フォーナスとエミールの調剤薬局 2年目@1
いきなり飛びましたが、二年目です。 これからは日記形式になりますのであしからず……(ならないかも……)
「精製分離はこんな感じでいいの??」
「そうだよ、ゆっくり焦がさないようにかき混ぜて。」
ぐつぐつに煮えた大がまに、少しずつ乾燥したオウギを入れていく。
どうして私が調合をやっているのかと言うと、ようやく私も働き始めて1年目が終わり、2年目に突入したわけで、基本的な薬。風邪薬や胃薬などから、栄養剤まで必要な物は全て紙の上では教わったので、これから本格的に調合の練習を始めるのです。
鍋で煮たり、乾かしたり、すり鉢で擦ったり、簡単そうに見えて意外と重労働な作業に毎日お疲れです。
「焦げずにいい感じですね。それでは精製して完成ですよ」
分離した成分水を分離する装置に流し込み、火にかける。
沸騰しないように火加減を調整し、調整が終わると、自然と火が消えるまで待つ。
私が使っている木べらは私と同じ背丈で、重さも十キロはありそうだ。それを三十分ずっと動かしている時だってある。
おばあちゃんから言わせれば、三十分は短いほうだというが・・・
「風の精霊さんに手伝ってもらってるからね。それに火の精霊さんに水の精霊さん。みんなが手伝ってくれているからねぇ」
といつも私に言うが、私には未だに理解できていない部分である。
香りの良いハーブティーを貰い、お返しに私が作った軟膏をプレゼントしたところ、以外にも好評でおばあちゃんもうれしそうにしていた。
切り傷や腫れ物、やけどにも効果があるということで、だんだんと私の名前が港町に広がっているみたいだ。
店に広がるハーブティーの香りを楽しみながら、着々と薬剤師としての知識をつけて行く。