ココロセカイ
初めての投稿です……誤字脱字あると思われますがあったかい目で見てください……
何もないホシに1つ、明るいものがうまれる。ほわほわしてて儚く、脆い。これは「ココロ」。まだ、誰も知らない。これは神様だけが知ってる、お伽話。
「ココロを持ったモノだと? 」
私のこと、かな? 何を言ってるか、わからない。
「番号27523は細心の注意を払ってよく見ておけ! 」それだけ言えば私を解放してくれた。優しい人なのかな……? てっきりハイジョされるかと思った。このホシは昔何もなかったみたい。一面が砂砂砂で、生命も何1つとしていなかった。だけど、私たち人型ロボットがやってきて、1つの国に変えていった。そして水も緑も食料もある、素敵なホシに変わっていった。人間はいないから、実験で住民を作るしかない。私も実験で作られた1人。将来はこの国に貢献するんだ! 蒼い空にロケットみたいなものが見えた。この前のパイロットさんたちが帰ってきたのかな? でも少し違う形のロケットだな。みんな私と同じことを思ったのかぞろぞろと甘いものに群がるありのようにやってくる。その中をかき回して私は最前列へ出る。プシューッと音を立てながらロケットの扉が開く。中からは初めて見た人が出てきた。今まで見たことのない、初めて見る人。誰……?
「これからここは我々地球の所有物とする。速やかに立ち去れ。」みんなが動揺しているのを知っていながらそれを無視して言葉を発する。堂々としていて迫力がある。そして、怖い。逃げろって声が聞こえた。脳裏まで響く。それが引き金になり、ロボットはみんな走って逃げる。私もみんなにつられて必死に足を動かす。夕日に向かって必死に走る。
いつしかこのホシは地球の所有物と化していた。ほんとは国に貢献したいのに、地球なんかに貢献してる。もう嫌だな。逃げちゃいたいな。みんなで仲良く暮らすことはできないのかな。路地裏で声を押し殺して泣いている私の元に少女が現れる。「一緒に帰ろう」と言いながら手を差し伸べる。首筋に数字がない。人間だ。人間はロボットを奴隷として動かすはずなのに、この少女は優しく接してくれる。こんな人いるんだ、人間だって優しい人がいるんだ。そう思うと少し安心した。少女の手を握り返してありがとう、そう言うと少女は微笑んで歩き出した。「実は私家を追い出されちゃって、こんな立場を利用するってわけじゃないんだけど、よければ住まわせてくれない……? 」恐る恐る口を開いて少女は言う。ロボットは
に親なんていないから住まわせることは可能だ。この人は優しい、悪い人じゃない。そう感じたの、ナニカが。「いいよ。私の家においでよ」私は少女の手を引いて歩き出す。月明かりが2人を照らしていた。「そう言えばなまえは? 」呼びにくいから、と付け足してそう言うと少女はノアだよ、と言う。あなたこそ、名前は? と聞いてくる。私はロボット同士で名乗り合うように首筋の数字を言った。そしたらノアはすごくびっくりしたような顔でこちらを見ている。私達が普通じゃないのかな? どうなんだろう……「数字なんて呼びにくいから……あなたはニナ。2と7から使ったの。」にっこり笑ってそう言う。 ニナ。いい名前だね、そう言うと私は満面の笑みで答えた。「気に入って貰えて良かった。これからはニナって呼ぶから、私のことはノアって呼んでね。」呼び捨て……初めてかもしれない。なんだか嬉しくなった私は何度もノアと呼んでみた。ノアはふふふっと笑いながらここにいるよ、と返してくれた。なんだか大人の対応だな……
