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妹と携帯

ヒロインな兄シリーズ第三弾です。始めに前回のあらすじ…というか設定的な物を書いておりますが、あくまで妹視点なので視点が偏っております。前作ヒロインな兄の事情を読んでいただいてからの方が、よりわかりやすくなっております。興味のある方はそちらも併せてご覧ください。


※再執筆完了しました。改めてお楽しみください。

 これさえ押さえたら大丈夫☆前作までのあらすじ…のようなもの。

 皆さまこんにちは。私の名前は相澤雅あいざわみやび。少女マンガのドジっこヒロイン気質な兄を持つ平凡な女子高生だ。

 ドジっこで天然な兄にいつも振り回される不憫な妹をしてる。私の兄の総司そうしは身内の私が言うのもあれだけど背が高く、スタイルもよく、それなりに整った顔をしている。それでドジっこヒロインなんだからさぞモテるかと思うよね?様々などじをきっかけにいろんなフラグが立つと思うよね?実際は全くモテません。一切モテないのです。大事なことなので二度言いました。


 彼は幼い頃から池に落ちたり、犬に追いかけられたりとドジっこヒロインが経験するような事件を一通り体験しつつもそれが恋愛というフラグにたどり着くことがないのだ。ただただ不憫な彼にあれっ?これってすでにただの不幸体質なんじゃ、と思わなくもないけど…。まあ彼は行動自体もドジっこなのでよしということで…。

 あっお兄から電話。嫌な予感しかしない…。

 というわけで本編をどうぞ。









 朝いつものように兄を起こし朝練に送り出すと私は朝食の洗い物を片付ける。母は朝早くから仕事なので朝食の用意と片付け、お弁当作りは私の仕事だ。ひと通り片付け終えると私は学校へ行くため鞄を持って玄関へ向かう。

靴を履き玄関の扉を開けようとしたとき携帯が鳴り出した。この着信音は家族のものだ。母は仕事中。父は海外出張中なので電話の相手は兄の可能性が一番高い。

 

 携帯を開くと案の定兄だ。しかしいくら兄の可能性が高いといっても彼は部活中である。普通ならこんな時間に電話なんてかけてこない。また何かの尻拭いかな…。かなり嫌な予感…。恐る恐る電話に出ると電話の向こうから兄の声とは違う声が聞こえてきた。


『もしもし?』


 誰これ…。どいうこと?もしかして誘拐?いやいやあんながたいのいい17歳の男なんて誰も誘拐しないだろ。てかむしろしない。大分訝しさを含んだ声が出る。


「あなた誰ですか?なんで兄の携帯を持ってるの?」


電話の向こうからはクツクツと忍び笑いが聞こえる。その反応にかなりムッとする。


「何がおかしいんですか?兄をどうしたの?」


『ごめんごめん。あまりに必死だったからつい…ね。雅ちゃん?君はこの携帯の持ち主の妹ってことでO.K.?』


いくら携帯の記録に残ってるからって勝手に他人ひとに名前を呼ぶんじゃねぇよ。馴れ馴れしい態度となかなか的を得ない相手にかなりイラつく。多少口調がきつくなるのは仕方ないよね。


「そうですけど。結局あなたは誰で、なぜ兄の携帯から電話してるんですか?」


佐藤雅隆さとうまさたか。君のお兄さんの携帯を拾ったものだよ。どうせ話すなら女性がいいなと思って履歴から君にかけてみた。高校生くらいだよね?北高の生徒?』


なんてっこた!親切な人だった。あのドジ!今度は携帯落としたのか!どんだけ人に迷惑かければ気が済むんだ…。ばつが悪くなり多少しおらしい声が出る。


「すみません。拾っていただいてありがとうございます。北高生ですけどそれがどうかしましたか?」


『なら話は早い。もう登校してる?』


「いえ。今家を出るとこでした。」


『まだ時間早いからね。O.K.じゃあ登校したら生徒会室においで、君が来たら返してあげるよ。予鈴まではいるから。』


そういうと私が何か言う前に電話は一方的に切れた。私はひとつ深いため息を吐くと携帯を乱暴にポケットに突っ込み家を出た。






 学校に着くととりあえず荷物を自分の机の横にかけて生徒会室へ急ぐ。もう予鈴まで10分しかない。教室棟4階にある一年の教室から特別棟4階の端にある生徒会室まではかなり距離があるので半ば小走りだ。

