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ドリーム・ライフ関連地理

地理


ラスモア村

 ペリクリトルから南東に170km(ドクトゥスまでは370km)、カウム王国との国境付近にある南北3km、東西1kmほどの小さな村。

 最も近い街ボグウッドまで約20km。

 北にシェハリオン山と呼ばれる山があり、南に黒池ブラックラフと呼ばれる直径1kmほどの湖がある。

 東にはアクィラ山脈があり、ラスモア村から東に向かう街道はない。


 アルス街道から東に5kmほど入っている田舎の村であり、旅人の姿はほとんどなく、宿屋は存在しない。但し、村に酒場兼食堂が一軒あり、その二階で宿泊することができる。


 人口は約500人、80の家族が暮らしている。

 村の北部に高さ30m、直径300mほどの小さな丘があり、その上に領主ロックハート家の屋敷がある。

 村の周囲は森に囲まれており、約100年前に開墾を始めてから、徐々に広がっている。

 西側にはきれいな川が流れており、水車が数台ある。


 人口のほとんどが農家であり、商店は無く、月に二度ほど来る行商人がいる。

 麦などの穀物と豆類など雑穀の生産と、牛や羊、豚などの家畜による畜産が盛んで、開拓村にしては豊かな村である。

 鍛冶師、木工関係の職人、皮加工の職人の家が一軒ずつある。鍛冶師は初代領主のゴーヴァン・ロックハートにより招聘されたドワーフの職人がおり、農具の他に武器の製造修理なども行っている。

 治癒師は薬師の家が一軒あり、三人の治癒師がいる。

 魔物がすむ森が近くにあるため、村の十代から四十代の男たち150人が自警団を作り、月に一度訓練を行っている。

 獣を狩る狩人も十人ほどおり、普段は魔物が村を襲うことはない。



挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)



ラスモア村(3017年当時)

 人口は750人程度、自警団員は剣術士と槍術士があわせて二百人程度、弓術士が二十人と弩弓兵が十人。この他に騎馬隊十五名がいる。剣術士のうち35人はレベル40程度のベテラン。

 3017年10月以降は十日に一回のペースで訓練を行っている。


 農地は約240ヘクタール。ノーフォーク農法(四圃制)で小麦の作付面積はおよそ60ヘクタール。1ヘクタール当たり900kg(収獲は1t、種もみに100kg残す)であるため、収穫量は54t。大麦も60ヘクタールで1.5t/haとして、90t。更にカブや豆などの農地と放牧地がそれぞれ60ヘクタール分ある。


ロックハート屋敷

 初代領主のゴーヴァン・ロックハートが代官屋敷として使っていた物を拝領した二階建ての屋敷で、村の中心からやや北に位置する高さ30m、直径300mほどの丘に建てられている。

 領主の家族が住む住居部分と、集会などが行われるホール、租税として納められた穀物類を収める倉庫からなる。

 住居部分は二階の南側がゴーヴァンの部屋と執務室で、北側にゴーヴァンの息子で現当主のマサイアス一家が住み、マサイアスと妻、ターニャの部屋と、長男ロドリックの部屋、使用人が使う部屋などがある。一階はリビングとなる食堂と台所がある。

 屋敷の周囲には、従士のウォルトらが住む家があり、屋敷の周りを囲む土塀と柵までの間には、牧草が植えられた放牧地と畑が作られている。

 屋敷の北側には馬の放牧地があり、東側には小さな森がある。

 屋敷の西側は従士たちの訓練場であり、ゴーヴァンが毎日訓練を行っている。

 周囲を囲む土塀にはところどころに監視台があり、砦としての機能も有する。


ロックハート屋敷(3017年現在)

 現在、住んでいるのはゴーヴァン、マサイアス、ターニャ、セオフィラス、セラフィーヌ、ソフィア、ロドリック、ロザリンド夫妻とアンジェリカ、エレアノールが2階に住んでいる。ウォルトとモリーは一階の台所横に部屋がある。

 ザックたちは本邸の東側の森近くに2階建てのコテージに部屋がある。

 館が丘の南側にはヘクター、ガイ、ニコラス、イーノスら古参の従士の家があり、更にその下にウィル、バイロンの家がある。

 ニコラスの家の南西側に学校がある。


挿絵(By みてみん)



蒸留所(3017年現在)