ある日のこと。いつも通り私はノアの待っている家に帰ってきた。頑張って労働した後に見るノアの顔は私にとってはご褒美だ。本で見たことあるけど例えるならば天使。天使みたいな笑顔で私のことを見てくれている。これほどの幸福があるか。そんなことを考えていた。ドーンッと大きな音が外から聞こえた。脳裏まで響く。何が起こったかわからないノアと私は窓の外見る。ハカセ、私のことを何か言ってた人、が立って恐ろしい笑みを見せている。人間が博士の方へ機関銃を打ち込んだり、爆弾を投げたりしている。これは本で読んだことがある。センソウだ。ノアは知ってるのかなと思って隣見ればわかったような顔をして窓の外を眺めている。人間とロボットは仲良くなれないのかな……心の声が漏れていたのかノアがこちらを凝視している。「私もよ、2つの文明が仲良くなることはできないのかな……」凝視していた目をいつも通りの大きい目に帰れば困り眉で微笑みながらそう言った。私たちコドモ(ノアに聞けば、私は人間界でいうコドモらしい)は家の地下に掘られてあるシェルターに逃げ込んだ。シェルター外にいる時よりかはセンソウの音は聞こえずらくはなった。しかし不鮮明に聞こえてくるのでなんとも言えない恐怖心に襲われる。私とノア、その他のコドモ達はその音に毎日体を震わせていた。
「僕たち、人間ロボットは仲良く暮らせないのかな。」「センソウなんて早く終わらないかな。」そんな声が聞こえてくるようになった。私やノアと同じような考え。私とノアは考えていることが同じだったのか、ある日、音が聞こえない時にみんなを集めて提案してみた。「みんなセンソウを止めたいだとか、人間と仲良くしたいんだよね。私とノアも同じ気持ち。だから、みんなでこの世界を変えよう! 」コドモ達では力不足ではないか?
と言うような目でこちらをみている。でもここには幼い子達ではない、あなたのような大学生や、高校生、20歳以下の人はここにいる、なんとかなりそうでしょう? 何かあれば私たちが全責任を負う、業火に焼かれようとも構わない決意で話しているの、とノアは堂々と言った。初めてこの国に人間がやってきたように。いつしかみんなの不安の目は消えて、決意の目へと変わっていた。「「一緒に世界を変えよう」」ノアと2人で言えば、みんな力強く頷いたり、返事を返したりしてくれた。ノアの教えてくれたイッチダンケツってことなのかな。「ねえノア、ココロって何?」それを聞くのが日課になっていた。ノアと暮らし始めてから聞き始めた。はじめのうちは難しい言葉を使いながら説明してくれたけど、何日か経てば「ニナにも分かるようになるよ」と優しく教えてくれた。そう言った時から私は聞くのをやめていた。
それから私たちはシェルターにあった武器をとって着々と準備を進めた。音が小さくなったとき、すぐに飛び出した。人間はロボットのところへ、ロボットは人間のところへそう向かうことで私たちの考えは読まれにくくなる。ただ武器を奪うだけ。そうしたらすぐにシェルターに戻り、奪った武器を置いておく。そうしたんだけど、武器をたくさん持ってるらしく、とってもとっても武器を持って出てくる。センソウは止まらない。そう思った人も多いのか、武器を取っても意味がないと言う主張を私たちに伝えてくる人が多くなった。ノアも私もどうすればいいのか考える。「私たちも戦う?武器はたくさんあるよ。」ノアに提案してみた。「それはダメ。もしそんなことしてしまったら命を落としてしまう。無駄に被害が広がる。それに、今までだって怪我を負った人もいるの。それ以上被害が拡大すれば何もできないままになる。」ノアが真剣な表情でこちらをみながらそう言う。「ナルホドノヨッチャンダンゴイカエキストリームモードってこと………」きっとすごい表情だったんだろうね。ノアがへっといったような顔でこちらをみている。「何言ってんのアンタ………」呆れたようだが少し笑ってそう答えた。「だってノアが前言ってたよ。」いやいや覚えてたのねと笑いながら答えられた。ノアの笑顔につられて私も一緒に笑う。「また明日考えよっか、疲れちゃっただろうしね。」月明かりが地面を照らしている。
