表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

舞い降りた

作者: 有栖



5Gが蔓延り

チャットgptを信仰をする現代

皆、神様よりもスマホを信仰している


ケムトレイルを見上げる彼女エマ

の腕の中には、天使の羽根が生えた赤ん坊がいた

泣き出すと雨が降り始める


なんとかしてミルクをあげなくてはと

思い、エマは町はずれの小さな教会に入る


心配そうに駆け寄る神父

わけを話そうにも雷の音で聞こえない


「ミルク、ミルクをください...」

と懇願する彼女は、とても長い髪をしていた

歳は15、6歳くらいの少女だった

なんとかしてみようと

外へ出る神父


スーパーから粉ミルクと哺乳瓶を購入し、赤ん坊に与える

赤ん坊はお腹がいっぱいになって眠ってしまう


雨がやむ

改めて事情を聞く神父

「赤ん坊を連れて逃げろと言われました」

という彼女

彼女エマの子ではないらしい

赤ん坊の羽根をしっかりと確かめる神父

本物の羽根だと認める神父


神父は自分の故郷がとても好きで

いつか地元の小さな教会で

神父になるのが夢だったという

ちょうどその夢が叶い

2週間後にはこの教会に後任の神父が来るから

自分の地元の教会に勤務できるのでついてこないかと提案する

「もしよければ仮の夫婦として、一緒に田舎へ帰り赤ん坊を育てよう」と言う

なすすべのない彼女はうなずく


冴えない神父はずっと愛する人が欲しかった

家族を知らない彼女エマ

神父の優しさに少しずつ心をひらくようになる


神父の田舎の村人はみんな貧しいがとても優しかった

天使の羽の生えた赤んオリヴァーを暖かく迎えてくれた


天使が泣くと雨が降り

笑うとよく晴れた

村は豊作になり、良いことがたくさん起こった

村人は天使ちゃんのおかげ、と

天使のクッキーやチョコレート、ケーキやパンやぬいぐるみなどを作り

天使ブームは村中に広まった

天使の村、みんな幸せだった

みんなが秘密を守ってくれた

天使を部外者に知られないように

優しく穏やかに育てようとした


夏になった

村人の息子ルーカスが故郷の村に帰ると

村中の天使ブームに驚く

コロコロ変わる天気にも

これは一体何事かと

母親を問い詰める


母親は神父さんところの赤ん坊が天使なのだという

だがこれは村人がきめた掟で

外部には教えてはならないということになっていた

天使様のおかげでこの村は潤ったと

みんな優しく豊かになったと


信じられないルーカスは

神父のところへ赤ん坊を見せてもらう

しっかりと羽根の生えた赤ん坊を見て

ルーカスは赤ん坊の存在を

ちゃんと教会の本部へ知らせるべきだと言うが、神父は断る


こっそりと天使の写真を撮るルーカス

天使を使って自分も儲けたいと考える


だが村人中がそれを許さない

てっとり早く金が欲しかったルーカスは

教会の大司教へ会いに行き、写真を見せた

ある村に天使がいると

すると大司教は興味を持ち

金はいくらでもやるから場所を教えろと言う

世界中に天使の存在をアピールして

失いつつある教会の信仰を深め、世界を統一しようとする

そうして、オリヴァーはB協会に奪われた


B教会は天使の存在を全世界に発表する

B教会の信仰が一気に高まると

A教会がやってきて、天使はDNA操作で造られた偽物であると世界中に

暴露すると脅す


赤ん坊の正体は、別の宗教団体『A』がDNAを操作して創った偽の天使だった

B教会と同じように失いつつある信仰の対象物として

造られた赤ん坊だった


しかしただの羽根の生えた赤ん坊は

いつまでも信仰の対象にはならない

いずれ、ただの人間だとバレてしまう

だったら赤ん坊のうちに殺して神格化しようというのがA協会の考えだった


女のエマの正体は

同じくDNA操作されていて

A教会が創った奇跡の子という

超能力をもつ実験体のひとりだった

彼女は天気を操ることができた


赤ん坊が泣くと雨がふるのは

彼女エマの能力で

彼女の不安な気持ちからだった


村が潤って村人が豊かになったのは

村人達の力だった

自ら村興しをした結果である


赤ん坊がただの人間だと知った大司教は

それでもA教会に渡すわけにはいかない

A教会に、本当に神父の息子かどうかDNA鑑定するように言われてしまう


神父が呼ばれ

真実を答えよと言われる


神父はオリヴァーが

自分の息子ではないと答える

彼女エマの子でもないと


A教会は、天使はA教会のもとで生まれたと主張

B教会によって盗まれたと言う


世間はどっちが正しいのか

どちらを信仰したら良いのか不安になる


一方、赤ん坊を取り上げられたエマは

教会で泣き続ける

激しい雷雨になる

いつも抱いていた温もりが恋しくて仕方がない


A教会は天使がA教会のものであるという

証拠のを突きつけてきた


B教会は証拠を出せずにいた

天使が偽物であると公表するには

あまりにも、どちらの教会にも不利があるとし、天使の羽根を持つ赤ん坊をどうするか

話し合おうということになる


2つの教会はオリヴァーを本物の天使として

扱い合併を行い、新たにひとつの宗教として

蘇らせようとした


だが、もともと仲が悪かった2つの宗教が

ひとつになるわけもなく

突然の合併の発表に

人々は混乱した


最初から赤ん坊は殺される運命だったと知ったエマは

今回の合併の後にやはりオリヴァーは殺されるのではないかと思い、神父と祈りを捧げた


すると2つの教会に同時に大きな落雷があり

赤ん坊はエマと神父

2人のもとへ戻っていた

オリヴァーその背中には、しっかり羽根が生えていた




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