 蒸留所はフィン川沿いに3箇所あり、スコット、ブランドン、カルバートが責任者となって蒸留酒を造っている。主にスコットの蒸留所がスコッチを、ブランドンの蒸留所がブランデーを、カルバートの蒸留所がカルバトスを作っているが、必ずしも限定されているわけではない。

 3つの蒸留所で生産される蒸留酒はクォーター樽で年間150樽。これにバット樽やホグスヘッド樽など150樽分が加わり、年間の生産量は70キロリットルほどになる。

 クォーター樽は三年熟成用であり、新樽が使われていたが、最近では再使用するようになっている。

 生産比率はスコッチ7、ブランデー2、カルバトス1が基本。

 現在、貯蔵庫は4棟あり、1800樽の蒸留酒が貯蔵されている。一棟に500樽貯蔵しているため、あと1年ほどで一杯になる可能性がある。

 大麦の収量は1ヘクタール約1.5t。1t当たり蒸留酒が600L(度数50%相当)でクォーター樽5樽分(ホグスヘッド2.5樽分、バット樽1樽強)。

 スコッチライナーが運ぶスコッチはクォーター樽で25樽/2ヶ月=年間150樽(18kL)、大麦の量は3t/2ヶ月程度であり、クォーター樽15樽/2ヶ月で、アルスに運ぶスコッチの6割に当たる。年間の生産量が約35kL(大麦58t)であり、スコッチライナーが運ぶ分(年間90樽分=10.8kL)を除く47kL分(大麦麦芽約80t)=60ヘクタール分は、ラスモア村1/3と周辺の村が2/3を供給している。

 ブランデーは年間10kL(度数50%相当)生産。ブランデー用のワインは50kL(バット樽100樽分)であり、スコッチライナーが年間12樽、ラスモア村で20樽程度であり、その他はペリクリトル周辺からアルス周辺までの広い範囲で買い付けられている。元々、ファータス河沿いはワインの生産に向いており、数年前から増産が始まっている。

 カルバトスの生産は年間5kL程度。りんご酒100樽(バット樽相当、約50kL)のうち、スコッチライナーが年間12樽程度で、残りはアルス周辺から主に購入している。

 3010年当時の生産量はクォーター樽約150樽(18kL)、バット樽、ホグスヘッド樽など約70樽(18kL)で約36kL。貯蔵庫には約600の樽が保管されている。

 3018年当時の生産量はクォーター樽約230樽(28kL)、バット樽、ホグスヘッド樽など約160樽(42kL)で約70kL。貯蔵庫には約2000の樽が保管されている。


 大麦の価格は平均150C/t(15万円/t)。イギリスの産業革命前の小麦の値段約50シリング(約60万円とした)/1クォーター(約290L=比重0.75として、約200kg)から、大麦は小麦の半額と考え算出。

 但し、アルスから運ぶ大麦は無料で提供されている。


村中心部(3017年現在)

 元々あった宿屋兼酒場の黒池亭(収容人数30名程度)の他に2軒の宿屋(蒸留釜ポットスチル亭、酒樽カスク亭、いずれも収容人数30名程度)が出来ている。常設の商店(ノートン商会が営業)が開業し、村で生産出来ないものが売られている。ノートン商会を通じ、調味料類や本なども取り寄せてもらえるため、人気が高い。

 顔役のゴードンの家に時計があり、鐘で時間を知らせている。ゴードンの家の屋根には鐘楼が作られている。



鍛冶師ギルドの研修所

 大きさは工房部分だけでもロックハート家の屋敷以上。

 平屋の木造家屋だが一部は屋根裏部屋のようになっており、打合せなどに使える会議室になっている。

 真っ白な漆喰と黒塗りの柱、黒いスレート屋根、大きな扉や窓が多く取り付けてある。工房内では高温の炉を使うことから、魔道具を使った換気扇まで備え付けられている。

 中には特殊な金属の加工も可能な最新型の炉――大型の炉が一つと小型の炉が複数――あり、更に作業台として頑丈な木製のテーブルと壁には物入れが多数並んでいる。その中には精密な加工が施せるアダマンタイト製の工具類が収められている。

 大型の炉の横には蒸留器用の大型加工設備――揚重設備や鉄製の加工台など――が並び、鍛冶師ギルドのお膝元、カウム王国の王都アルスですら、これほど設備が整った工房はない。

 付帯施設は工房の横に木造三階建ての宿泊棟が建てられており、一階が集会室兼食堂で、その横に大型の調理場が設置されている。二、三階部分が居室になっており五十人が一度に宿泊できる。

