるが、自分の事は思い出せないで居る。

「エミールお姉ちゃんはくすのきって物を探しているけど、どんなもの?」

「大きな木だよールーアよりもずっと大きな木だからびっくりするかもね!」

はわわわー と驚くルーアは表情も豊かになり、安心している。



クスノキから抽出される油を乾燥させ、粉末に仕上げる。

防虫剤などにも利用されている。

微量の服用なら問題ないけれど、毒性はある。



「くすのきは大きいけど、葉っぱは私にも取れるのかな?」

「大丈夫だよー 肩車してあげるから」

「エミールお姉ちゃんは優しいし、大好き!」

「うん。 ありがとー!」

軽く頭をなでなですると、満面の笑顔をみせる。

私も自然と笑顔になる。 ルーアは凄く可愛いなぁ♪

「あーっ! だんだん木が大きくなってきたよ!」

目的地までは後少し。初めて訪れる土地なだけに不安とワクワクが混ざり、変な気分だ。

「この地方は特別で秋は暖かく過ごしやすいし、冬は暑い 私が住んでいる街とは真逆なんだよ」

「へー?」

植物達の成長も同じで、この環境に合わせる様になっている。

気温も徐々に上がり、暖かくなってきた。

今まで見ていた木々も枯葉から若葉に移り変わって、春を感じさせる。


黄昏を超えた世界の木々は暗く、濁っている葉っぱが多くある。特に広葉樹林は黄昏前より色が汚くなったと聞く。

それでもこの辺の木々の葉は透き通るような緑で、見ているだけで心が浄化されるようだ。

黄昏の被害が少なかったのか、特別な地域なのだろうか……

「エミールお姉ちゃんー くすのきってどんな形なの?」

「葉っぱの形? 革みたいに硬くて、つやが出てる葉っぱかな? あと、葉先は尖ってるから気をつけてね?」

「つや??」

「うーん……つやつやしている? すべすべ? なんて言えば分かるかな……?」

クルッと私を見るとにこにこした顔を見せ、

「見れば分かるかなっ!」

なんて、初めてのものを楽しむ気持ちが凄く伝わってきた。

私もにっこりと返し、森をどんどんと進んでいく。

目的の場所まではそう遠くはないと思う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