 生徒会室の前に着く頃には少し息が上がってしまっていた。何で私がこんな目に…。そんなことを考えつつ軽く息を整え扉をノックする。


『どうぞ』


 室内から入室を促す声がする。扉を隔てているので多少くぐもって聞こえるが確かにあの電話の声だ。失礼します。と声をかけ入室する。


 部屋の中には数個の事務机、壁際にはいくつもの資料棚が所狭しと並んでいる。ひと通り周囲を見回すと人が座っている正面の机に目を向ける。その人物は目を通していた書類から顔を上げると笑いかけてきた。

 少しくせっ毛の黒髪に黒目、スクエアフレームの黒縁眼鏡をかけている。眼鏡によって一見インテリ風に見えるがよく見ると顔立ちはワイルド系だ。というかこの顔は…全校集会でよく見るような…。てか生徒会長だし。


「いらっしゃい。雅ちゃんて誰かと思ってたけど一年の相澤さんだったんだ。ってことはこの携帯の持ち主は二年バスケ部の相澤君か。」


そう言って取り出した携帯は黒と青のツートンカラーにころっとした男がつけるにはかわいいトラのストラップがついている。確かに兄の携帯だ。

 見つかってホッとしたのも束の間ふと重要な事実に気づく。私この人に直接会ったことないのになんで私たちの事知ってんの?


「あっあの。なんで私の事知ってるんですか?」


 そういうと彼は不思議そうに顔をかしげる。


「君たち有名人じゃない。知らなかったの?特にお兄さんのドジっぷりと天然っぷりは。」


 …全校に知れ渡るほどの天然ドジっ子……だと。。。なんてっこた。恥ずかしすぎて死ねる。赤面して思わずうつむく。


「まぁ俺は君の方に興味があるけど。」


そう声が聞こえると目に前に影が落ちる。ふと目を上げるといつの間にか会長がいた。わぁ以外に身長あるんですね。てか近くないですか?そんなことを考えながら見上げていると、おもむろに会長の手があがり私の頬を指の背でなでてきた。

 その瞬間背筋に寒気が走り全身鳥肌が立ち頭が真っ白になる。


「かっわい。」


 そんなことを甘ったるい声で耳元でささやかれさらに全身を悪寒が襲う。なにっ?何でこの人こんなことするの?イケメンだからって何しても許されると思うなよ!イケメン爆発しろ!


「あの!携帯返してください!」


 彼はふっと笑うと携帯を私の手に乗せて握りこんでくる。や め て !!もう勘弁してください!!


「はい。これ。また連絡するね。み や び ちゃん」


 私は無理やり自分の手を取り戻すと思わず後ずさる。


「無理です。連絡とかいりません。私これで失礼します。」


 勢いよく90度まで腰を曲げ礼をすると、扉を開け慌てて部屋から逃げ出した。

 うぅ~まだ鳥肌が収まらない。あ~腹立つ!なんなのあの人!兄のおかげで酷い目に遭った。携帯届けるの後回しにしてやる!そう鼻息も荒く教室にたどり着いた頃、登校後マナーモードに設定しなおした私の携帯が震えた。…なんとなく悪寒がする。

 携帯を開いて着信を確認すると新着メールあり。メールを開くと知らないアドレスからのメールだった。



From ×××-▽▽▽@□□□.ne.jp


Sub よろしくね( ^o^)ノ


さっきはどうも(*^_^*)佐藤雅隆だよ(^_^)v

これからよろしくね(≧∀≦)返信待ってるよ(*´▽`*)


うぜぇ。生徒会長ってこんな人だったんだ。かなりがっかりなんだけど…。そもそも拾った携帯から勝手に他人の個人情報引き出してんなよ!でも返信しないとこの人しつこそう…。しゃあないテキトーに返しとこ。


To 変態バ会長


Sub Re:よろしくね( ^o^)ノ


いやです


送信っと。これでよし。お兄のおかげでまた変態とかかわってしまった…。後で携帯返すときに絶対文句言ってやる。そんなことを思いながら私は自分の席についた。


 データが消えたときはどうなるかと思いましたが何とか再投稿できました。楽しみにしてくださった方、不完全なデータを読まれた方本当にすみませんでした。次もぽちぽちとアップしていきますね。

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