現世ト黄泉ヲ繋ギシ門
普段、私たちが何気なく使っている物……それがまったく別の意味を持つようになったら、あなたはどうしますか?
高校3年の冬……大学受験を間近に控え、夜遅くまで予備校で勉強していた「僕」は、いつものように疲れた重い足取りでマンションへと帰る。
年代物の古いエレベーターに乗り込み、家のある8階へ昇ろうとする――筈だった。動き出して直ぐに、エレベーターは誰も待つ人が居ない2階へと勝手に止まるのだった。
子供のいたずらかと「僕」がドアを閉じようとしたその時、彼の前に奇妙な格好をした女性が現れた。しかし女性はまるで興味を示すことなく視界から消えていく。
……その後、何度も何度もエレベーターは無人の階に停まり……その度に女性が「僕」の前に姿を現す。やがて、エレベーター内から覗くマンション自体も不気味さを帯びていき、「僕」は謎の怪異に巻き込まれていく。
女性の正体は何なのか、不自然な動作を続けるエレベーターはどうなっているのか、何気ない日常に潜むあり得ない、されどあり得るかもしれない怪異が一人の少年を襲う。
これを読んだ後、あなたは怖くてエレベーターに乗れなくなる……かも?