外用消炎鎮痛剤は森の中? パート1
フォーナスとエミールは一旦おしまい!
エミールの日常本編をお楽しみください!!
「いつもありがとうねー エミールちゃん」
「いえいえ、私でよければいつでも頼んでください!」
趣味の家庭菜園で、腰をよく痛めるおばあちゃん。毎日ではないけれども、定期的に腰に薬を貼る。
前回作った絆創膏を改良した物ではあるけれど、まだまだ改良が必要な商品でもある。
軟膏剤は、ガーゼに薬を塗り、それを患部に貼り付ける。 これだけなら楽だと思うが、問題は、薬とガーゼが一体ではなく、普通の人ならば楽に貼り付けられ、薬を塗るのも容易だけども、おばあちゃんやおじいちゃん、病人さんなどの、力が弱い人に対しては、誰かが面倒を見ないといけない。
「ワセリンの様なクリームみたいな物なら塗りやすいのかな……?ワセリンは少し硬いからもう少し柔らかくしないとだなぁ……」
シュシュッとスプレーでもいいのかなと思ったけれど、用途は腰痛などだからもう少しすり込む感じがいいかなー?
色々な案を頭の中で考えながらも、店に戻る。
クリーム系は基本的に精油を使いクリーム状にしている。
有効成分を抽出、添加物として加える成分でクリーム状にすることができれば、持ち運びも楽。塗りやすく、一人でもできる
まあそこまで上手い話はまだまだ先だよね……
ということで、栗から油分を抽出、メントールを加えてあとは……
主成分か……
まずは主成分の原料を調達してこないといけないのだけれども、 いつもは盆地にある町で注文しているのだけれど、今は時期じゃないはずだから…
仕方ない…自分で取りに行こうか…
自室に戻り、カゴと木製の杖に飴玉と救急袋を持ち、おばあちゃんのローブを羽織る。
「よしっ!」
このローブでおばあちゃんは色々な土地を回ったという。
魔法的な効果もあるらしいが、私には一切関係のない物だ。
店を閉め、扉の前にはメモ用紙で「採取中につき休業」と貼り山地を目指した。