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ほのぼの少女の日常 ~エミールの調剤薬局~  作者: しろいさくら
フォーナスとエミールの調剤薬局
10/22

フォーナスとエミールの調剤薬局 1年目 @2

崖したにある小さな町は漁業や貿易産業の活発な場所で、比較的穏やかな時間の流れのなかに暮らしている。


そんな町の一角、緑が綺麗な場所におばあちゃんの家がある。

フォーナスの調剤薬局。

木の看板には色褪せた文字で書かれていた。


「こんにちはー! おばあちゃん!」


店のカウンターには、白い髪の毛を腰まで伸ばし、目立ったしわも無くてスベスベな肌の女性が座っていた。

初めて見る人は20台だと勘違いするくらいだ。


「あらー いらっしゃい。話しはお母さんから聞いているよ」

「突然ごめんなさい……」

「いいのよー 昔の私も思い付いたら即行動だったから、エミールは私に似たのね」

にっこりと微笑み、私を調剤室に案内してくれた。

ピシッと姿勢がよく、たまに老人だと忘れてしまう。


「さあ、お茶をどうぞー」

ティーカップには茶色の液体が注がれる。

「メグスリノキを乾燥させてお茶にしたのよ」

「目の消毒とかに使うやつだよね?」

「えぇ、飲んでも目に良いの」


私が思うに、おばあちゃんは色んな植物と暮らし、昔からの伝統をたった一人で守っているのだと思った。

ただそれは、フォーナス・アロルは魔法使いだった事を知らないからこそだと思う。


「この町は、海産物から鉱物油など様々なものが揃う良い町なの。これとか、鉱物油から作った軟膏よ」

取り出した白いクリームを手に取り、顔や手の甲等にまんべんなく塗り始める。

「肌がカサカサする人や、傷、あかぎれなどに効果があるの。エミールも塗る?」

おばあちゃんが私に小さなビンを渡してきた。

「少しで良いの。手にとっ手ご覧」

恐る恐る指ですくい取ると、クリームだった軟膏はすぐに溶けてしまう。

変わった匂いもなく、保湿のためにはいいかもしれない。

「ワセリンと言うものらしいの。遠くの世界では色々な場所で売っているみたいだけれど、この辺では私だけだね」


たのしく時間は流れ、自慢げに色々薬を見せてくれたおばあちゃんは、いつも以上に若々しく見えたきがする。



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