プロローグ
「もう、だめ…」
なぜか天使が黒く染まり、街を壊され人々は逃げ回り、そして殺されていった。今度は自分の番だと思うととても耐えられなくて、目を瞑った。私にはなにも出来ないから、どうしようもないから、目を瞑って強く祈った。
(助けて!誰でもいいから…助けてよ・・・!)
「・・・・・・・!!!」
その刹那、目の前に風が吹いたような感覚を感じると同時に強く打ち付けられるように地面が何度も鳴った。
私は、そこにいるであろう『私を救ってくれた方』の姿を見ようと、目を開けた。
「大丈夫だ、もう大丈夫だ。君は私が守ったから」
そう言いながら頬に触れられた手はゴツゴツしていていた。明らかにお母さんやお父さんと違って頭に角が生えていて、見慣れない服装をしていたを
でもとても安心できる。お母さんみたいな温もりを感じられる。けど、同時に涙が溢れてきた。
「お母さんが…!お父さんが…!街の人達が…!・・・みんな!!みんな!!!」
「でも、君はこうして生きている。辛いのも分かる。だが、君は進まなけさればない。それが、この世に生きる者の明日を切り開く力になる。だから、亡くした者達のためにも、明日を切り開くためにも、今はお休み」
「・・・うん」
泣きじゃくる私にくれたその言葉は私に希望をくれた。そうして、安心すると今度は眠くなってきた。
―お母さん、お父さん、私は明日を切り開いていきます
そうした決意とともに、私の意識は落ちていった…。