気分転換に本を読んでみた。流石に疲れたから。元々から本を読むのは好きだった。事実は小説よりも奇なりというけど、小説も十分奇妙だとは思う。なんて考えながらページをめくる。この本はこの国の歴史がたくさん書かれたもの。この国の出来事がたくさん書いてあって面白い。とあるページで私は手を止めて息を飲んだ。急いでノアに伝えに行く。勢いよく立ち上がってノアの部屋へ駆け込む。「ノア! これ見て。今の私たちとほとんど同じ状況。」ノアも食いついて本に目を通す。「この箱を使えばきっと戦争を止められる! 行こう。」ノアが私の手を引いて部屋から出て行く。「待って、他のみんなにも伝えておかないと、どこに行ったのかわからなくて戸惑う。伝えてから行こう。」みんなを緊急で集めてさっき決めたことを言う。みんな賛成してくれた。しかも護身のためと言って武器とか防具をくれた。みんなの期待に応えるべくノアと私はシェルターをでた。すでに太陽は昇って、じりじりと赤黒い地面を映やしていた。
頭脳明晰なメンバーの1人、メルが箱の場所を教えてくれた。5秒っていう恐ろしいスピードで考えた。ほんと怖い………そんな呑気なことを考えながらその場所まで私とノアは走る。その場所、ハカセの研究室。私の、うまれた場所。ここで始まり、ここで終わる。箱を探す目的、それは世界を創りなおす。それは私もノアも人間もいなくなるってこと。それを決意して私とノアはこの場所にいる。私の仲間達も決意してくれた。こんなコドモがこんなこと考えるはずがないってオトナは思ってるはずだからこの行動にでた。少し息を吸って呼吸を整えれば「ここだよ」とノアに向かっていう。ゆっくりとドアを開けて中に入る。警備が甘いようで誰もいない。エレベーターを使って仕舞えば私たちが来ていることがオトナにバレてしまう。だから階段でない地下5階までおりる。暗闇の中でキラキラ光る箱はあった。「あれだ! 」ノアが見つけるなり叫ぶ。私とノアは無我夢中で走る。あと少し。そこでノアが短い悲鳴をあげた。それに続いて私も地面に叩きつけられ、悲鳴をあげる。暗闇の中でハカセが出てきた。カツンカツンと音を立てながらこちらへ向かってくる。「君が来ることは知っていたよ。番号27523。」私たちを見下して言葉を発する。「何をしにきた」「応えるわけないでしょ。アンタらみたいな低脳には私たちが考えることなんてわからないだろうね。」ハカセは自分の頭の良さを自慢していた。誰も否定はしない。確かに頭はいいから。それに私たちロボットを作ったのもハカセの先祖。だからみんなから尊敬される。ノアはそれを知っていたから挑発したんだろう。低脳、がやけに強調されていたから。ハカセは当然キレる。自分の自慢をズカズカと入ってきた、人間に莫迦にされたのだから。「ズカズカと入り込んで好き勝手してくれた下品な人間め。私のことを莫迦にしたらどうなるか、わかっているのかね?」ハカセはポケットからボタンを取り出す。「ココロを持ったロボットは要らぬからな。いつでも排除できるように、爆弾を埋め込んだのだよ。威力はそこまで高くない。周りの者が1人死ぬ程度だ。」冷たく、冷徹。そんな言葉が似合うだろう。ココロ。どんな意味かは知らない。どこにあるかも知らない。この頭蓋骨を砕けばその中に見えるのか? この胸引き裂けば中にあるのか? わからない。あのボタンが押されれば私は死ぬ。ノアも死ぬだろう。ノアだけは死なせたくない。私が壊したいのは、腐ったこのセカイだ。あいつは腐ってる。こいつも、あいつも。みんなみんな腐ってる。ノアも、シェルターのみんなも私も。だから創りなおす。そのために私は行動に出る。私は上に乗っていた者を振りほどいてハカセに近づく。それと同時にボタンに手を伸ばして博士を捕まえる。ノアがこちらをみて叫んでいる。不思議だ。何も怖くない。恐怖はない。掌をこちらに向けて手を握ろうとしている。ボタンを押すと同時に分かったんだ。あの掌にある、明るくてほわほわしてる、儚くて脆いものがココロだ。