 酒樽専用の大型倉庫が併設されている。平屋建ての倉庫だが、灰色の石で造られた重厚なもので、館ヶ丘にある蒸留酒貯蔵庫の縮小版のようだ。大型のバット樽でも百個近く保管できる大きさがある。


東の森

 アクィラ山脈に近く、ゴブリンなどの魔物がよく侵入する。森の北側に石炭の鉱床がある。


西の森

 街道に近く、危険な魔物を定期的に狩るため、比較的安全な森。楢の大木が多く、薬草なども多く生えている。

 北にあるシェハリオン山から時々狼や野犬が降りてくることがある。


南の森

 東や西の森に比べ、大木は少ない。百年前に森林火災があり、大木が焼けたという話が伝わっている。

 雑木が多く、野生の果物や木の実を食べる野生動物が多い。



キルナレック

 名目上はカエルム帝国に属する小都市だが、実質的には都市国家連合に属している。

 帝国のラズウェル辺境伯領になるが、年間定額の税を納めるだけで、帝国の役人は一人もいない。

 人口3000人の小都市だが、カウム王国とペリクリトルを結ぶアルス街道の通商で栄える交易都市。周辺の中核都市としても機能し、冒険者、傭兵、商業ギルドなどの支部がある。

 ロックハート家による討伐で南及び東側からの魔物の侵入はほとんどない。カルシュ峠がある北側からのみ魔物の侵入があるが、大物は少なく、ごく稀に侵入してくる四級相当以上の魔物や盗賊団はロックハート家に討伐を依頼している。

 このため、ベテラン冒険者は少なく、七級程度の若手がバルドック村等に出向いている。

 ロックハート家の人気は高く、領主のような扱いとなっている。


3019年現在

 人口は3500人(900世帯)に達し、ラスモア村目当ての宿泊施設が多くできている。ロックハート家が子爵に陞爵した際に領地となった。


バルドック村

 キルナレックの北2kmにある村。人口500人程度でキルナレックに食糧供給を行っている。

 キルナレックまで南向きの緩やかな傾斜となっており、日当たりがよく農業に向く。主に麦の生産と畜産を行っているが、近年ロックハート家による農業指導により生産高は上がっている。

 北から弱い魔物が入ってくるが、自警団は二十名程度と少なく、技量もレベル十程度と低い。このため、居住地の周囲に高さ二m程度の石垣と木製の柵があり、キルナレックから絶えず冒険者が来て討伐を行っている。


ウーズリー村

 キルナレックの東3kmにある村。人口400人程度でキルナレックに食糧供給を行っている。

 森を切り開いた小規模な村で比較的近年に作られた。シェハリオン山から弱い魔物が侵入してくるため、居住地の周囲に高さ二m程度の石垣と木製の柵がある。引退した傭兵や冒険者が移住しており、自警団の技量は比較的高い。

 ロックハート家による農業指導により豊かになり始めている。


シフェレス村

 キルナレックの北西3kmにある村。人口400人程度でキルナレックに食糧供給を行っている。

 平原となっており、広大な農地が広がっている。主に麦を生産しているが、近年ロックハート家による農業指導により生産高は上がっている。

 北から弱い魔物が入ってくるが、自警団は二十名程度と少なく、技量もレベル十程度と低い。このため、居住地の周囲に高さ二m程度の石垣と木製の柵があるが、キルナレックから絶えず冒険者が来て討伐を行っている。


ボグウッド

 カウム王国の国境の街。

 カウム王国と都市国家連合との関係が良好であるため、城塞都市ではなく、ただの宿場町。

 交易以外の産業が無く、人口は1000人と少ないが、各ギルド支部がある。

 ラスモア村から最も近い街だが、やや遠いキルナレックの方が便利であるため、交流は少なかったが、蒸留酒の流通が増えるに従い、交流が増えている。

 土の神殿の神官エマーソンがラスモア村の神事を行うため、年に数回、村を訪れている。



ボウデン村

 キルナレックから30kmのところにある村。500m四方の小さな村で人口は300人ほど。宿場町ということもあり、宿は10軒ほどある。宿は村の中心部にあり、荷馬車は東側の広場に停める。

 周りに魔物が多く棲み、廃れた感じがする。



ソーンブロー

 人口千人ほどの宿場町。川と森に挟まれた狭い土地に作られている。

 城壁は石造りの立派なもので、町というより砦という印象が強い。町の周囲に畑があるが、そこにも木の塀が作られ、魔物が頻繁に出没する。



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