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生きる  作者: カトユー
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ラバウルに着く

 ども、毎日投稿ができそうな気がしたカトユーです。(するとは言っていない)

 今回もまだ平穏なお話です。

 航海は比較的順調に進んだ。一回だけ潜水艦警報が発令されて乗組員達が戦闘配置に着いていたが、それ以外は何も起こらなかった。


 長くて短かったような航海も明日には終わる。明日の昼にはラバウルに着く。そこで我々は下船し、駆逐艦に分乗して戦地へと向かうのだ。だが、肝心の上陸地点は未だに教えられていなかった。上官に尋ねても「知らん」の一点張り。そんな状態で我々はとても不安になった。「激戦地へ送られるのか?」等々、皆で集まってはこれからどうなるのかを議論していた。


 翌朝日の出のタイミングで自分は目が覚めた。起床時間迄はまだ時間がある。しかし、どうにも寝ることが出来なかったので、太陽でも見ようかと飛行甲板に向かった。

 飛行甲板には既に多くの人がいて、何やら作業を行っていた。不思議に思い、近くにいた兵士に声を掛けると、どうやらラバウルで下ろす荷物の準備をしているらしい。お前も手伝えと上官(海軍だが)言われたので、仕方なく彼らの仕事を手伝うことにした。

 やたらと思い木箱をいくつか運んでいたが、だんだんと中身が気になってきた。誰も見ていないことを確認すると荷物を降ろし、中身を確認してみた。開いて自分はびっくりした。中身は大きな砲弾(十二糎七砲弾)だった。自分は食料でも運んでいるんだろうと思っていたが全く別の物であった。途端に自分はこれを持つのが怖くなってしまった。落としたらどうなるのか?暴発しないのか?ビクビク運んでいる内に運び終えたが、全身が汗でびっしょりになっていた。

 お礼にと若い海軍士官が間宮羊羹なる物をくれた。周囲の兵隊が羨望の眼差しを向けてきたが自分には価値が解らなかった。


 色んなことがあったものの瑞鶴は無事ラバウルに着いた。我々は誰にも気づかれることなく下船した。

 下船してすぐにこのあとの予定を伝えられた。なんと、明日の朝には駆逐艦に分乗して戦地へ向かうと言う。気になっていた戦地というのは、ガダルカナル島と言うらしい。戦友が世界地図を持っていたので、皆でガダルカナル島なる島を探して見たが見つからなかった。偶々通りかかった中隊長殿に場所を尋ねると「ここだ」と言って、ゴマ粒より小さな点を指差した。豪の北東。ここラバウルからかなり離れた小島に我々は今から向かうらしい。




 我々は知らなかった。この島で今同胞達がどれだけ悲惨な目に遭っていたのかを。

 ガダルカナル島の戦いですよ……

 次話は夕方か明日。場合によっては今週中です。

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