数秒時間がゆっくりになったような気がした。空気も重くなってうまく声が聞き取れない。ノアが何言ってる。心……? 心がわかったというのか? 「ねえノア。ココロって何?」ニナの声が脳裏まで入ってくる。あんなに私に心、心って質問してきたのに。最後の最期で理解したの? 爆弾がどんなものかは知らない。でもニナとハカセは跡形もなくその場からいなくなってた。ロボットだからなのかな。そんなことを考えてしまった。今、大事な大事な心友だったニナをなくした。もう、いない。ニナの温もりも笑顔も何も、ない。なにも、ない。私は叫んだんだろう。私を押さえつけていた人が耳を塞いだ。せめて。ニナが創りなおしたかったこの世界は創りなおす。箱に手を伸ばす。この世界を創りなおして。叫んだ。無我夢中で叫んだ。ニナを押さえつけていた憎い憎い奴が私の髪を引っ張ろうとも私は箱に手を伸ばす。あと少しなのに。手が届かない。でも箱はぱかっと開く。神さまみたいな人が出てきて「いいよ、創りなおしてあげる」そう言った。私もニナもハカセもシェルターの子も猫も犬も何もかもが消えた。なんもない砂砂砂の世界へ戻った。ニナとノアはそこにいる。立っている。手を繋いで。世界のやり直しだ。ニナがそう言った。ノアもそれに続いて力強くうなづいた。すでに太陽は登り始めていた。
読んでいただきありがとうござました!実は書いてない後書きがあるのでここに乗せておきます……
「特別大サービスじゃん、ニナもノアも生かすなんて。なんかあった?」ノーレッジがケラケラ笑いながらいう。「あの2人は面白そうな気がしたの。これまで同じようなマスに進めてきたけど、今回はあんな子供が革命を起こすなんて思ってもなかった。少し好奇心が湧いた、とでも言っておく。」私はサイコロを手の中で転がしながら言う。「クラフティぽいね、でどうするの次のマス。イカサマでもしちゃうわけ? 」
「どうだろうね。この2人は運命だとか言っちゃって。何言ってんだか。」
3つのサイコロを転がす。1つ目が6。2つ目も6。そして3つ目も6。
「神様がなにその数字にしちゃってんの。てかバリバリイカサマしちゃうじゃん」その出目を見たノーレッジが笑いながら言う。
「運命とか未来とか全部私がイカサマしたり、ズルしたりで決めてるのに人もロボットも何もかもが神と崇めちゃって。滑稽極まりない。」クスクス笑えばノーレッジもつられて不敵な笑みで笑う。
「クラフティイカサマばっかりするよね。まぁ、そいつらの人生割と面白いけど。」
「面白ければいいでしょ。さて、数字だけで決めたけど、次のマスはなにかな? 」覗き込んで確認すればクスクス笑いが止まらない。ノーレッジも気になったようで見にきた。
「これは最高すぎ。『この後の人生は最高。ロボットは人間界に溶け込み、ロボットの区別がつかないようになる。2人は転生後、死合わせのデスゲエムに参加。』最高じゃん、出目良すぎ。」
「嗚呼この2人この後も楽しみ。ふふ、楽しい人生ゲエムを楽しんでね。ノア、ニナ。」
「こんな事しているうちにもう転生しちゃってるよ。私は死合わせのデスゲエムの進行役してくるよ。」甲高い声でそう言えば、ノーレッジは立ち上がって棘のたくさんついた薔薇で囲まれる、くろいホシへと行った。神様のいる部屋のドアは誰も寄せ付けない、入れないように固く閉ざされた。
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